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小夜時雨のちの天城山

万二郎岳、万三郎岳(天城山)( 関東)

パーティ: 1人 (Yamakaeru さん )

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行程・コース

天候

時雨

登山口へのアクセス

マイカー
その他: カーナビには「天城高原ゴルフ」をセット。駐車場はその手前50m程左手にある「天城高原ハイカー専用駐車場」を利用。看板あり。24時間開放されている無料駐車場(冬季は閉鎖)。舗装されていて100台程度のスペース。トイレの他に登山口の洗い場もある。緯度経度(34.872992 139.023389)。GooglMapに張り付ければカーナビ可能。

この登山記録の行程

天城高原ハイカー専用駐車場(05:55)・・・登山口(05:58)・・・四辻(06:13)・・・万二郎岳(06:49)・・・馬の背(07:08)・・・アセビのトンネル(07:12)・・・石楠立(はなだて)・・・万三郎岳(07:46)・・・万三郎分岐点(07:54)・・・涸沢分岐点(08:20)・・・石柱101地点(08:56)・・・四辻(09:17)・・・登山口(09:27)・・・天城高原ハイカー専用駐車場(09:28)

コース

総距離
約8.5km
累積標高差
上り約902m
下り約902m

高低図

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登山記録

行動記録・感想・メモ

天気が悪いことは十分わかっていたが、遠征して山に浸りたいという気持ちが抑えきれず、お泊りセットと山装備2日分を車に積んで家を飛び出した。
盗んだバイクでもなく17歳でなくても、そんな日が山屋にはある。(しかも年中)
目指すは、伊豆。
移動には難関である「東京」を抜ける必要があることから今まで敬遠してきたが、ついに重い腰をあげた。
案の定、東京を抜けるのに四苦八苦して、ヘロヘロになりながら辿り着いたは「道の駅 伊東マリンタウン」。洋風の建物が並ぶお洒落な道の駅だったが、感動よりも先に眠気が勝り、即、車を停めて横になった。が、激しい雨が降っている割にはムシムシと暑く、エンジンを切った瞬間に汗が噴き出して眠れなかった。もう10月だというのに一体どういうことだろうか。
それにしても、こんなに大雨が降っているというのに、「よくもまぁ250km以上も下道を飛ばして、遠征登山なんかに来たものだ」と自分の山バカさに改めて感心してしまった。
4:00丁度に起床。
天気予報では「早朝は雨マーク」となっていたが、幸い雨は降っていなかった。
「このままもってくれると良いが」と願いつつ、薄暗い中を天城山へ向けて車を走らせる。
山に入るにつれ、霧の濃度が増しライトの乱反射で1m先の白線さえ見えない状態だった。危険だと、スピードを落として走っていると、女鹿が1頭飛び出してきて思わず轢きそうになってしまった。危ないあぶない。
天城山高原早川駐車場に着くと、車中泊をした方か、車が二台停まっていた。
準備を整えて、5:45にスタートを切る。
この頃には、だいぶ明るくなりライト無しでも足元が見えるようになっていた。しかし、相変わらず濃霧の世界。今日の眺望は「完全に諦めだな」と思った。
登山口は、駐車場から道を挟んで反対側にあり、看板があるので分かりやすい。
森に一歩踏み込むと、霧が満ちていてとても幻想的だった。霧の中に鳥の澄んだ鳴き声が響き渡っていた。早朝の挨拶をしているようだった。
歩き出しは、いきなり降り方始まる。降ると書くと大げさだが、開始から暫くの間は登りと言うよりは、心持ち降り方が多かった。
人の頭ほどの岩がゴロゴロしていて、滑りやすくとても歩きにくかった。
暑かった機能と打って変わり今日は気温が低いようで、冷たい風が「ビュービュー」と吹くと肌寒く感じた。
時折、森の奥から甲高く長く伸ばした鹿の声が聴こえてきた。警戒音でなく、仲間を呼ぶ時の声だと思う。おそらく風が強いため人間(自分)の存在に気づいていないのかも知れない。
6:38、「万二郎岳(ばんじろうだけ)」到着。標高1,299m。
天城山について解説しておくと、天城山は他の山でのよくあるようにその名前を冠する山は存在せず、連山の総称で正確には天城連山や天城山脈と称されている。代表的な山は万三郎岳、万二郎岳、遠笠山等。その中でも伊豆半島最高峰の万三郎岳が一般的には天城山とされている。
