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オレンジの絨毯が広がる奥日光太郎山周遊

山王帽子山、小太郎山、太郎山( 関東)

パーティ: 1人 (Yamakaeru さん )

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行程・コース

天候

晴れ

登山口へのアクセス

マイカー
その他: 光徳駐車場を利用。カーナビには「日光アストリアホテル」を登録するとよい。入り口を過ぎて数10m先に駐車場の看板がある。100台程と広く舗装された綺麗な無料駐車場。トイレあり。緯度経度(36.796941 139.45447)。

この登山記録の行程

光徳駐車場(06:30)・・・光徳キャンプ場・・・山王峠(07:17)・・・涸沼(07:30)・・・刈込湖&切込湖(07:57)・・・涸沼(08:35)・・・山王帽子山(09:46)・・・小太郎山(11:15)・・・太郎山(11:52)・・・花畑(12:23)・・・梵字飯場跡(14:23)・・・光徳駐車場(14:59)

コース

総距離
約20.1km
累積標高差
上り約1,589m
下り約1,590m

高低図

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登山記録

行動記録・感想・メモ

土曜日の休日出勤を終えてほっこりする間もなく、その足で山へと向かう。最近、こんな書き出しばかりで疲れが「どピーク」に達していたが、心身ともに疲労している時こそ、新鮮な山の空気が欠かせないというもの。
目指すは奥日光。日光ファミリーの長男こと「太郎山」。
この時期、個人的に狙っている風景があった。3年前の同じ時期に、日光白根山(正確には前白根付近)に登った際、赤ともオレンジ色との言えぬ不思議な色に彩られた戦場ヶ原を見て「こんな風景があるものか」とひとしお感動をした。以来、ずーっと頭に残っていてもう一度見たいと強く思っていたと同時に、見るならば太郎山の方がより近くで見ることができるに違いないと当たりを付けていた。
夜10時に起点となる光徳駐車場へ到着。既に標高1,430m。防寒の準備はしてきたものの外へ出るとすっかり冬の寒さだった。
凍えながら寝袋にくるまり朝を待つ。昨年の11月下旬に誕生パーティー登山で登った庚申山荘で体験した死にそうになるくらいに凍えた夜を思い出した。
日の出を待って行動開始。
凛と張り詰めた空気。冷え切った森に朝日が射し込む。手袋をしていても指先が痛い。
看板がないので分かりづらいが、光徳牧場の脇を抜けて山王峠を目指す。
山王峠まで登ってきたところで「刈込湖」と書かれた看板を見つけた。
「そっか、ここからアクセスできるのか」。
刈込と言えば、福井県の「刈込池」。登山誌などでもよく紹介されている紅葉の絶景ポイントとして知られている名所。でも、福井だけではないとばかりに、「『刈込池(湖)』って日光にもあるんだよ」と福井の友人にしったかちゃんで説明したことがあった。
言った本人が「行ったことない」ではカッコ悪い。「行ってみるか」と看板の地図を見ながら思った。まだ一つもピークを踏んでいないが、いきなりコースを外れる自由奔放な登山も面白い。大雑把な地図で距離感が掴めなかったが、せいぜい往復5kmもみておけば大丈夫だろう。
山王峠の先にあった分岐点から「涸沼」方面へと折れて峠を降っていく。軽く考えていたが、「ここを登り返すのか!」と声が漏れるほどの急な斜面が待ち構えていた。しかし、降り切ったところで感嘆の声に変わった。
涸れた沼と言うよりは湿地帯だろうか。その周辺に白いガラス細工のようなカラマツが沢山群生していた。白い正体は霧氷。沼全体が霧氷に包まれて、そこだけ箱庭のようになんとも言えない幻想的な景色を生み出していた。
気まぐれに足を延ばしてみたが、大正解だった。
近づいてカラマツを見上げてみると太陽の光を受けてキラキラと輝いていた。
設置されていた看板によると、涸沼は山に囲まれた谷間で、冷気が溜まりやすいことから、通常は山の上から始まる紅葉が、ここでは下から上に向かって色づいていく珍しい場所とか。涸沼の周辺だけ霧氷ができていたのも頷けた。
涸沼から先はほぼ水平移動となる。軽いアップダウンを繰り返しながら進んで行くと、小さな池が見えてきた。
最初にあるのが「切込湖」。湖面が鏡のように穏やかで山の紅葉を写し込んでいた。
その奥にある「刈込湖」まで足を延ばし、少し休憩を入れてから、最初の分岐点まで折り返して戻った。
