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焼岳

焼岳( 北アルプス・御嶽山)

パーティ: 2人 (うめぞー さん 、ほか1名)

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行程・コース

天候

晴れ時々曇り

登山口へのアクセス

マイカー
その他: マイカーにて平湯経由で中尾温泉の一番北にある中尾キャンプ場の更に北側にある登山者用駐車場(無料)から登山口へ

この登山記録の行程

登山者用駐車場(9:00)・・・登山口(林道別れ)(9:10)・・・登山口(正式な登山口)(9:30)・・・白水の滝展望台(9:40)・・・秀綱神社(11:00)・・・中尾峠(11:30)・・・焼岳山頂(12:10)・・・中尾峠(14:30)・・・登山口(林道別れ)(16:00)・・・駐車場(16:10)

コース

総距離
約11.3km
累積標高差
上り約1,540m
下り約1,540m

高低図

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登山記録

行動記録・感想・メモ

いよいよ登山の季節となってきましたので今回は焼岳に行ってきました。
この季節、まだまだ北アルプスの山々は雪渓が残っており登山はかなりハードになるのですが焼岳だけはそのような危険箇所が少ないため登山客で賑わいます。
そんな中、通常なら上高地からのルートや新中の湯ルート(中の湯ルートは現在一部閉鎖中)からのトライが多いのですが我々は混雑を避けるため中尾ルートからトライしてきました。
それではコース案内です。
このルートはバスで訪れることもできますがその際は距離が長くなるのと時間に余裕が必要になりますので事前にバスの運行状況等を調べてください。
マイカーの場合、中尾温泉の一番上に登山者用駐車場が完備されています。
約20台ほど駐車可能です。(無料)またこのコースは距離もそこそこあり結構厳しいルートでもあるためかあまり人気がなく本当に登山が好きな方だけが登るルートなので穴場と言えます。(車も余裕で止められます。)
前日仕事を終えた我々は車で飛騨まで移動して前泊し、翌日車で平湯方面から中尾温泉方面へ移動しました。
駐車場に9:00頃到着した我々は用意を整え駐車場を後にします。
この時点で車は約10台ほど止まっていましたがもちろん我々が一番遅い出発のようで人影はなくアスファルトの道を登山口を目指して進みます。
途中、温泉の源泉タンクの横を通り過ぎながら硫黄の匂いを満喫します。
しばらく道なりに進むと右側に草にうもれた感じで登山口の道標がありますので従います。
小さな沢を渡り(木製の橋があります。)対岸から本格的な山道が始まります。
この時期は梅雨なのでなかなか難しいですが梅雨の晴れ間を縫うように登山をすることができれば新緑で覆われた素敵な山と出会うことができます。
しなしながら本来はここはアプローチともいう道で本来の登山口はここから約1時間近く歩いた先にあります。
元々は林道からのアクセスだったようで本来の登山口左横には林道らしき道があります。
林道らしきと書いたのはもうこのルートを使う人はいないようで草に覆われていたからです。(現在も使用できるかも知れませんが遠回りになるようなのでお勧めできません。)
本来の登山口から少し傾斜が急になってきますがそれでもまだまだ緩やかです。
ただ、この時期は積雪の影響か倒木が多くルートを塞ぎがちになっていますので注意してください。
途中、大木がそびえ立っておりあまりの立派さにしばし二人で見とれなぜか山の神様のような気がしてきてこれからの山行の安全を祈願し、その幹に触らさていただきました。
感動しながらしばらく進むとこれまた感動スポットの白水の滝展望台に到着します。
展望台と言いましたが休憩場所などは一切ありません。
ただ正面に落差45mの雄大な白水の滝が見えるだけの場所です。
ここから本格的な急登になっていきますので休憩はこのあたりで取るのもいいかもしれません。(ただし広い場所はありません。)
しばらく進むと鍋助横手と書かれた看板がありますが特に何もありません。
名前の由来はその昔、鍋助さんという方がここから滑落して死亡したそうで確かに右側はところどころ危ない箇所もあり道幅も細いですが気をつけて通行すれば特に難所というほどでもありません。
