行程・コース
天候
初日:快晴、夜間にやや風、2日目:ガスのち快晴、稜線強風、3日目:快晴無風、気温高い
利用した登山口
登山口へのアクセス
マイカー
その他:
さわんど駐車場(700円/日)からバス(往復2400円)
この登山記録の行程
【1日目】
上高地バスターミナル(06:08)・・・河童橋(06:12)・・・明神(06:56)・・・徳沢(07:43)・・・横尾(08:40)[休憩 15分]・・・本谷橋(10:00)[休憩 10分]・・・涸沢(12:00)
【2日目】
涸沢(05:25)・・・ザイテングラート取付・・・穂高岳山荘(07:19)[休憩 41分]・・・涸沢岳(08:25)[休憩 27分]・・・穂高岳山荘(09:07)[休憩 27分]・・・奥穂高岳(10:20)[休憩 25分]・・・穂高岳山荘(11:27)[休憩 23分]・・・ザイテングラート取付・・・涸沢(12:35)
【3日目】
涸沢(04:50)・・・南稜取付・・・南稜テラス・・・北穂高岳(07:18)[休憩 35分]・・・南稜テラス・・・南稜取付・・・涸沢(08:50)[休憩 120分]・・・本谷橋(11:40)[休憩 15分]・・・横尾(12:50)[休憩 12分]・・・徳沢(14:00)[休憩 23分]・・・明神(15:13)[休憩 4分]・・・河童橋(16:03)[休憩 18分]・・・上高地バスターミナル(16:25)
高低図
標準タイム比較グラフ
登山記録
行動記録・感想・メモ
快晴予報のGW3連休、涸沢で雪中テン泊して穂高を目指す。
6時に上高地着、快晴だが吊り尾根にはやや雲がかかっている。自分史上最重量のザックを担ぎ上げ、横尾まで長い林道歩き。途中、新村橋手前から仮設の橋で対岸に渡る迂回ルートになっている。重い足取りで横尾着、かなりの人出で夏よりいっそう賑やか、ここで朝食休憩とする。
鯉のぼりが泳ぐ横尾大橋から沢沿いを歩く。途中から登山道に滑りやすい圧雪が出てくるが、ダブルストックで通過。本谷橋の先で12本爪アイゼン装着、沢から這い上がる斜面がやや急だが、その先は緩やかなトラバースが多く、1900m辺り以降は雪が締まって快適なアイゼン歩行。涸沢ヒュッテが見えてからの雪面の登りが思いの外長いが、待ち受ける絶景が背中を押す。
12時に涸沢着、整地して風避けを作ってテントを張ってからランチ。設営の重労働で一気にシャリバテ、体が重いので梅粥にする。お昼寝したり、コーヒーを飲んだりしてのんびりしていると、何度か前穂側から雪崩。夕食にカレーうどんを食し20時には就寝。稜線から吹き下ろす風が強いが、竹ペグで万全。
朝、モルゲンは染まらず、稜線にはガス。とりあえず白出のコルを目指して小豆沢の急登を喘ぎ登る。2時間弱で着、風が強く奥穂のガスが切れないが天候は回復予報なので、まずは涸沢岳へ。トレースが一部風で消えているが、安全快適なルートで登頂。風はあるが日差しが暖かく、北穂と大キレットを前にココアで休憩。
コルに戻って奥穂へのルートをしばし観察。すっかり青空で、行けるところまで行ってみることにする。最初の梯子場はやや雪が残る程度で夏と同じ感覚。問題はその後の雪壁で、確実にアイゼンの爪先を蹴り込みピックを突き刺しながら這い上がる。ここをやり過ごすと、あと1箇所だけ短い急斜面の直登があるくらいで、夏道通しで日本で3番目に高い山頂へ。乗鞍からジャンダルム、笠から薬師、立山から槍、常念から蝶と360度の絶景。
下りも核心部は雪壁のクライムダウン。滑落のイメージが頭を過り、登りの10倍くらい慎重にステップの強度を確認しながら足を運ぶ。少しでも雪が緩んでいたら降りられる気がしない。30mくらいだろうがとても長く感じて、続く鎖場がとてつもない安全地帯に思える。とは言え気を抜ける場所でもないので、緊張感を保ってコルに戻る。コーヒーを飲みながら見上げる雪壁に感慨いっぱい。
小豆沢の急斜面は雪が緩んで滑りやすいが、雪山下山の醍醐味とばかり、アイゼンの後ろ爪を利かせて思いきりよく駆け下り、45分でテント着。登頂後ランチのビーフマサラカレーが美味しい。午後は装備を干して、お昼寝、コーヒー、再整地。夜は野菜たっぷりの味噌ラーメン。風がやんで、涸沢槍の上に三日月がかかる静かな夜。
3日目もモルゲンなしだが快晴、北穂に向かう。北穂沢は終始急登で特にインゼル辺りは壁のよう、前日の登山者ステップが有り難い。小屋の反対から回り込んで北穂山頂、ここから望む大キレットと槍は最も好きな山岳展望のひとつで、残雪を纏う岩壁はまた格別。いつまでも見ていたい景色だが、雪が緩み始めているので30分ほどで山頂を辞し下山。すれ違いに注意しながらステップを降り、あとは涸沢まで駆け下る。
テントを撤収し帰路につく。本谷橋から上高地までの平坦な14kmが冬靴の足に堪え、道端のニリンソウの大群落を見たり、徳沢でソフトクリームを食べたりして気を紛らしながら、何とか河童橋の袂に辿り着く。ブルーの梓川越しに輝く吊り尾根を眺めて暫しぼーっと脱力してから、バスターミナルに向かった。
日帰り入浴:湯の華銭湯瑞祥松本館
フォトギャラリー:15枚
GW涸沢のテント村、100ー150張ほど(と思っていたがヒュッテ情報では400張あったらしい)で、予想よりずっと空いている
小豆沢を登る、稜線にはややガス
涸沢岳から北穂と槍
涸沢岳から奥穂と前穂
奥穂手前から笠ヶ岳
奥穂から槍と黒部源流域の峰々
ジャンダルム
奥穂山頂
コル上の雪壁
穂高岳山荘のテン場から、先ほどの雪壁をクライムダウンする登山者あり
小豆沢上部は急傾斜
北穂から槍
大キレット
北穂沢上部は急傾斜




