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雨上がりの入笠山とレンゲショウマ

入笠山( 八ヶ岳)

パーティ: 1人 (Yamakaeru さん )

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行程・コース

天候

雨のち晴れ

登山口へのアクセス

マイカー
その他: 入笠山沢入登山口(にゅうかさやまさわいりとざんぐち)駐車場を利用。入笠林道のマイカー規制地点にある無料駐車場(標高1450m)で約40台。トイレあり。GPS座標は(35.901817 138.190742)。GoogleMapに入力するとカーナビ案内が可能。

この登山記録の行程

入笠山沢入登山口(06:06)・・・入笠湿原(06:44)・・・ゴンドラ山頂駅(07:08)・・・八ヶ岳展望台・入笠すずらん山野草公園・・・山彦荘(07:53)・・・花畑(07:59)・・・入笠山山頂(08:29)(休憩~08:48)・・・<岩場コース>・・・入笠山山頂・・・<新コース>・・・山彦荘・・・入笠湿原(09:31)・・・入笠山沢入登山口(09:56)

コース

総距離
約11.1km
累積標高差
上り約925m
下り約924m

高低図

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登山記録

行動記録・感想・メモ

楽しみにしていたお盆を挟んでの長期休暇が、いきなりの悪天候から始まり、おかげでせっかく企画していた立山ツアーが吹き飛んでしまった。
そんな中、8月14日に松本に行く用事が出来たので、早めに向かい前日の13日に唐松岳でも日帰りで行けないか、と企んだ。「隙あらば!」だ。笑
しかし、お盆時期に遊びを優先している山バカを快く思わなかったのか、神様の罰が当たり、8月12日の深夜から高速道路を飛ばすが、終始、雨模様だった。
天気予報では13日の唐松は曇りのち晴れだったので、僅かな晴れ間でもあればと期待していたが、結局、白馬に着いても雨は止む気配は無くむしろ強まる一方だった。
やるせない感情がふつふつとこみ上げ、それに夜通し走って来た眠気が乗っかり、そのまま道端に車を停めてふて寝しようかとも思ったが、それでは高い高速代が無駄になると、「せっかく長野に来たならば、日ごろ登る機会のない山にでも行ってみよう!」と気持ちを切り返した。
おそらく松本を抜けてしまえば比較的天気も良くなるだろう。それに、低めの山であれば天候が荒れるリスクも低いだろうと思った。
幾つかの候補が頭に浮かんだが、最終的に選定したのが「入笠山(にゅうかさやま)」。
長野県富士見町と伊那市にまたがる標高1,955mの山で、八ヶ岳や富士山、アルプスの山々を望む展望の良さで知られている三百名山の一つだ。
ゴンドラで登る観光地と言うイメージが強かったため、今まで登る対象から外していたが、良い山には違いないので、良い機会だった。
5時58分、入笠山沢入登山口駐車場からスタートを切る。
周囲は濃い霧で覆われていた。
歩き始めて直ぐに、パラパラと小雨が降って来たが、本降りになる気配は無かったので、そのままレインウエアーは着こまずに進むことにした。
緩やかな斜面を登っていく。
よく整備された登山道で歩きやすかった。
やがて水平移動に入り、山の反対側へと回り込むように抜けていく。
すると、目の前に柵とゲートが見えてきた。これが入笠湿原への入口となる。
ドアを開け、木道に導かれるままに入っていくと、世界が一変して足元には沢山の種類の花が咲き誇っていた。
緑の絨毯のように広がった湿原。所々に白樺の樹がアクセントをつけて、まるで一枚の絵画のような風景だった。
雨が上がり、霧の立ち込めた静かな湿原の中を、花を愛でながらゆっくりと歩いていく。
爽やかな朝の空気がとても心地よかった。
いきなり山頂へ向かうのは性急すぎると、ゴンドラの駅まで少し足を延ばしてみることにした。
6時59分、ゴンドラ山頂駅へ到着。
ぼんやりと厚い雲の間に八ヶ岳が大きく見えた。その麓には雲海が広がっている。
200m先に展望台があるとのことだったので、行ってみることにした。
斜面を降ったところに設置された展望台は、まさに雲海のテラスだった。
恋人の聖地と書かれた看板やハートを模した飾りつけは、正直、自分には不要だったが、確かにこの絶景はデートにうってつけの場所かもしれない。
遠くまで広がる雲海の先には圧倒的な大きさを持つ富士山がはっきりと見えた。「おおっー」と思わず声が出る。
数分もしないうちに雲に隠れてしまったが、一瞬でも見ることができたのはラッキーだったと言える。
一休みしてから、「入笠すずらん山野草公園」を抜けて折り返すことにした。
途中、「レンゲショウマ見ごろ」という看板が目に入り、足を止めた。