それよりも雪の影響で倒木が多く乗り越えたり下をくぐったりでそちらのほうが疲れます。
急登と倒木に悪戦苦闘しながら進むとヒカリゴケが群生している洞穴(人は入れない。)が2箇所ほどあります。
どちらも足場が悪いところにあるので足元と他の登山者に気をつけて鑑賞してください。
ヘッドライトで照らせば確かに綺麗に光るのですが普通のカメラではなかなか綺麗に撮れませんのでこういう時こそ一眼レフの出番だと痛感しました。
またこのあたりから笠ヶ岳がとても綺麗に見えるスポットが何箇所かあります。
足場の良い場所で眺めてみてください。
ここからしばらく進むと秀綱神社があります。
神社といっても社は無く大きな岩が御神体となり、その前に鳥居が設けられているだけの簡素なものですが前にはベンチが数基設けられており休憩するにはもってこいです。
我々は巨石好きのこともあり秀綱神社に参拝し安全祈願をしました。
以下は秀綱神社の立て看板より抜粋した秀綱神社の由来です。
<<秀綱神社の立て看板より>>
秀綱は戦国時代飛騨一円を従えた三木自綱の子で飛騨高山松倉城主であった。
天正13年(1585年)8月、天下統一をもくろむ羽柴秀吉方の武将金森長近の飛騨攻めにより落城した。
秀綱は身重だったとされる奥方と数人の家臣を伴い、信州波田城をめざした。
落武者となった一行は険阻な道を選び高原郷中尾峠を越すために、この地で一夜を明かしたとされる。
信州に入り、あと一息というところで不運にも杣人の手にかかり秀綱と奥方はありえない最期をとげた。
中尾の人々はゆかりの地に悲運の武将を祭り道中安全と家内安全の守り神として代々護り伝えている。
と記されているのですが元々我々が選んだこのルートは昔の人々の峠越えルートだったそうです。
古き時代に思いを馳せながら道をたどるというのは登山のひとつの楽しみ方だと私は思います。
どんな山道にも歴史があり、開拓した先人たちの思いがそこにあります。
我々もそんな思いを汲み取りながら山頂を目指します。
秀綱神社を出たあたりから周りは雪渓に囲まれ足元注意の場所が続きます。
雪渓の下は空洞になっている場合もありますのではまらないように気をつけます。
そうこうしながら先へ進むと下山される方とのすれ違い。
単独で焼岳を上ってこられたようで挨拶を交わしたあと、しばらく歓談しました。
「山頂は人が多かったですよ~」とおっしゃったその方は我々とよく似た性格のようで人が多い上高地ルートを避けて中尾ルートを選ばれたようでした。
我々にも「この道を来る人は本当に山が好きな人だけなんでわかりますよ。」とおっしゃってました。
人懐こい性格のその方との別れを惜しみながら先へ進もうとすると後ろから「うお!?」と叫び声が・・・振り返るとその方が雪渓に右足を膝まで取られているところでした。
「大丈夫ですか?」と声をかけると「いや~お恥ずかしい、朝もこの辺でハマったんですよね~」と無邪気な笑顔で元気に手を振って行かれました。
本当に山が好きな素敵な方でした。
素敵な出会いに心を温めながら先へ進むと更に雪渓が深くなりアイゼンは必要ないのですがルートを見失う結果に・・・
GPSを駆使して現在地はわかるのですが道がイマイチです。
どうも少し前の分岐で左に進まなければいけなかったようなのですが倒木が多すぎて正規ルートでは無いと判断した我々のミスからルートを右へ踏み外していたようです。
そうこうしているうちに藪の中へ誘われ約10年ぶりに藪こぎをする羽目に・・・・
雪渓では一回も足を取られたりこけたりしなかった我々が藪の中でいいように弄ばれいい加減疲れ出した頃、やっとこさ正規ルートへ戻ることができました。
正直疲れますので藪こぎは避けましょう。(苦笑)
そこからは正規ルートということもあり特に苦戦することもなく中尾峠につきました。
ただ、ここまではほとんど樹林帯の中だったので風の影響を受けなかったのですが中尾峠は何も遮蔽物がないため少しの風でも体感温度が下がります。
従い、夏でも上に羽織るものをザックに入れておくことをおすすめします。
我々も中尾峠でウインドブレーカーを着て周辺の写真を撮ってからいよいよ焼岳山頂を目指します。
ここからは今までの山道とは一変し、岩場、ガレ場、ザレ場のオンパレードとなります。
疲れた足には相当堪えますので予め休憩を取るなどしてコンディションを整えておいてください。
足を滑らせると一瞬で滑落する場所もたくさんあります。
