久慈男体山起点で8座周遊 Kaeru捕獲されるの巻き
奥久慈男体山、白木山、恋人峠、高崎山、中武生山、武生山、亀ヶ淵山、三葉峠、明山、篭岩山( 関東)
パーティ: 2人 (Yamakaeru さん 、ほか1名)
奥久慈男体山、白木山、恋人峠、高崎山、中武生山、武生山、亀ヶ淵山、三葉峠、明山、篭岩山( 関東)
パーティ: 2人 (Yamakaeru さん 、ほか1名)
晴れ
マイカー
その他:
持方(もちかた)駐車場を利用。別名「すいふ恵海の森駐車場」10台程度。無料。綺麗なトイレあり。日本の里100選に選ばれている常陸太田市の持方集落にある無料駐車場。GoogleMapであれば「持方駐車場」で検索可能。座標は(36.733062 , 140.427576)。
持方駐車場(06:28)・・・奥久慈男体山(07:00)・・・篭岩山(09:21)・・・篭岩展望台(09:54)・・・明山(11:09)・・・三葉峠・・・亀ヶ淵(11:54)・・・亀ヶ淵山(12:17)・・・武生山(13:27)・・・中武生山(14:09)・・・高崎山(15:17)・・・恋人峠(15:54)・・・白木山(15:59)・・・持方駐車場(16:21)
「どこかパウダースノーが楽しめる雪山はないか?」と探していたところ、先輩の山仙人から「週末、奥久慈男体山を周遊したい」と号令が入る。
奥久慈男体山は、茨城県下でも大好きな山の一つ。「どんなコースでも案内しますよ!」と二つ返事でOKする。
折角なので、山仙人とも縁のある女子隊員にも声をかけようと考えていたが、送られてきたコースマップを見て、即座に「二人だな」と判断。男体山を起点に篭岩山等8座を巡るという。若干、コースは違うが、自分も稜線をつないで周遊したことがあるが、20km程度の距離となめていたら、悪天候だったとはいえ予想以上に苦労した記憶がある。その時の記録はこちら。(https://www.yamakei-online.com/cl_record/detail.php?id=164602)
今回は、ピークハンター山仙人の希望で、頂を極めることを最優先に後半は車道を使うシーンが多いが、ハードなコースには違いないので男二人で挑むことにした。果たしてどんな山旅になることやら。山仙人と一緒なので普通では終わらないはず。楽しみに週末を待つ。
明け方5時に、山仙人と合流。一路、奥久慈へ。
持方駐車場に6時前に到着。まだ薄暗いので、陽が登るのを待ってから出発とする。
6:30に1座目「奥久慈男体山」を目指す。
いつもは健脚コースを使うが、持方からだと登山というよりは散歩の感覚であっという間に山頂に着いてしまう。登っている途中で、樹々の間から真っ赤な太陽が昇ってくるのが見えた。森の中に温かな光が射しこむ。凛と張り詰めた冷たい空気が少し和らいだ気がした。
早朝のみのボーナスタイム。男体山の山頂からは見事な雲海が楽しめた。コーヒーを淹れながらゆっくり景観を楽しみたいところだったが、なにぶん始まったばかりなので、先を急ぐ。
大円地峠を越えて、次の目的地「篭岩山」を目指す。本当であれば、鷹取岩を巡りながら歩きたかったが、稜線を使って直接、篭岩山を目指す。このコースは、アップダウンが激しく迷いやすいので篭岩山側には立ち入り禁止のロープが張られている。経験者以外にはお勧めはしない。そういう自分も馴れているつもりで飛ばしていたら2回ほどミスルートをしてしまった。
篭岩山に到着。軽く水分補給をして次へ進む。次は「明山(みょうざん)」。ここも稜線沿いに進むのが最短コースとなるが、篭岩山に来て「篭岩展望台」を紹介しない訳にはいかないので、一旦降って自称「日本のカッパドキア」を紹介する。その後、上山の村落を抜けて、車道を使って明山の麓まで移動する。
明山へは三葉峠から登るルートが正規だが、小川沿いに進み尾根の一つからダイレクトに直登する。廃道に近いがルートがない訳ではないハズと、藪漕ぎをしながら森の中を探っていると「ガツン」と音がしてつんのめる。危うくバランスを崩して転びそうになってしまった。枝に足をとられたのかと強引に進むが、絡まって先に進めない。何かがおかしいと、足元をよく見たらなんと動物を捕獲するための罠に引っかかっていた。藪漕ぎをしていると、時折、このような仕掛けを見かけるが、大概は事前に気が付き回避できる。全く気が付かず、自分が捕獲されたのは初めてだった。鬱蒼とした森で暗かったせいもあるが、恥ずかしさ全開で思わず苦笑してしまった。仕掛けは、ばね式で踏み込むと一瞬でワイヤーが締まるタイプ。かなり強力で両手を使ってようやく取り外すことができた。歯がバチンと閉じるタイプでなくてよかった。罠を元通りにしようかとも思ったが、薄暗くてどこにセットされていたか分からなかったので、仕掛けた方には申し訳ないがそのままにしておいた。ごめんなさい。
地図で確認した際は大した登りには思えなかったが、気を許すとずり落ちそうな斜面が延々と続き、登りがとても長く感じた。麓から電線のようなものが山頂に向かって延びていたので、それに沿うように登る。一体なんの線だろうと思っていたが、山頂手前にテレビのアンテナが建っていた。山間部に住む人の工夫だろうか。その苦労に驚いた。
程なくして明山の頂へ。スタート地点の男体山から篭岩山までの縦走路とこれから向かう武生山がよく見渡せた。また、振り返ると水色の特徴的な吊橋「竜神大吊橋」が見えた。昔、山で出会った方から「奥久慈には地脈に沿って大きな竜が住んでいる」という話を聞いたことがあるが、この山並みを見ているとあながち嘘ではないと思えてくる。何かとてつもないエネルギーを感じるから不思議だ。