そう言えば入笠山にはレンゲショウマの群生地があると聞いたことがあった。
「今年は会えないだろうなぁ」と諦めていたが、まさかここで会えるとは。思わぬ機会に嬉しくなった。
看板の方向に進んでいくと、直ぐにレンゲショウマを見つけることができた。
真っ盛りの瑞々しいレンゲショウマがあちらこちらに咲いていた。暗い森をほんのりと照らすランプのようで、まさに森の妖精に相応しい花だ。
入笠湿原に戻り、山彦荘の横を抜けて花畑に向かう。
花畑はスキー場のゲレンデのような場所で、斜面一面に花が咲いていた。
上まで登り切ったところで振り返ると、雲が少し切れて青空が広がりつつあった。このまま晴れてくれると有難い。
害獣保護の柵を抜けて、再び森の中を進んでいく。ほぼ水平移動で快適な登山道だった。
周囲にはカラマツの樹が立ち並んでいて、枝と幹には薄い緑色をしたスカーフのようなものが垂れ下がっていた。まるで森全体をデコレーションしているような感じ。あまり詳しくはないが、おそらく「サルオガセ」という地衣類(菌類に藻類が共生したもの)だと思う。大木に寄生しているように見えるが、実際には光合成をするためのものらしい。時折、高山で見かけるが、不思議な光景だ。ちなみによく似たもので「キヨスミイトゴケ」というもののもあるらしい。サルオガセは地衣類ではなく、こちらは植物(コケ植物)。似て非なるものがあるというのも面白い。
水平移動で進んできた登山道もT時の分岐点から角度を変えて、いよいよ頂に向けた最後の登りゾーンに入る。斜度自体はさほどでもなかったが、ここまで全般、緩やかな道だっただけに、意外にしんどく感じた。
登り切ると、森が切れた瞬間に、360度の眺望が目に飛び込んできた。
後立山連峰方面は雲で見えなかったが、中央アルプスと南アルプスの一部が確認できた。特に大好きな甲斐駒ヶ岳と千丈ヶ岳が間近に聳えていて圧巻だった。
八ヶ岳が真正面に見える特等席(岩)に腰を下ろして、持ってきた冷やしうどんを頂く。ショウガが薬味としてよい仕事をしていて、とてものど越しが良く美味しかった。
お腹を満たし、下山を開始しようと思ったが、その前にもうひとつ。
初めて来る人には気付きにくいと思うが、頂の標識横に設置されている鉄製のボックスには、実は記念撮影用の「入笠山」と大きく書かれたプレートが保管されている。それを両手に持った記念撮影がしたくて、ちょうど近くにいた登山者の方にお願いして写真を撮ってもらった。これにてミッションコンプリートで下山開始。
下山を開始してすぐに、登って来た時には気が付かなかったが、ショートカットと思われる別な道があったので、気分転換に使ってみることにした。
進んでいくと分岐点があり、看板に「迂回コース」と「岩場コース」と書かれていた。
看板に書かれていた地図をよく見なかった自分も悪いが、「岩場」の言葉に即反応をして選ぶとしたら当然「岩場」だろうと、深く考えずに岩場コースに進んだ。
が、登山道はどんどん坂を上り返して変な方向へと延びている。
「おかしいなあ?」とも一瞬思わなかった訳ではないが、「まぁ、こんなものだろう」と気にも留めず、それよりも「どんな岩場が待ち構えているだろうか」と期待を膨らませながら斜面を登り切って、口があんぐり。
視界が開けた瞬間に目に飛び込んできたのは、さっきまでいた山頂の風景だった。
「えっ?!一周したの?」
なんとも間抜けな話しだった。
しかも、どんな岩場があるのかと楽しみに登って来たが、なんのことはない既に岩場を通過していたことになる。
恥ずかしく、一人山頂で照れ笑いだった。誰もいなくてよかった。笑
気持ちをリセットして、もう一度、下山を開始。
ミスルートをしたついでに、「首切清水」方面へ抜けて林道を使って少し遠回りしながら入笠湿原まで戻った。
入笠湿原では、ゴンドラが動き出したこともあり登山者とは明らかに違う軽装備な観光客で溢れていた。
もう一度、ゆっくり湿地帯を巡ろうかとも思っていたが、人が増えていたので、そのまま一気に下山することにした。
見上げるといつの間にか、青空が広がっていた。
目的の山ではなかったが、ぶらり旅のような登山もまた一興だと思った。

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装備・携行品

みんなのコメント

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  • 蓮華ショウマ 見たいぃ 花の線香花火みたいですね

  • 御岳山が日本で1番多いかなぁ。
    でも、あんまりたくさん群生していても逆にありがたみがないからね。^_^
    程よくたくさんあるのは、天狗山@福島が個人的にはお勧めかなぁ。

登った山

入笠山

入笠山

1,955m

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