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ダイヤモンドだね榛名富士

硯岩・掃部ヶ岳、榛名富士( 関東)

パーティ: 1人 (Yamakaeru さん )

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行程・コース

天候

晴れ

登山口へのアクセス

マイカー
その他: 高崎市営無料駐車場が約100台と大きくて良い。GPS座標(36.475572 138.860314)。GPS座標はGoogle Mapに入力するとナビ案内に使える。一番便利が良いのは、榛名湖荘前にある無料駐車場(レンガ色した高崎市の林間学校施設の下側)。登山口から約100mのところにある。ただし、8台程度と小さいので早めに来ることをお勧めする。また、トイレは冬期閉鎖につき注意。今回は、こちらを利用させて頂いた。

この登山記録の行程

駐車場(05:55)・・・硯岩(06:17)(休憩~06:41)・・・掃部ヶ岳(07:15)・・・硯岩(07:54)・・・<湖畔周遊>・・・榛名湖温泉(08:35)・・・榛名富士(09:18)(休憩~09:50)・・・ビジターセンター(10:30)・・・<湖畔周遊>・・・駐車場(11:09)

コース

総距離
約9.5km
累積標高差
上り約908m
下り約906m

高低図

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登山記録

行動記録・感想・メモ

予定がぽっかり空いてしまった土曜日。布団を干しながら青空を見上げ「そうだ、榛名山へ行こう!」とふと思った。
毎年冬山の候補としてリストアップしているが、いざとなるとつい派手な雪山を選んでしまい結局今まで行く機会がなかった。
かくして下道を飛ばして群馬へと向かった。前日入りだ。
夕方まで時間があったので、久しぶりに白衣大観音とひびき橋に足を延ばしてみた。以前、出張の際に、高崎駅からぶらりと歩いてやってきたのはもう10年以上も前になるだろうか。大仏の足元に立つと、あまりの大きさに当時の感動した記憶が蘇ってきた。
その他、「鏑川白鳥飛来地」にも立ち寄ってみたが、こちらは空振りで探せどどこにも白鳥は見当たらなかった。監視員のおじさんによると、今年は2週間ほど前にすべて飛び立ってしまったとのことだった。
夕方、早めの食事をとるために再び高崎市内に戻ってきた。高崎市と言うと行きたくなる大好きなラーメン屋とうどん屋があるが、今回はお腹と相談した結果、うどん屋に行くことにした。「うどん四方吉」。もちもと・ツルツル・シコシコの自家製麺をベースに作られたクリーミーでスパイシーな「濃厚旨カレーうどん」が看板メニューのお店。一口食べたら感動すること間違いなし。そして、その日の味もやはり期待以上だった。
食欲を満たした後は、道の駅「よしおか温泉」で車中泊。温泉施設もあり、榛名山にも比較的近いので拠点には何かと便利が良い。
朝4時に起床して榛名山へと向かう。クネクネと蛇行する道に神経を使ったが、厳冬期を過ぎたこともあって幸い凍っている場所は無かった。
榛名山(はるなさん)は上毛三山の一つ。妙義山と赤城山には何度か登っているが、ようやくこれで上毛三山を踏破することができる。榛名山という山名は山塊を指す総称で、カルデラ湖の榛名湖を中心に、「榛名富士」、「掃部ヶ岳(かもんがだけ)」、「天目山」、「相馬山」等の外輪山で構成されている。今回は、最高峰となる標高1,449mの掃部ヶ岳と榛名富士に登りながら榛名湖を周遊する。
駐車場に車を停め、6時過ぎに歩き出す。
「高崎市林間学校施設」の入り口脇にある登山口より山へと踏み入っていく。最初から積雪があったが、圧倒的に量は少なかった。
緩やかな斜面を登って行くとコルにある分岐点に出た。右へ行くと展望が良いとされる「硯岩」。左に行くと掃部ヶ岳の頂。
最初に右の硯岩へと向かう。
行く手に尖がったピークがぼんやりと薄暗闇の中に見える。高さはないが反り返るような斜面だったので、滑らないよう足元に注意しながら登って行く。
登り切ると同時に、整った三角錐の榛名富士が目に飛び込んできた。日の出が近づき赤くシルエットが縁どられ浮かびあがっていた。その裾野には左側半分が白く凍った榛名湖も見えた。実に幻想的な光景だった。
硯岩の名前の通り、巨大な岩壁が湖畔側に向かって突き出しており、上から見下ろすとまさに断崖絶壁。岩に打ち込まれた金具がところどころにあり、登山用のロープが設置されていたので、クライミングゲレンデとしても親しまれているようだった。
掃部ヶ岳へ向かうために一旦コルの手前まで降りかけたが、ふと先ほど見た榛名富士のシルエットが気になって足を止めた。あれだけ山の輪郭全体が綺麗に浮かび上がると言うことは真後ろから太陽が昇ってきているに違いない。「ひょっとして」と思い、急いでも硯岩へ登り返す。
