行程・コース
天候
1日目:曇り時々雨
2日目:晴れ
登山口へのアクセス
マイカー
その他:
丹波山村村営駐車場を利用。新しくできた村営の無料駐車場。約40台。カーナビには「鴨沢バス停」もしくはその横にある「お食事処 木漏れ日」をセットするとよい。東京方面から来ると、バス停の手前で細い林道を上って行くと10分程度で駐車場に着く。入り口脇にトイレがあるのですぐに分かる。週末は混むため7時前には到着しておいた方が良い。鴨沢バス停へは、林道ではなくトイレ裏にある登山道のショートカットで鴨沢バス停まで直接アプローチできる。もっとも、バスは便数が少ないため「お祭り」バス停までであれば歩いた方が早い。
この登山記録の行程
三条の湯(04:20)・・・青岩鍾乳洞分岐・・・(05:53~朝食~06:17)・・・三条ダルミ(08:47)・・・雲取山・雲取避難小屋(09:58)(休憩~10:24)・・・小雲取山・・・コモギノ頭(11:24)・・・雲取奥多摩小屋(11:37)(昼食~12:00)・・・ダンシングツリー(12:17)・・・七ツ石山分岐(12:27)・・・ブナ坂(12:27)・・・茶煮場(14:01)・・・小袖乗越(権現平)(14:36)・・・丹波山村村営駐車場(15:06)
高低図
登山記録
行動記録・感想・メモ
<1日目の日記>
https://www.yamakei-online.com/cl_record/detail.php?id=307544&preview_flg=1
3時に起床。
外に出ると大きなお月様が見えていた。たまたま前日がスーパームーンだっただけあって、今日のお月様も普段より大きく煌々と周囲を照らしていた。
雲は一部残っていたが、今日は天気になりそうだと安心した。
身支度を整えて、4:00に出発。ヘッドライトで足元を照らしながら、ルートを見失わないよう慎重に進んでいく。
ところどころ斜面が崩れていて暗闇に歩くには危険だと感じたが、三条の湯コースは最初のパートが最も長い登りになるので、暗いうちにできるだけ歩いておきたかった。
森を抜けた尾根の見晴らしの良い場所で朝日を迎えた。せっかくなので小休止を入れて朝食を食べることにした。小屋で作ってもらったお弁当で、ちらし寿司だった。お湯を沸かして、ほうれん草のポタージュを作る。組合せ的に和洋折衷となるが、温かいスープで食欲が増し、山盛りだったちらし寿司をあっという間に平らげてしまった。
あちこちで小鳥がさえずり、風がほんのりと冷たく心地よかった。正面には下山時に使う鴨沢ルートの尾根が見えていた。ちなみに、雲取山で最も好きなのがその鴨沢ルートだ。
エネルギー満タンで再び歩き出す。
ある程度高度を上げると、今度は斜面伝いにトラバースで進み、山を回り込むように雲取山の核心部へ近づいていく。時折、樹々の間から雲取山の頂が視界に入るようになってきた。
三条ダルミに到着。
ちょっとした公園くらいの広場があり、正面に真っ黒なシルエットの富士山が「どっかーん」と聳えていた。周辺の山々が麓付近で背比べをしているように見える。他を寄せ付けない富士山の圧倒的なスケールだ。
水分補給をして、最後の登り斜面に取り付く。
斜度的には今回のコースで一番キツイ箇所となる。友人の足に合わせ、できる限りゆっくりゆっくり笹で覆われた斜面を登っていく。
最後の斜面を登り切ったところで、標識が目に飛び込んできた。
見覚えのある景色で、ここから眺めた富士山がとにかく綺麗だったと記憶に残っていた。果たして、今日の富士山も最高に綺麗だった。
感動している友人に「ここは頂じゃないよ」と告げる。「標識があるじゃないか」と驚いていたが、実際の頂はもう数100m奥にある。疲れて座り込もうとしている友人に、「行きましょう!」とはっぱをかけた。
