行程・コース
この登山記録の行程
飛越新道登山口(22:02)・・・神岡新道出合(23:42)・・・寺地山(00:45)・・・避難小屋分岐(01:44)・・・北ノ俣岳(上ノ岳)(03:58)・・・中俣乗越(05:28)・・・黒部五郎ノ肩(07:12)・・・黒部五郎岳(中ノ俣岳)(07:28)[休憩 23分]・・・黒部五郎ノ肩(08:00)・・・中俣乗越(09:23)・・・北ノ俣岳(上ノ岳)(11:21)・・・避難小屋分岐(12:41)・・・寺地山(13:39)・・・神岡新道出合(14:49)・・・飛越新道登山口(17:03)
高低図
標準タイム比較グラフ
登山記録
行動記録・感想・メモ
黒部五郎岳への登山口は新穂高温泉あるいは折立が一般的ですが、いずれもテント泊か小屋泊が必要なロングコースです。今回ピストン可能な登山口として岐阜・富山両県境にある飛越新道登山口から黒部五郎岳への山行に挑戦してみました。
ヘッドランプの明かりを頼りに22時02分分登山道に入って間もなくランプを付けた登山者が下山してきました。聞けば今朝午前4時にスタートして今下山とのことです。往復18時間もの山行です。この方の話を胸に刻みながら登山道を進みました。近くの折立では熊が出没してキャンプ場が閉鎖された話を思い出し時々ホィッスルを吹きながら緩いアップダウンの道を進みました。
登山道には随所にミズバショウが自生していて、普段は湿地のように泥濘のある場所であることが窺えますが、今夏の猛暑で乾燥して泥濘は皆無の状況でした。寺地山とその先の池塘のあるガキの田までは緩やかなアップダウンが続きますが、北ノ俣岳へは雨水で掘削された荒れた登山道に変わりました。天候は快晴で満点の星空でした。北の空には夏の大三角が、東の空にはおうし座のスバルやぎょしゃ座などの冬の星座が姿を見せていました。文字通りの星空ハイキングとなりました。北ノ俣岳が間もなくとなる頃にはオリオン座の三ツ星ベルトが黒いシルエットになった北ノ俣岳の上空に姿を現してきました。三ツ星は天の赤道座標の赤緯0度付近に位置するので登山道が真東に向かっていることがわかります。
北ノ俣岳の広い山頂からはアップダウンをダウンを繰り返します。赤木岳の山頂に到着する頃には手元が見えるようになり、ヘッドランプを消しました。赤木岳の案内板の説明のとおり、すぐにライチョウの姿を間近で見ることができました。その先は中俣乗越のコルまで下り、五郎の手前のピークを大きく左に巻いてからコルまで下ります。最後は五郎のゴーロ帯が待つ山頂への登山道でした。五郎小屋でテント泊をされた方々が下山されてきました。登山道は石畳や石段に近い整備がなされていて大変登りやすかったです。
五郎の肩では大きなザックをデポした登山者たちが山頂から下りてきました。はやる気持ちを抑えながらゴーロ帯を登り山頂に到着すると最高のご褒美が待っていました。すなわち透明度抜群の360度の大パノラマでした。片道9時間30分ものコースタイムでしたがそれを差し引いても余りある感動と達成感がありました。
註:ヤマケイの地図では北ノ俣岳避難小屋分岐から北ノ俣岳山頂まで登り1時間、下り40分とありますが、これは誤りで、現地の案内板にも登り1時間50分との記載があります。私のコースタイムもこの間は200%の表示がされており、コースタイムの誤記が原因と思料します。ロングコースの場合1時間の誤差は体力的にも大きな影響を与えます。ちなみにこの日に持参したペットボトルは5本で全て飲み干しました。