• このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 参考になった

春のラッセル 甲斐駒ケ岳

甲斐駒ヶ岳( 南アルプス)

パーティ: 2人 (DAI KAI さん 、ほか1名)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 参考になった

行程・コース

天候

晴れ!

登山口へのアクセス

バス
その他: 仙流荘に車を停め、バスに乗り換えアプローチ。初日は歌宿から北沢峠までのアプローチ、昨年とは違い林道上に雪は無く、既に夏道同様です。

この登山記録の行程

長衛小屋(05:00)・・・仙水小屋(05:50)・・・仙水峠(06:50)・・・駒津峰(08:30)・・・甲斐駒ヶ岳(10:50)・・・駒津峰(11:30)・・・双児山(14:00)・・・北沢峠(15:30)

コース

総距離
約7.4km
累積標高差
上り約1,193m
下り約1,146m
コースタイム
標準7時間
自己9時間30
倍率1.36

高低図

標準タイム比較グラフ

GPX ダウンロード KML ダウンロード

登山記録

行動記録・感想・メモ

27日のお昼のバスで歌宿へ。歌宿から北沢峠まではひたすら舗装道を2時間ほど歩きます。ブーツはザックにマウントし、アプローチシューズで歩いたので軽快に歩けました、おススメです。長衛小屋のテント場は7~8張程度、場所は選びたい放題です。今回は時期的に冬装備で行ったのですが、テント場に雪は無し、スコップ、冬用フライシート、竹ペグ等は不要です。
長衛小屋はトイレ・水場ともに完備されているのでテント生活も快適です。
28日は朝5時にスタート、小屋からのルートは山と高原地図や雪山登山ルート集とは異なって取られています。沢の南岸を進み、途中丸太橋を渡って北岸、さらに南岸へと渡りなおして仙水小屋へと至ります。仙水小屋の水場は使えますので給水可能です。
仙水峠から先の樹林帯は雪に覆われていますがよく踏まれており、快適に登ってハイマツ帯に至ります。ハイマツ帯を登り詰めると駒津峰に到着します、ここから先はピッケルの出番です。稜線北面の急斜面に雪がビッシリ付いており慎重な下降を要します。
六方石を過ぎると直登と巻き道の分岐点、ピッケルをしまい、雪が全て融け落ちて夏山さながらの甲斐駒ケ岳直登路に取り付きます。直登路はペンキマークが多く、迷うことなく登ることができます。ただしホールドの少ないスラブ状岩壁の上に乗ってしまうと場合によっては身体に窮するので注意が必要です。
背後の北岳、千丈ヶ岳の頂上が視点とほぼ同じ高さに達したころ、ようやく長い岩稜の登りを終え、甲斐駒ケ岳頂上です。
他に登山者のいない甲斐駒ケ岳頂上、鋸岳に至る稜線が圧巻です。
達成感に包まれたのも束の間、天頂を覆う黒い雲、頂上を帰れ帰れというように周回する鳥の群れ、背中を押されるように下山を開始します。
下山路は摩利支天方面の巻き道へ、途中雪渓のトラバースは雪渓の末端まで縁を下降し、横断距離を短くしています。雪渓は雪崩れるほどではありませんが、滑落には最大限の注意が必要です。
駒津峰まで戻ると下山路は美しいハイマツ帯の双子山方面へ。まるで夏山のようなハイマツ帯を駆け下りて行くと双子山直下へ達します。
ここで問題発生!
ハイマツの切れ目から先は踏み出せば膝上まで踏み抜く雪の稜線、トレース無し。ここから2合目まではトレースは消えており、覚悟を決めての膝下ラッセル。
GWに入ってから二子山稜線から登山・下山したパーティはいないのでしょう。ハイマツ帯の切れ目~双子山山頂まではテープもないのでルートには注意が必要です。双子山2合目~北沢峠間は踏み抜き後を結ぶようにトレースが付いていました。
今回私たちが付けたトレースも5月の連休まで姿を留めるかは疑問ですので、ルートの選択肢に入れている方は十分覚悟と注意を持って臨んでください。私のとったルートは夏山ルートとは必ずしも一致しません。

ラッセルの途中から靴に雪が入ってしまったのか浸水(3シーズン用のアルパインブーツで来たことが悔やまれます)、何度も何度も踏み抜いたのちに無事北沢峠に到着した時点で10時間が経過。タイムアップではありませんが、体力切れ。

諸条件鑑みて、29日午前に予定していた仙丈ケ岳は取りやめて、翌朝歌宿へと下りました。
帰路、ひっそりと2輪咲いたシナノコザクラのピンクの花が慰めてくれているようでした。

今回の甲斐駒ケ岳は前爪のあるアイゼンは必ずしも必携ではありません。早朝の沢歩き以外で必要と感じた箇所はないので、チェーンスパイク程度で十分と思います。双子山稜線に臨む方はワカンを装備するのも一手ですが、表土が露出している個所と吹き溜まりが断続的に表れるので、利用には注意が必要です。ピッケル・ヘルメットは必要です。パーティに初心者がいる場合は雪渓のトラバースで確保が必要になるかもしれません。

GWに北沢峠をベースに甲斐駒に行かれる方は、仙水峠経由での登山・下山を強くお勧めします。

続きを読む

フォトギャラリー:6枚

装備・携行品

みんなのコメント

ログインして登山記録にコメントや質問を残しましょう

登った山

甲斐駒ヶ岳

甲斐駒ヶ岳

2,966m

駒津峰

駒津峰

2,752m

双児山

双児山

2,649m

関連する山岳最新情報

よく似たコース

甲斐駒ヶ岳 山梨県

南アルプス北端の雄、白砂の頂上

最適日数
日帰り
コースタイプ
周回
歩行時間
7時間10分
難易度
★★
コース定数
29
甲斐駒ヶ岳 山梨県

甲斐駒ヶ岳(黒戸尾根・北沢峠) 前夜泊1泊2日

最適日数
1泊2日
コースタイプ
縦走
歩行時間
12時間10分
難易度
★★★
コース定数
53
甲斐駒ヶ岳 山梨県

北沢峠を基点に南アの貴公子と女王に登る

最適日数
1泊2日
コースタイプ
周回
歩行時間
14時間
難易度
★★★
コース定数
55
登山計画を立てる