ストックも場所によりけりなので場合によっては直ぐにしまえるよう工夫したほうがいいでしょう。
ここからは足だけではなく手も使用しながら上ります。
急登と格闘すること約40分ようやく北峰直下の鞍部に到着します。
ここからは10分もかからず山頂に到達しますが一箇所だけ岩場をよじ登る場所がありますので慎重に進みます。
それを乗り越えれば焼岳山頂(北峰)です。
本来の山頂は南峰ですので三角点はありませんが標高道標はありますので記念撮影をします。
その後、お昼ご飯を山頂でいただきました。
笠ヶ岳や西穂高、遠くには槍ヶ岳、上高地を見下ろしながら食べる昼食は最高でとても美味しくいただきました。
我々が山頂に着いたのはお昼すぎ(12:30頃)だったのですが思っていたよりも人は少なく(その時点で山頂にいたのは我々を含めて5人程度)皆さん早めの下山を心がけておられたようです。(とてもいいこと、高山は早めの登頂、早めの下山が鉄則です。)
食事を終え、コーヒーを満喫した我々は正賀池(火口湖)のエメラルドグリーンに目と心を奪われ周囲の景色を十分に堪能してから下山準備を始めました。
と、そこへ最後の登山客が・・・どうも親子?(間違えてたらごめんなさい。)と思われる男女がヘルメットを被って颯爽と現れ、写真もそこそこに下山を開始されました。
ヘルメットはかぶっておられましたが軽装だったので友人が「焼岳小屋で宿泊されているんやろな?」というのでそりゃそうだと思いながら後に続くのですが・・・どうもこの女性、かなりの怖がりのようでお父さん?が「そんなへっぴり腰では下山できんぞ~」と怒鳴っておられました。
我々は道を譲っていただき、先に下山したのですがかなりの距離を下ったところでもまだ同じ場所で悪戦苦闘しているのを見た友人が「あれでは山小屋にたどり着くのも時間がかかるな。」と心配していました。
私も同意見です。意外と思うかもしれませんが山は登るときは高揚感や上ばかりを見ているせいか高度感もあまりなく、それほど恐怖を感じませんがいざ下山となると見下ろす感じとなり途端に高度感から恐怖を感じる人が少なくありません。
特に3000mクラスの山ともなると切り立った岩峰のせいで足がすくんでいる人を見かけることも少なくありません。
こういう時に急かしたりしても逆効果なのでイライラせずに少しずつ相手の恐怖心を取り除くことが肝要となります。
また、例え山小屋からのトライであっても出来るだけ時間の余裕をもってトライしてください。(何があるかわからないのが山です。)
我々はこの親子の無事を祈りながら来た道を戻ります。
途中、あれだけ苦労した藪こぎ地帯も正規ルートなら一切問題なく通り過ぎることができ、余裕で景色や花を楽しみながら下山できました。
登山口まで帰ってきた我々は清流で顔を洗い、さっぱりしてから車に乗り込み宿泊地に向かいます。
明日は上高地を散策します。
この季節、焼岳は最高です。
西穂高や前穂高あたりは雪渓が多すぎてそれなりの装備が必要ですが焼岳なら意外と手軽に登ることができます。
ただし、ルートを雪渓のせいで見失いがちになりますので必ず地図、コンパスは持っていきましょう。(GPSがあればなお良し。)
このあたりの山はどこも同じですがほとんど道標がありません。
あっても登山口入口あたりと山小屋周辺だけです。
当たり前のことですが一歩山に踏み込んだ時から自己責任です。
登山届、家族への連絡はマメに事前の下調べは万全に済ませてからトライしてください。
では、みなさんも素敵な山行を楽しんでください。

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装備・携行品

シャツ アンダーウェア ロングパンツ 靴下 レインウェア 登山靴
バックパック スタッフバック 水筒・テルモス ヘッドランプ 予備電池 タオル
帽子 地図 コンパス ノート・筆記用具 登山計画書(控え) ナイフ
ツエルト 健康保険証 ホイッスル 医療品 ロールペーパー 携帯トイレ
非常食 行動食 GPS機器

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登った山

焼岳

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2,455m

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