山頂の周辺には、東京都と神奈川県が競うように建てたモニュメントがある。雲取山は東京都で最も高い山とPRしているだけあって、東京都のモニュメントは馬鹿でかかった、
頂にあった山座同定のプレートによると、甲斐駒ヶ岳が描かれていたが、生憎、その方向には大きな雲があり視界がふさがれていた。
休憩にここまで頑張ったご褒美として持ってきたデザートを食べていると、ハンディー無線機を持ったおじいさんが反対の三峯神社方面から登って来た。大きな声で無線機に向かって呼びかけていたが、どうやら七ツ石小屋のご主人と連絡を取り合っているようだった。
そのおじさんから「反対方面に少し降ると日光白根山と男体山が良く見える」と教えてもらった。折角なので行ってみると確かに見慣れた山容が遠くに見えていた。日光白根山の左側に見えている山塊は皇海山付近だろうか。
眺めているとおじさんが降ってきて「見えるだろう」と話しかけてきた。気さくな方で、聞くところによると、降った先にある雲取山荘で働かれているとのこと。ひょっとしたらオーナーなのかも知れない。「三峯神社コースからも一度登ってみたいと思っていたので、いつか雲取山荘にもお邪魔しますね!」と言って別れた。
山頂に戻り鴨沢コースを使って下山を開始する。
ここのコースは本当に歩きやすくて良い。整備された公園を歩く散策道のような道で、降り始めから暫くは右手に富士山が見えるというゴージャスなルートになっている。
小雲取山を過ぎて改装中の奥多摩小屋の少し先にあるリポートで昼食休憩をとることにした。楽しみの昼食タイム。山の上は肌寒いだろうと用意したのは、インスタントのうどんとおでん。バーナーが一つしかなかったので、最初にお湯を沸かしてうどんを作り、そのうどんを食べている間に、熱々のおでんを作る計画でいた。が、お湯を沸かしながら山談義に熱中していると、「ゴーッ」というバーナーの音が知らない間に聞こえてこなくなっていることに気が付いた。
嫌な予感がして、バーナー鍋の下を覗き込むと火が完全に消えている。最悪の事態発生。ガス切れのようだった。お湯の様子を見ると鍋底に微かに気泡が出来上がっている状況で、沸騰には程遠かった。おそらく50~60度といったところだろうか。仕方がないので、とりあえずそのお湯でうどんを作ってみるが、器に移したことで更に音頭は下がり口に運ぶ頃にはうどんのスープも人肌程度になっていた。うどん自体も乾麺が戻り切らずシャリシャリとうどんらしからぬ触感が混じる。「うーん」と唸りたくなったが、残り食料もほとんど食べてしまったため贅沢は言っていられない。最後は作業のように喉に流し込んだ。
おでんは予め調理されているものなので、そのままでも食べられないことはなかったが、すっかり意気消沈で冷たいおでんを食べる気にはなれなかった。自分の事前チェックミスで中途半端な食事となり、友人には非常に申し訳なかったが、こうなると動けるうちに降り切った方が良いと、休憩そこそこに歩きを再開した。
当初の計画では下りの際に七ツ石山へ立ち寄ろうと思っていたが、短縮した方が良いとピークは踏まず迂回して進む。
普通、長い下りの尾根はアップダウンがつきものだが、鴨沢コースは基本緩やかな下りが続く。その分、変化がなくて後半ダレ気味なところもあるが、岩ゴロゴロの段差もなく歩きやすいので、なんとか友人も遅れることなく降り切ることが出来た。
2日間を振り返って、昼食時のガス切れは痛恨のミスだったが、それ以外は約10年前の想い出を辿りながら、それ以上の新たな思い出を積み重ねることが出来た素晴らしい登山だったと思う。名残惜しさとともに雲取山をあとにした。
今回、下山後に使用した温泉は「奥多摩温泉もえぎの湯」。1,050円でなんと3時間の時間制。山奥とはいえ東京近郊の値段と仕組みなんだろうと驚いた。





























