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行程・コース

天候

曇り/快晴/晴れ

登山口へのアクセス

マイカー

この登山記録の行程

鳩待峠(9:55)悪沢岳(11:55)小笠(12:40)笠ヶ岳(13:10)悪沢岳()小至仏山(15:00)至仏山(15:30)山ノ鼻幕営(16:30/5:00)ススヶ峰(8:30)白沢山(10:35)平ヶ岳(11:55)白沢山(13:20)大白沢山(14:50)山ノ鼻幕営(16:50/6:55)鳩待峠(8:40)

コース

総距離
約38.7km
累積標高差
上り約2,466m
下り約2,462m

高低図

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登山記録

行動記録・感想・メモ

 腰痛の為に中止・停滞していた80年代の山行から脱却し、92年のマッターホルン単独登頂を期して往年の山行スタイルに復帰して精力的に山登りに励むようになり、気力も充実して長年の懸案であった平ヶ岳を目指す。
 鳩待峠まで車で入り、山スキーにシールを着けて遅いスタートを切る。悪沢岳の鞍部にザックを置き、全二千m峰登頂を視野に入れ、水と食料を持って笠ヶ岳へ向う。尾根には雪が十分に残っており、針葉樹林帯の広い空間を自在にコースを採って進む。小笠と笠ヶ岳へは60mと120mの登りなので、着脱の面倒を省くためにシールは着けたままとする。板を脱いで小笠の岩山に登るが、次の笠ヶ岳の登りは思ったほどに簡単ではなかった。
 ザックを背負うと随分重く感じる。至仏山頂に登って一本立てながら準備していると強風に新品のザックカバーを攫われる。残雪の状態を確認して山ノ鼻への滑降に期待を膨らませる。山頂から北東に派生して尾瀬ヶ原へ一直線に落ちている尾根は、数箇所で雪面が切れているので無理のようだ。ムジナ沢は、上部の山頂直下部分に這松が姿を現しているが、その先は猫又川まで雪原が続いている。
 標高点2,045m付近でスキーを履いて滑降に入ると、ザックの重みで加速されてどんどんスピードが出て、転倒しないようにと必死になる。ムジナ沢は高度差も距離も相当のもので、終りの方では「まだ有るの」と体が悲鳴を上げそうだ。
 「やっと降りて来た」と言う感じで、尾瀬ヶ原の一角に着いて腰を下す。明日の事を考えるとここにテントを張る方が楽なのだが、茫漠たる雪原に一人取残される感じで落着かず、足が山ノ鼻へと向う。

 勇躍出発して猫又川沿いに右岸を行く。今年は例年より雪が少ないらしく雪面が割れて左岸へ渡れず、柳平の先の左から山裾が迫った二俣付近でやっと川面が隠れるようになる。
左俣に入って進むとワル沢の出合には滝が落下しており、フタマタ沢との間の尾根に取付く。目の前の急な斜面を苦労して20mほど登って尾根の上に出ると比較的楽に歩けるようになる。
 尾根はススヶ峰へ突上げているのだが、標高1,800~1,850m付近に尾根を横断する幅数百mの崖が在り、上手くルートを取らないと酷い目に遭いそうだ。「北北西に行って岩記号の右端の1,800m付近を通って、真西へ高度を上げるのがベストだろう」と目論み、地形を読みながら前進する。
 上手く崖を廻り込むと樹高が落ち、広々とした雪面をススヶ峰目指して期待に満ちて進む。「利根川源流を稜線まで詰めたい」、「利根源流の国境稜線を巻機山から大水上山、兎岳、平ヶ岳と尾瀬まで歩きたい」と言うのが長年の願望なのだが、その利根源流の地形を目にする瞬間がやって来たのだ。
 快晴に恵まれたススヶ峰からの眺めは抜群である。平ヶ岳が遥か遠くに見えているが、さすがに白く大きく、その先には幾つものピークが続いている。至仏山は落着いて泰然自若としている。赤倉岳が一際目立って聳え、雪庇を持つスノーリッジがススヶ峰との間を繋いでいる。
 P1,911mから国境稜線へ踏み込み、幾つもの小ピークを越える。好天の下の能天気な明るさの中を歩いて行くと「兎岳から縦走して来た」と言う二人連れに出会い、旧いスキーのトレールも現れる。
 念願の平ヶ岳着は正午で、歩き始めてから7時間経っている。山頂は雪が融けて緑が濃く、三角点も見えている。「二度と来ないかも知れない」とたっぷり休んで山頂の印象を心に留める。
 帰途は大白沢山へ周る。南面から廻り込んで山頂を踏み、カッパ山や八海山の地形を観察し、シールを外して期待の滑降に移る。猫又川右俣と左俣の間に落ちている尾根をルートに採るが、途中までは思ったより地形が複雑で、登り返しの無いようにと慎重に進む。P1,661m手前の鞍部からは真新しいトレールも現れ、所々笹薮が出ている尾根の背を滑ってP1,534m手前の鞍部から左俣へ下降し、右岸沿いに山ノ鼻へ帰還する。

 三日目はヨッピ橋から与作岳と景鶴山に登り、今西錦司よろしく外田代のカッパ山と八海山を探検する積りだったのだが、昨日平ヶ岳から帰幕した時にはヘロヘロになって元気が無く、今朝は食欲が全く無く吐気さえする始末で行動は無理だ。
 歩き通す自信も無いまま帰途に就き、フラフラ、トボトボと1時間45分を費やして鳩待峠へ上がる。日常生活に戻っても数日間体調が優れなかったが、如何やら快晴の太陽と雪面からの反射光に長時間晒されて熱中症にやられたようだ。

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装備・携行品

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登った山

平ヶ岳

平ヶ岳

2,141m

至仏山

至仏山

2,228m

笠ヶ岳

笠ヶ岳

2,058m

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