切込湖&刈込湖で1時間半ほど寄り道してしまったが、今日のコースはまだ始まったばかり。「太郎山」と書かれたと書かれた登山口から、最初の斜面に踏み込んでいく。その先にあるのは「山王帽子山」。標高2,077m。「さんのうぼうしさん」と言葉にするとなんとなく可愛いが、帽子と言うだけあって登り甲斐のあるとても楽しい急登だった。
山頂はコメツガという常緑針葉樹に囲まれているため眺望は少なかったが、樹々の間から日光白根山が顔をのぞかせているのが見えた。雪を冠した頂が白く光っていて、カッコいい。お気に入りの山の一つだ。
軽く水分補給をして、次の山へと移動を開始。
途中、展望がききそうな場所に目星をつけてコースを外れてみた。
生い茂った熊笹をかき分けて進むと、小高くなった崖の上に出た。途端、視界が広がり、目の前に信じられない風景が出現した。
御沢から戦場ヶ原までオレンジ色一色に染まった紅葉の絨毯。その先に青く光っているのは中禅寺湖。左側には日光ファミリーのお父さんこと「男体山」が、堂々たる姿で大きなすそ野を広げていた。
「おーーーーっ!」
そう、これが見たかった。しかも、狙い通り以上で感無量だった。間違いなく、殿堂入りの風景だった。
山王帽子山から、一旦、降り太郎山へと登り返す。登っている距離は山王帽子山よりも長かっただろうか。久しぶりの2,000m級縦走登山に、足の筋肉が武者震いをしている。充実感があって楽しくて仕方がない。
山頂手前で森林を抜けると熊笹の斜面が待っていた。
快晴。真っ青な空に向かって延びる道をただひたすら登っていく。
熊笹から岩稜地帯に変わりその先に小さな標識が建っているのが見えた。ここが太郎山の手前にある小太郎山の頂。
広い眺望が素晴らしい。
太郎山から始まり、大真名子山、小真名子山、女峰山、そして男体山と日光ファミリーが勢ぞろいで見えた。登っても最高の山々を、こうやってフルセットで眺める贅沢さ。改めて日光連山に魅了される想いだった。
小太郎山と太郎山の間はもう目と鼻の先。
両脇が切り立った岩稜地帯のかなりスリリングな場所なので、気を引き締めて進んで行く。高所が苦手な人はきっと足がすくんでしまうだろう。
太郎山に到着。
「たろうやま」と関西風に呼んでいたが、関東なので「たろうさん」が正解。本当に人の名前のように愛らしい。
標高2,368m。頂に立つと、一段と視界が広がり、日光の山々が360度で見渡せた。
日光白根山の右側には特徴的な双耳峰の燧ヶ岳が見えた。その近くに見えているのは平ヶ岳と会津駒ケ岳だろうか。
行動食を食べながらゆっくりと景色を堪能。
もう、このまま陽が沈むまでいたいくらいだったが、帰りの時間もあるため下山モードに入る。
下山は新薙コースを使って、ダイレクトに太郎山を降りすそ野にある御沢を抜けて駐車場へと向かう。
山頂から少し降りたところにあった「お花畑」は、ちょっとした山の中のオアシスだった。湿地帯の景観が素敵で、きっとシーズンになれば色とりどりの高山植物が楽しめるに違いない。それにしても、もう少し気の利いた名前は無かったものか。お花畑とはあまりにも雑なネーミングに笑いがこぼれる。
お花畑を過ぎると、一転して急こう配となる。
女峰山にも似たようなコースがあったが、ガレた斜面をトラバースする危険な箇所が数か所あった。山頂から遥か下の方まで崩れていて、足を踏み外せば100m以上滑落しかねない。自信のない方は、特に強風や雨天時は別なルートを使った方が良いと思う。
壁のような斜面を降り終えると、水平移動に入り森の中を抜けていく。
途中で林道と合流するが、ここからが長い道のりとなる。
山頂から見下ろしたオレンジ色に染まったカラマツを、今度は下の方から見上げる。
普段の紅葉では見かけないオレンジ色の珍しさ。青空に映えてなんとも美しかった。
そんな風景を眺めながら、長い道のりを余韻に浸りながらゆっくりと戻った。

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みんなのコメント

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  • 太郎さんときたら、花子さんですねー。今回は何のオチもなかったみたいですね(笑)

  • いや、一太郎ときたら、三太郎です。
    (かなり古いネタ。ジャストシステムの「一太郎」には自分を含めVer3に熱烈な愛好家がいたという話、分かりずら 笑)

登った山

太郎山

太郎山

2,368m

山王帽子山

山王帽子山

2,077m

よく似たコース

太郎山 栃木県

日光連山の中央に座す美形の独立峰

最適日数
日帰り
コースタイプ
縦走
歩行時間
7時間5分
難易度
★★★
コース定数
31
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