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【part.4】幻の『中段新道』探索(四間小屋尾根~滝谷をやりなおし)ワンデイハイク

小川谷右岸下段道(下段歩道)と上段道(上段歩道)、四間小屋尾根、滝谷、『中段新道』( 関東)

パーティ: 1人 (加藤キーチ(モンターニャ) さん )

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行程・コース

天候

曇りときおり日が差す、風なし、ぐっと涼しくなった。帰路に四間小屋尾根の上段道横断地点で15分ほどの夕立あり。

登山口へのアクセス

バス

この登山記録の行程

08:21~東日原バス停をスタート
08:57~上段道取り付き地点
10:46~四間小屋尾根を乗越す
11:04~滝谷F2地点に降りる~11:41
12:01~F1の上、上滝尾根(~酉谷)への道を確認して戻る~12:12
12:13~F1の下から中段新道の探索を開始
13:50ごろ~探索を終了
14:49~四間小屋尾根に上がる、co1130m
15:08~四間小屋尾根の上段道横断地点~15:26
17:23~東日原バス停フィニッシュ

コース

総距離
約18.3km
累積標高差
上り約2,000m
下り約2,006m

高低図

GPX ダウンロード KML ダウンロード

登山記録

行動記録・感想・メモ

小川谷右岸『中段新道』探索の4回目。先週失敗した四間小屋尾根~滝谷間のルート探しに再挑戦した。
ここまで、
初回は1961年10月の山行報告から位置をほぼ特定できる、中段新道が鳥居谷を横断する地点を下見した。
/初回、20230806、「中段新道とは何か」についてもココから/
https://www.yamakei-online.com/cl_record/detail.php?id=278185
.
2回目は鳥居谷から四間小屋尾根までを歩いた。崩落地の大高巻きと植林帯の通過をのぞけば、おおよそ中段新道をたどれたはず。
/2回目、20230816/
https://www.yamakei-online.com/cl_record/detail.php?id=279657
.
3回目、四間小屋尾根から滝谷に下りる区間をたどろうとするも、事前にイメージしたルートより標高を下げすぎて(滝谷に寄り過ぎて)進むことになり、失敗と判断。完歩した場合の半分強の地点で撤収した。
/3回目、20230820/
https://www.yamakei-online.com/cl_record/detail.php?id=280330
.
4回目になる今回。
四間小屋尾根から滝谷に至る区間のやりなおしだが、逆向きに滝谷から四間小屋尾根を目指すことにした。というのも、1961年の角田レポート(08月06日の初回を参照)の略図には中段新道の滝谷横断地点の標高が1100mと入っている。はじめこれを重く見なかった。当時の陸測図は現在より精度が低い。数十メートルの標高の誤差があれば、小川谷三又から滝谷本流・二の沢の二又まで150mしか標高差がない滝谷を大きく上下してしまう。新道の横断地点確定に役に立ちそうもない、と判断したのだ。
しかし中段新道の滝谷横断地点を1100mとするいっぽうで、小川谷三又を1000m、滝谷のF4下ッ滝〈シタッタキ〉付近(=略図なので)を1200mとしているのは現在でも通用する。おおよその位置特定の助けにはなるだろう。また、滝谷のF2からF1に至る両岸は崖にちかい急斜面が続き、谷から取り付ける場所はごく限られている。この区間は06月25日に同行者つきで「上段歩道の四間小屋尾根から先」探索で歩いた一回きり※、自分の眼で十分に観察したとはいえない。なによりも、滝谷左岸の1115mから取り付いた道は、じつは中段新道(の滝谷~酉谷区間の始点)だったのではないか。だとすれば、1115から四間小屋尾根へ向かって注意深く歩いてみる価値はある。
このようにイメージし、検証に出かけた。
概略は本文を、詳細は写真のキャプションを参照。
.
/※20230625、上段歩道の「その先」探索/
https://www.yamakei-online.com/cl_record/detail.php?id=272183
.
〇 『中段新道』の滝谷~四間小屋尾根区間の実際
妙な話だがいまの時点では結論がふたつある。
ひとつは先週「標高が低すぎる、これは違うな」とあきらめながら歩いた径路と、今回滝谷のF1下から右岸に取りつき「やっぱり標高が低すぎる」とボヤきつつたどったルートが、両側から掘削したトンネルの貫通式みたいにぴったり出会ったこと。先週と今回のログをあわせると、
四間小屋尾根~co1130m、小川谷三又の南100m地点~1050、滝谷F1下~1100。角田レポートの略図によれば中段新道はキエモン尾根(=上滝尾根のP1480から真東に降りる尾根)を乗越してから旧道=酉谷旧登山道にあわさるので、推定されるキエモン尾根での標高は1150から1200のあいだ。素晴らしくすてきな「水平道」が出来上がる。
いっぽうで、四間小屋尾根をco1155mで発ち、ほぼ1100の標高を保って滝谷F1co1100mに130mまで迫る道も存在するかもしれないのを確認した。こちらは最後の「滝谷への降りかた」が未確認だが。
.
【注意喚起】
たどった中段新道の「四間小屋尾根~滝谷」区間は難路続きです。とくに下をゆくルートは滝谷を眼下に眺める崖っぷち感の非常に強い場所が長く、歩く人の少ない道跡はとうぜん状態も良くありません。一言でいえば「大ダワ林道より全然悪く、わかりにくい」。かんたんに事故がおきる径路です。記録は参考として眺めてください。
.
(20230831 了)