明山からの下りは、三葉峠までの正規ルートを使ったが、ほぼ崖のような急斜面。降りながら「そういえばこんな斜面だった」と昔の記憶がよみがえってきた。
三葉峠から更に降って亀ヶ淵へ。亀ヶ淵という名前がぴったりの趣のある滝が素敵な場所だ。
以前は、靴を脱いで膝まで浸かりながら渡渉した川も今日は穏やかで、水面から顔を出した石を踏みながら、無事、濡れることなく対岸まで渡ることができた。
次の目的地は滝の上に聳えている「亀ヶ淵山」。
340mの小さな山ながら、明山から見ても「槍か?」と思うくらいの急峻な山だった。
「武生山」へ向かうコースの途中で、登山道を外れて斜面に取り付く。看板は一切出ていないが、よく見るとロープが垂れ下がっているので、一応はルートになっているようだった。ただし、ロープが無いと登れないほどの斜面で、たかだか300mと軽く考えていたのに、山頂にたどり着く頃には残っていた体力を全部使い切ってしまい、そのまま地面に座り込んでしまった。
水分補給と食事をとって、エネルギー充填完了。
立ち上がって、次の目的地「武生山」を睨む。たかだか458.7mと500にも満たない山が、倍ほども高く見える。
登ってきた反対側の斜面を使って亀ヶ淵山を降りる。
正規ルートだと思っていたが、いやいや、なんのなんの。まさに崖下り。
木の枝にしがみつきながら、なんとか下山をしたが、きっと踏み外した瞬間、大けがに繋がるだろう。
降り切ると見覚えのある場所にでた。
以前、反時計回りに峰々を周遊した時に、この亀ヶ淵山にぶつかり「これは登れる山じゃない」と武生山側へトラバースした場所だった。やっぱりあの時の判断は正しかった。もし登っていたら、周遊は完結できなかったかも知れない。
あらためて「武生山」へ向かう。
一旦降って沢を渡って登り返し。
後半に備えて水をセーブしておきたかったので、あまり綺麗ではなかったが、沢の水で喉を潤す。
ここからの登り返しはつづら折りの連続。斜度は大したことはないが、先ほどの亀ヶ淵山でさすがに足が悲鳴を上げている。歩き方を変えて、溜まったダメージを抜きながら歩く。秘技「歩きながら休憩」笑。
亀ヶ淵への分岐点を左に折れて山頂方面へ進むと車道に合流する。武生山の頂は、その道路を少し進んだ先のすぐ脇にある。特別、看板はなかったが、それっぽいところから藪に入り、道路と平行に進んでいくと山頂がある。
生まれ故郷と同じ名を持つ山。こちらは「たきゅうさん」と呼ぶ。
次の目的地「中武生山」までは、再び車道を歩く。
車道ばかりで飽きてしまうが、たまには山仙人と横に並びいろんな会話をしながら歩くのも楽しいものだ。
コース終盤。ここから先は、「中武生山」と「高崎山」を通って最後の「白木山」を目指す。いよいよゴールが見えてきた。
高崎山までは、長い車道歩きとなる。
途中で、車道の脇から山に入り、中武生山に登り、また車道に復帰する。今日はピークハントが目的とは言え、車道で山をつなぐ不思議な登山だ。
高崎山の登山口はよく分からなかったので、地図を見ながら適当に斜面に取り付き、尾根沿いに頂を目指す。途中、登山道を横切ったが、あくまで最短で山頂を目指すと言うことで、そのまま直登を断行。復活しかけた足が再びプルプルしてきた。苦しい反面、それが楽しいとは、我ながら変態だと思う。
高崎山を越えて、少し降ると白木山までの縦走路がよく見えた。高崎山から白木山への縦走路はよく知ったコース。夕暮れが近づいていたので、スピードアップで進んでいく。もう藪漕ぎはないので楽勝だ。
緩やかにアップダウンを繰り返し白木山へ。
山頂からは、夕陽の中に男体山が赤く染まって見えた。朝日から始まり、夕陽で終わる。なんと充実した山登りだろう。
白木山は、「白い」という文字から優しいイメージを持ちがちだが、実は相当の曲者。高崎山からの縦走路は実に歩きやすいコースだったが、山頂から出発地点のあった持方方面への下りはほぼ一直線の激坂。延々とロープが張ってあり、こんなに長いロープ場はそうないと思う。
暗くなる前に下山したかったので、ロープを使いながらずり落ちるように降っていく。
車道まで降りると、出発地点の駐車場までは歩いて5分程度。
なかなかの疲労感。20km程度のコースにここまで手こずるとは。まさに「低山をなめてはいかん」というやつだ。
暮れていく駐車場に戻ると、我々の車の横にもう一台の車が停まっていた。
「こんにちは!」と声をかけると「あー良かった」との返事。
帰りの遅い県外ナンバーの車が停まっていたので、遭難したんじゃないかと心配していたとのこと。もう30分遅かったら通報も考えていたとのこと。
心配おかけしてほんと申し訳ない。個人的には夜間登山も気にしないので、あまり早いとか遅いとかの感覚はないが、確かに低山で夕暮れまで歩くケースは少ないかも知れない。親切に心配していただいたことにとても有難く思った。危険なルートに入るときには、コースやスケジュールを車に張り紙しておくこともあるが、低山でも少し気を付けた方がよいなと反省した。
ないはともあれ、動物用の罠に捕獲されながらも、無事、周遊を達成。
予想通り、山仙人との山旅は普通では終わらず、ワクワク・ドキドキいっぱいで
実に楽しかった。
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