行程・コース
天候
昼過ぎまで晴れ→曇り。避難小屋の直下で雷が鳴ってからは大荒れ、土砂降り・雷・ひょう。
登山口へのアクセス
その他:
ネットカフェに前泊し、立川駅04:47から乗り継いで06:31東日原バス停。
この登山記録の行程
(丸ガッコ内は地理院地図の表記、coは標高、地点名称は吉備人出版の「登山詳細図」から)
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07:13~東日原バス停をスタート
07:52~八丁橋
08:40~富田新道・唐松谷林道への下降路分岐~08:54
09:08~大ダワ林道への下降路分岐
09:20~二軒小屋尾根乗越~09:37
10:01~大ダワ林道の崩落個所の高巻きと林道への復帰~10:29
10:41~大雲取谷・小雲取谷出合いへの下降点
10:52~大雲取谷に降りる、co1200~11:13
11:35~小雲取出合尾根のco1400
12:04~co1650
12:33~(P1858)
12:52~避難小屋直下の稜線に上がる
12:57~避難小屋~13:29
13:31~雲取山
14:13~ブナ坂
14:46~(P1416)
15:58~村営駐車場
16:15ごろ~鴨沢バス停
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※ログは下降路のP1416の南300mまでは生きている。鴨沢バス停までの最後の700mは手書き。
高低図
登山記録
行動記録・感想・メモ
【追記】 水没したスマホからなんとか写真を引っ張り上げることができた。「犬の写真の後に」、山行の詳細とともにupします。
以下は元の記述。
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小雲取出合尾根(指金小屋尾根とも)を歩いたが、下山中に雷を伴う土砂降りに遭ってスマホが水没した。写真とボイスレコーダーの記録を復帰させるのは難しそうなので、半ば備忘録的にメモを残す。なお、「upしないと記事として認識されない」らしいから写真はダミー。
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〇 全体の印象
このコースは厄介が多い。長い距離を歩き、死亡事故も起きている大ダワ林道(廃道)の崩落地を高巻きし、大雲取谷に下降する。こうして取り付く小雲取出合尾根は、「尾根の下部の急斜面」が長く、手を使わずにすむ傾斜になるまでずいぶんかかった印象だ。技術と体力がともに試されると思う。
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〇 大ダワ林道
悪いところだらけだが(したがって他の「通行禁止」とは一線を画すリアル通行止め)、とくに足を踏み入れると非常に危険な崩落地の高巻きについて。前回のハイキングでなぜか見落としたトラロープは、今回地面に垂れ下がった状態で見つけることができた。右上の小尾根を見上げると赤と黄だったか、テープが見えるので小尾根を上がる。途中いくつか退色した古いテープがあり答え合わせにはなるが、どこでトラバースに入るかがわからなかった。人のものか獣のものか定かではない踏み跡をたどり、GPSで位置をとり適当なところで林道に降った。
過去の記録では、「二番目の崩落個所のすぐわきを降るので要注意」的な記述も見かけた。ということは、このあたり、通過するハイカーごとに現場での判断になるはずで、当記録者のログは長々とトラバースを続けた部類に入るだろう。
/昨年12月、崩落地を直進した大ダワ林道/
https://www.yamakei-online.com/cl_record/detail.php?id=237800
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〇 大雲取谷に降る
林道沿いは谷側の立木に林業の黄色い看板が多い。何枚目だったか、目的の小尾根にもかかっているのでGPSを確認し降り始める。ここはかつて人が行き来した径路の跡が残っている。途中からわりと新しい赤テを見る。上手に付けてあり、頼りに尾根末端までまっすぐ降ってゆく。最後、遠目には崖の上に立つような感覚だが、岩の階段を利用してピッタリと大雲取谷と小雲取谷の出合いに降りることができた。
記録では、尾根の右に降りるのが傾斜が緩くてラク、との記述をみかけた。そうかもしれないが、右に降りると小雲取谷を眺める機会がぐんと減ってしまうはず。小雲取谷は出合尾根に取り付いたあとは見ることができない。大雲取谷に流れ込む小雲取谷の眺めは本プランの醍醐味の筆頭に上がっても良いくらいで、小尾根を直進して谷に降りることをお勧めしたい。そもそもこのコースをやろうとするハイカーにとって難しいルートではない。
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〇 小雲取谷出合尾根を上がる