続きを読む

フォトギャラリー:60枚

0.
いま段階での『中段新道』の四間小屋尾根~滝谷間のルートイメージをグレーでしめす。上が「低いルート」、下が「高いルート」。歩き出したばかりなので今後変わる可能性がある。

1.
愚図愚図しながら東日原バス停にて。
お「オルソくん、きょうは相当ヤバいハイキングになりそうだ。『ヤバいハイキング』自体が語義矛盾だが。マリア様がバカンスの思い出に浸ってぽやや~んとしないように発破をかけてくれ」
オ「………」

2.
備忘録的1枚その①、現在の上段道から古の『中段新道』分岐地点候補。いつか探索することになるので。もちろん中段新道ができあがったのが先・上段道は後、だ。

3.
その②。

4.
その③。

5.
まずは上段道をゆく。

6.
崩落地を巻いたあとの鈴坂窪。

7.
鳥居谷左又。

8.
お「生命って不思議なもんだなあ。こんな木を見ると自分のちっぽけなのが身に沁みてじつに清々しい。おじさんもこの木に見習って崖っぷちを乗り越えるとしよう」
オ「………………」

9.
四間小屋尾根を乗越す。

10.
「大きなカツラ」から滝谷へ下降するルートをとる。

11.
二の沢の一本手前の枝沢を渡る。

12.
滝谷F2が見えた。2倍ズーム。

13.
F2で長々休憩しながら周囲を観察する。「F2付近にはかつて橋がかかっていたらしい」と聞き、様々調べて事実のようだとウラがとれた。地形が大幅に変わっていない限り、ココしかないと思う。こちら側=右岸には倒れた林班界標識があったというし。

13-2.
滝谷の下降をはじめる。

14.
雰囲気があり楽しい。

15.
F1の上に着く。中段新道の探索にかかる前に、

16.
06月25日に歩いた左岸の道を再確認しておく。谷からの取り付き。

17.
F1を見下ろす。谷を渡渉し回りこむ、かつての道が見えた瞬間。

18.
滝谷から上滝尾根に至る道の再確認を終え、もとに戻る。

19.
戻る途中でF1の全容。

20.
F1下流の右岸、すぐ先は崩落して不明になっているが、F1滝下から道がついていたとは。
お「オルソくん、わくわくするなあ」
オ「………」

21.
まずは崩落斜面を乗り越える。滝を振り返って。

22.
その先、朽ちた倒木のさきに見えたのは、

23.
この風景。道だと判断できる材料はまだない。バンドを行こうとしたがグズグズのうえに立木も弱い。踏み跡もない。

24.
戻って写真21の崩落斜面の左端を這い上がる。人が上がった跡がある。

25.
水線から20mほど上がると踏み跡は左へ。小尾根を乗越す。
ということは、道は崩落した広い斜面でいちど折り返していたのかも。

26.
振り返って。木の根を掘り返したりしながらごく薄い踏み跡を15mほど進む。下は滝谷まで一直線。

27.
岩の小尾根の下端を巻く。

28.
そのときの下方、滝谷。

29.
見通しのきく広い窪に出て周囲を観察するチャンス。上方に踏み跡や道らしき形はなく、おなじ高度で続く踏み跡のみ。間違ってはいないようだ。
余談。二本あるようにも見える踏み跡の下を選んだが、もしかして上は「上のルート」かも(本文参照)。