予想は的中だった。タイミングもドンピシャ。まさに榛名富士の頂から太陽が昇ってくるところだった。ゆらゆらと揺らめきながら大きな太陽がゆっくりと顔を出していく、神々しいばかりのタイヤモンド榛名富士だった。
山を登っていると、時々、神様がプレゼントしてくれたとしか思えないような奇跡のタイミングで、それはもう忘れがたい光景に出会うことがある。まさしく今日もその一つ。予定の変更で何気なく決めた行き先だったが、車中泊した場所や朝起きてからの行動が全てこの瞬間の奇跡に繋がっている。わずか10分でもズレていたらこの光景との出会いはあり得なかった。この幸運に感謝だった。
太陽が完全に昇りきったのを見届けてから、掃部ヶ岳へ向うため移動を開始した。
掃部ヶ岳はよく整備されていて、階段状の登山道が頂まで延びていた。樹林帯で視界が遮られていたが、高度を上げていくと徐々に樹々の間から榛名富士と榛名湖が見えた。いつの間にか、太陽の位置もだいぶ高くなり、光を反射して湖面がキラキラと輝いていて綺麗だった。
ほどなくして山頂に到着。同時に標識の向こう側にひと際大きく真っ白な山が見えた。
「富士山か?」と思わず声にしてしまったが、もちろんそんな訳はなく、この付近でそれだけの圧倒的なスケール感と整った山容を持つ山は「浅間山」しかない。少し前に登った「四阿山」も浅間山の手前に見えていた。残念ながら樹々が邪魔をして頂の眺望は今一つだったが、よく見ればきっと名だたる山々も見えていたはずだった。
持ってきたバナナを2本食べてから下山を開始する。続いて湖畔を歩きながら先ほど眺めた榛名富士を目指すが、その前に、もう一度、榛名富士と榛名湖が見たくなり、途中、硯岩に立ち寄った。今日3度目の硯岩だった。
下山をして榛名湖の湖畔に沿って歩いていく。陽射しがぽかぽかととても気持ち良かった。
写真を撮ろうと道路から外れて水辺まで行ってみると、湖面を覆っている氷が波打ち際のところから溶け始めていた。手を付けてみると思ったより水は冷たく無かった。
時折、「ゴゴッゴゴッ」という音が山に反射しながらサラウンドのように聞こえてきた。何の音だろうと思ったが、すぐに氷が軋んでいる音だと分かった。陽射しを受けて、薄くなった氷が割れて軋み音を出している。よく聞くと湖面を走るように音が移動しているのが分かった。冬を終えた湖。まるで春が産声を上げているようだった。
榛名湖温泉「ゆうすげ」の横にある登山口から榛名富士に入っていく。登る人が少ないのか、掃部ヶ岳に比べて踏み跡が少なかった。ちなみに春名温泉は大人520円と安く、登山後の日帰り温泉としても人気だと聞いている。
大した標高差は無いと思っていたが、くねくねと蛇行しながら思った以上に長い工程だった。山頂にたどり着くと、朱い鳥居が目に飛び込んできた。これが「榛名富士山神社」。コンクリート製の社で少々味気ないが、縁結びや安産にご利益があるらしい。
気持ちが良かったので、神社の前でコーヒーを淹れて暫し山頂でのひと時を楽しむ。
大きな機械音が響いてきたので、よく見ると登ってきた反対側にロープウェイの山頂駅が見えた。不定期に動いていたので、不思議に思いスマホで調べてみると3月1日から20日までの期間は点検による運休とのことだった。
休憩後、山頂駅の横から別ルートでロープウェイの下の駅に向かって降っていく。登りに使ったルートでは膝下まであった雪が、こちらのルートではほとんど雪が無く登山道の黒っぽい土がむき出しになっていた。南側だから融けるのが早いようだった。
降り切ったところにあるビジターセンターから、湖畔に沿いに歩きながら円を描くように出発地点の駐車場まで戻る。登山と言うよりピクニックに近かったが、美しい自然に囲まれ、素敵な湖と山に触れることが出来た楽しい一日だった。
帰路、ここまで来て伊香保温泉に立ち寄らない手はないと、「伊香保露天風呂」で汗を流した。大人450円。茶系の鉄分を含んだ温泉で、青空を見上げながらとても気持ちが良かった。

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装備・携行品

みんなのコメント

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  • 値段がつけれないダイヤモンドですね

  • 金剛石と山。
    榛名湖の外輪山が指輪の輪っかみたい。

登った山

榛名山

榛名山

1,449m

榛名富士

榛名富士

1,391m

よく似たコース

榛名山 群馬県

榛名山群最高峰・掃部ヶ岳から杏ヶ岳へ 外輪山と湖の展望コース 日帰り

最適日数
日帰り
コースタイプ
周回
歩行時間
6時間13分
難易度
★★
コース定数
24
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