万二郎岳の山頂は8畳分ほどの広さがあり周囲を樹々で囲まれていた。一部ひらけたところがあったが、真っ白な濃霧のため眺望は全くきかなかった。
森の中に、白菊のような花が一面に咲いていて鮮やかだった。
ヤマシロギク(イナカギク)。いつもはカメラを向けることがない花だが、ここまで咲き誇っていると圧巻。霧の中に一面咲く様子は天国のようだった。また、あちらこちらにトリカブトも咲いていた。こんなにトリカブトが多い山も珍しいと思った。
雨がシトシト降り始めたので先を急ぐ。
緩やかに降り、次の山へ向かう縦走路を進む。とても歩きやすいコースだった。
「馬の背」を抜けて「アセビのトンネル」へ。これだけアセビが群生していれば、きっと名前の通り春ともなれば真っ白な花のトンネルが出来上がることだろう。
万三郎岳の手前にはシャクナゲの樹も沢山あった。「天城シャクナゲ」という品種らしい。5月中旬から6月の上旬にかけて薄桃色の花が一面に咲くとのこと。さすがは、百名山であると同時に花の百名山に選定されているだけのことはあり花が豊富だ。
余談だが、深田久弥が百名山を選定する際に設定した条件の一つに「標高が1,500m」という目安がある。もちろんあくまでスペック上の目安で、選定には郷土文化との繋がりや山の風格等が重要視されているため、877mの筑波山を初め1,500m以下の百名山は他にもあるが、標高1,406mの天城山(万三郎岳)もなぜ百名山に選定されたのか論議を呼んでいる山の一つになっている。参考までに面白い考察を書かれていた方がいたのでメモとして残しておく。
https://yamap.com/activities/17494827
緩やかだった登山道も、頂直前で100m程の激坂と向き合う。それを登り切り、7:35、万三郎岳(ばんざぶろうだけ)1,406mに到着。
万二郎岳よりは広い山頂だったが、樹々に囲まれていて同様に眺望は無かった。
ここから先はとても素敵な縦走路が続く。本当は、天城峠まで抜けたかったが、交通の関係もあって今日はここで周遊コースを取る。いずれまた機会改めて足を運ぶことにしたい。
山頂から少し進んだ分岐を右へ折れて、シャクナゲコースを使って下山を開始する。ちなみに登って来たルートを含め、この周遊コース全体をシャクナゲコースと呼ぶらしい。
8:9、涸沢分岐に到着。この辺から登山道はトラバースコースに変化していく。
雨が止み、霧も少し薄くなり見通しが効くようになってきた。
昨日の夜から断続的に降っていた小夜時雨もこれで終りか。ちなみに天城山はよく雨が降る土地で、もともとは「雨木」という名前から変化して今の「天城」になったという説があるらしい。そう思うと雨の日を選んで天城を歩くのも悪くはないと思った。
「小夜時雨」という単語を意図的に使ってみたが、やはりミーハーと言われてもここへ来たらこれを聴かない訳にはいかないと、岩の上に腰を掛けYouTubeで吉永小百合の「天城越え」を聴く。幸いアンテナが1本立っていたので、時間はかかったがうまく再生することができた。
薄っすらと晴れていく霧を眺めながら聴く天城越え。演歌はよく分からないが、心震わせ全身で歌っている歌詞にグッときた。
8:45、石柱101地点に到着。
西洋では101匹のワンちゃんのようにエンジェルナンバーの一つとして縁起の良いものとされているが、日本でも101という数字はなにか特別な意味を持っているのだろうかと気になった。
9:6、四辻に戻って来た。もうあと少し。
ラストスパートで、9:20に無事、駐車場へ帰着した。
ところで、登山口手前のところで、30名ほどの団体さんとすれ違った。その方々の足(車)だろうか、駐車場に大きなバスが停まっていた。見ると「福井ナンバー」ではないか。自分の車と並んで、福井ナンバーがこんなところに2台も揃うなんて、妙な親近感を覚えた。
バスのフロントガラスには「山楽会こっぽいご一行様」と書かれていた。以前、会津磐梯山を登っている最中にも福井県から来たという山の会ご一行様と出会ったことがあるが、遠方で福井の方と会えるとは嬉しいものだ。
「やるなぁー福井!」。

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みんなのコメント

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  • 万一郎岳はないのですか?

  • なるほどー。一ノ峰から三ノ峰まではあるのにね。

登った山

天城山

天城山

1,405m

万二郎岳

万二郎岳

1,299m

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