前述したが、尾根は「浸食され斜度が増した下部」が長く、手を使いながら登る時間がそれなりだったように記憶する。ただ露岩があったり細かったりはしないので、緊張は感じないですむ。倒木が多くやや荒れた印象。テープや境界標、林業跡などの人工物は見なかった。小雲取と雲取山荘をつなぐ巻き道を横切ったあと両側に鹿よけのネットがあらわれるが、乗り越したりする労なく稜線に上がることができる。
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● エピローグ
虫除け対策。
モンベルの虫除けネットをヘルメットの上からかぶり、小型の蚊取り線香ホルダーをザックにぶら下げ、ハッカ油を体のあちこちにスプレーする「夏山低山重装備」で臨んだ。おかげで1ヵ所?しか虫に刺されず、その点では快適に過ごせた。しかし下降路で蚊取り線香をカンごと落とし、ハッカ油は少量でやや値が張る。
/モンベルの虫除けネット/
https://webshop.montbell.jp/goods/disp.php?product_id=1108748
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大荒れの天気について。
登りと降りの両方を未踏のオフトレイルつなぎで歩く計画だったが、午後は降水確率は高くないものの雷マーク入り。少し荒れるかもしれないな、そのときはおとなしく鴨沢に降ろう。そう計画していたが、全然おとなしく降れなかった(笑
まず、出合尾根の標高1400mくらいだったか、まだ遠いが雷がゴロゴロいうのを聞く。それから断続的に雨が降ったりやんだりする。雷のゴロゴロドロ~ンもだんだん近づいてくる。稜線に上がり避難小屋の写真を撮った直後に、「ピカッ」と「ドカーン」が同時のやつがいきなり頭上で炸裂する。これはマズい、急斜面はファイト一発で乗り切れても、熊は気合で追い払えても、雷にそのテは通用しそうもない。全然ロジカルでないことを考えながら、避難したいときに目の前が避難小屋ってどんだけツイてるんだオレ、と斜面をかけ上がって小屋に飛び込む。中には同年配のおとうさんが一人、一緒に雷と強く降りだした雨のおさまるのを待った。
雨上がりを待って頂上を踏み、下山にかかる。ブナ坂まで、稜線の日原側はすでに激しい雨になっている。数十メートル横の雨音を聞きながらこの間はさほど降られずにすんだのだが、ただではすまないだろう、との予感もあった。
七ツ石の巻き道に入ると雨雲が稜線を越えたらしく、いきなり土砂降りになる。「あっという間に」トレイルを茶色の水が流れ、踝まで水に漬かりながら下降を続ける。モンベルのストームクルーザーの上だけ着け、スマホを腰のポーチから雨具のポケットに移したのだが、この判断が間違っていた。雨量が多すぎてさすがの雨具も「洗濯しているのとおなじ」状態になり、ほどなくズブ濡れ。最初からザックにしまうべきだった。
ヘルメットがカンカンと音を立て、肩にも当たって痛い。パチンコ玉より少し小さいひょうが降っている。ヘルメットはひょうにも有効だった。
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スマホから写真をサルベージするまで。
いちどスマホを水没させているので、多少の知恵はある。「電源を切ってなにもしないこと」。けれどどうしてもやっておかないといけないことがある。ログを自分のgmail宛に転送し、コンパスの下山通知を出し、バイト仕事の短いメッセージをLINEで送った。これで完全にダメになった。ディスプレイの上半分が反応せず、ロックを解除するpinを入力できない。帰宅後、米の中に一晩突っ込んで乾燥させても状態は変わらず。100均でアダプターを買い、PCの物理キーボードをスマホのusbポートと繋いでみたら、キーボードのテンキーでスマホのpinコードを入力することができた。googleフォトの画像をクラウドに上げるまで5分強。役目を終えてから、スマホはうんともすんとも言わなくなった。
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(了)
フォトギャラリー:61枚
a.
フセとかお手とかコマンドを出されるのが嫌いな犬だった。オヤツがないのを確認したあと、「オヤツなしのお手なんてありえない~」爪の出たお手。
b.
「動物は仰向けに寝ません」と、うつぶせ寝の健康法を説いていた日野原重明・聖路加病院院長にコメントをいただきたかったが。ともに鬼籍に入ってしまったな。
c.
散歩中は写真撮影の依頼が多し。
d.
ぬいぐるみを見せびらかしながら。
e.
しんばしの芸者さんと。飼い主は当時客商売をしており、カウンターでさんざん自慢話をしたものだから、車の中から「すぐにわかった」。
1.
平日の東日原バス停、晴れて暑い。立川のネットカフェで3時間しか眠れなかったのがすこし不安。
2.
八丁橋。都内では雨は降っていないが、こっちは降ったのかな?
3.
ヤケト尾根への入り口を過ぎ、
4.
ツバノ尾根への下降点を過ぎ、
5.
富田新道への下降点。ここで朝食と一服。
6.
やっと着いた。大ダワ林道への下降点。
7.
長沢谷を木橋で渡る。
8.
二軒小屋尾根乗越に着く。
9.