30.
次も岩の尾根、上を見上げるとずーっと岩、したがって尋常にいくとおなじ標高で下端を巻くしかないのか。

31.
完全に道の跡だが崩落してやや外傾気味、真下が滝谷。ボイスレコーダーに「ここいやだなあ」。

32.
最後は足元グズグズで手がかりなし、左下は滝谷まで遮るものなし。怖いので戻る。

33.
バックしてたしか写真30の斜面を、滝谷まで降りる。写真32の下を巻いてもとの道に復帰しようという目論見。

34.
備忘録。

35.
水線沿いに岩の基部をぐるっと回り、

36.
先をのぞきこむとこの先は厄介そう。

37.
そのとき右手=右岸にはおあつらえむきのルンゼ。這い上がって道に復帰することにする。というか、それしか選択肢がない。

38.
上がれるかな?上がっても左に続く道が見つかるかな?降るのが難しそうなのでドキドキしながら四つ足の登り。

39.
左=下流に向かってはいるがまるきり崖っぷち。踏み跡見えるが、その手前がねえ、ここ行けるのかなあ。
お「もしかしてマリア様はバカンス中に失恋でもしたか?そうとしか考えられん」
オ「…………」

40.
降り返って。すったもんだしながら崖っぷちをゆく。

41.
ヤブっぽいが踏み跡は続く。

42.
崖っぷちも続く。

43.
尻ムズの崖っぷちを振り返って。
お「失恋の痛手の腹いせに年寄りを崖っぷちに追い込まなくても良いだろうに。性格悪くない?」
オ「……………………」

44.
小尾根を回りこむときの上方。

45.
やっと人心地がつく斜面になる。薄い踏み跡あり。しかし歩いている最中は「標高が低すぎる」ことばかり気にしだしている。

46.
降雨後だから細い流れのある窪にでる。完全に道の跡だが倒木の下はけっこうな滝になっている。

47.
ボイスレコーダー「直進する踏み跡と右上に行く踏み跡、標高的に直進しても先週散々苦労した崖っぷちルートにたどり着いてしまうので上を行くことにする」。
振り返ればどうしてここで「先週と繋がっている」のを素直に認めなかったのか。

48.
選んだほうの、標高を上げる踏み跡。

49.
途中で踏み跡も人が通過した痕跡もなくして散々苦労する。VR「グズグズだし岩は動くし、完全に間違ったところに入ってる、無事脱出できるか?」

50.
踏み跡かも?に乗ってトラバースするも岩に当たる。
お「オルソくん、泣きたくなるなあ。泣いても傷心のマリア様がなんとかしてくれるとも思えない。無駄な涙を流すのはよそう」
オ「…………」

51.
なんとか尾根に這い上がり下方を振り返る。

52.
撤収にかかって標高を上げる。高いところにも二条三条と踏み跡がついてもう無理。追うのを止める。

53.
無名の枝尾根から四間小屋尾根に上がる途中ではっきり道らしき跡を横切る。乗っかって四間小屋尾根の方向へ。

54.
下段道から四間小屋尾根を九十九に上がってくる道と合流する。53~54が本文に記した「上のルート」と推定する部分。

55.
四間小屋尾根のco1130m地点に上がる。「下のルート」より30m上。

56.
上段道横断地点で最後の休憩をとり、

57.
奥多摩駅。すでに着替えてタイムズマートへ酒を仕入れに。

58.
お「オルソくん。なんだかんだいっても無事に帰してくれたからな。マリア様ってじつはツンデレキャラかもしれんぞ」
オ「………………」

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装備・携行品

【その他】 ラ・スポルティーバのウルトララプターⅡ(以下ほとんどモンベル)。タイツ・半ズボン・チェーンスパイク。長袖ドライシャツ・ペツルのヘルメット・ブラックダイヤモンドのフルフィンガーグローブ。ザックはロウアルパインの25リッターにヘッドランプ・スマホ(カメラ+GPS)・バッテリー充電器と予備電池・ココヘリ発信機・雨具上のみ・虫よけネット・ジャージ・ロールペーパー。ハイドレーションに水1.8L・コッペパンふたつ・カルパス・ナッツとドライフルーツ+塩。着替え一式とサンダルは奥多摩駅のコインロッカー。

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