前の写真の反対方向、二軒小屋尾根と、左が大ダワ林道。繰り返しておくが、大ダワ林道は「悪い所がやたらと多く、ルートを追いにくく、長い」。
10.
装備を整える。虫除けの準備をしただけだが(笑
11.
大ダワ林道歩き始め。ぜんぶ「右が山、左が谷」なので、この写真は「振り返って」撮影。
12.
眼下に大雲取谷を眺めながら。
13.
おなじく。
14.
まず窪を1本渡る。丁寧に築かれた石積みの跡が所々に残る。
15.
崩落地手前のトラロープ。前回、なんで見落としたかなあ。狐につままれた気分。
16.
前の写真から右を見上げるとテープ。
17.
断続的に、古いものが多い。踏み跡あり。
18.
どこでトラバースに入るかがわからず、とりあえず横に移動して出合った倒木。
19.
上方にテープを見つけ、上がったところ。うっすらとした踏み跡。
20.
が、崩落地の「横」に出てしまう。高さを稼ぐのが甘かったか。「その後、さらに上部が崩落した」可能性もあるが。
21.
崩落地の上端。
22.
崩落地の上端を巻きながら。写真の準備をしていると、鹿がいちばん下を平気で通過していった。く~。
23.
まだテープがあったから「長々トラバース」ルートも間違ってはいないのかも。
24.
行き過ぎると水流のあるモミソ窪に当たってしまうので、この小尾根を降ることにする。
25.
林道に復帰する。ちょうどテープがあった。前回見かけた「崩落地の反対側のトラロープ」は通り過ぎて見なかったが、このルートも崩落地点の巻きルートとしてサインを残した人がいたのかも。
26.
モミソ窪を渡る。窪の上流に高度を変えずに向かい、折り返すパターン。
27.
あらためて写真で見るとびっくりなのだが、シューズ左右分の幅は残っている。
28.
水流を渡ったあと、振り返って。
29.
とうぜん渡れないが、通過するさいに「上を取るか・下を行くか」の選択肢があり、下を行くなら突っ張って手すりにすることができる。
30.
着いた。ここが大雲取谷への下降地点。剣呑な地形に見えるが、巻きながら下降する踏み跡がある。
31.
新しい赤テ、写真中に2か所。とてもわかりやすく、設置者には感謝したい。
32.
大雲取谷の下流方向と、
33.
上流方向を見る地点まで来た。
34.
右が上流、倒木のかたまりが小雲取谷。この地形でもまっすぐ降りることができた。
35.
降り立って上流方向。
36.
小雲取谷。
37.
下流方向。
38.
大ダワ林道から降ってきた小尾根を振り返って。
39.
小雲取出合尾根の取り付きを眺める。問題なく上がれるのを確認し、ホッとして一服休憩。
40.
休憩後、前の写真とは異なる下流側から上がることにする。一段上がって右に折り返すルート。
41.
ひと登り後、左の小尾根にルートをとる。
42.
下方を振り返る。
43.
進行方向。
44.
45.
どう通ってゆくか、判断が必要な場面が多いのは権衛尾根に似ていると思った。
https://www.yamakei-online.com/cl_record/detail.php?id=221999
46.
アセビ?のヤブを通過するときは薄い踏み跡がある。
47.
48.
(P1628)からの尾根と合わさったところ、振り返って。巨大な倒木がゴロゴロ。
49.
50.
尾根も上部になると踏み跡がハッキリしてくる。
51.
小雲取と雲取山荘をつなぐ巻き道を横切る。
52.
稜線に上がった。
53.
登山道に出て避難小屋方向の写真を収める。この直後に頭上で雷が炸裂した。黒い点々は虫、重装備の甲斐はあった。
54.
避難小屋で雷が止むのを待ってから山頂へ。あんた、もう少ししゃきっとした顔で写ったらどうだ。
55.
「お世話になりました」、避難小屋に感謝の1枚。
56.
ブナ坂、最後の1枚。七ツ石の巻き道に入ってからは写真どころではなくなった。
装備・携行品
【その他】 ラ・スポルティーバのウルトララプターⅡレザー。タイツにモンベルの半ズボン。モンベルのメリノウール薄手、ペツルのヘルメット、ブラックダイヤモンドのフルフィンガーグローブ。ザックはロウアルパインの25リッターにモンベルのギアホルダーを外付け、ココヘリ発信機・ヘッドランプ・スマホ(カメラ+GPS)・バッテリー充電器と予備電池・ココヘリ発信機・雨具・ロールペーパー・替え手袋。大雲取谷からキャメルバックのハイドレーションに水1.5L(下山後残量0.7)・ペットボトル飲料0.35L。コッペパンみっつ・非常食。蚊取り線香・虫よけネット・ハッカ油スプレー。下山後の着替え一式とサンダル。スタート時重量7.5kg。 |
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