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屋久島 宮之浦岳~縄文杉 日帰り縦走【反省】

宮之浦岳・縄文杉( 九州・沖縄)

パーティ: 3人 (どどし さん 、ほか2名)

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行程・コース

天候

雨時々曇り

登山口へのアクセス

マイカー
その他: 宿・・(レンタカー)・・淀川登山口

この登山記録の行程

淀川登山口(4:12)・・・淀川小屋(5:12)・・・花之江河(6:55)・・・くりお岳(9:34)・・・宮之浦岳山頂(10:00)・・・新高塚小屋(13:20)・・・高塚小屋(14:50)・・・縄文杉(15:10)・・・ウィルソン株(17:10)・・・トロッコ道(17:30)・・・荒川登山口(20:00)・・・荒川三叉路(22:58)

コース

総距離
約24.7km
累積標高差
上り約1,285m
下り約1,771m

高低図

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登山記録

行動記録・感想・メモ

大反省の登山記録です。
同行者、宿の方々に大いなるご心配・ご迷惑をおかけしてしまいました。

天気予報では月曜日より火曜日のほうが良い予報でしたが、まだまだ遠い距離とはいえ、台風が近づいていたこともあり、山頂での強風に怯え月曜日に決行しました。
結果的には、予報通りに火曜日に決行すれば、これほどのことにはならなかったのではと思います。

当初の計画では、淀川登山口までタクシーで行き、午前4時淀川登山口出発、宮之浦岳、縄文杉と回り、荒川登山口から午後6時の最終バスで戻ってくる予定でした。前日、タクシー会社に電話を入れたところ、屋久島のタクシーは午前4時からとのことで、仕方なくレンタカーで淀川登山口まで行きました。午後6時に荒川登山口に来てくれるようタクシーを予約し、淀川登山口までタクシーでレンタカーを回収しにいく計画に変更しました。

4時10分、雨の中、雨具を着けて淀川登山口を出発。淀川小屋までコースタイム40分のところ、慣れないヘッドランプ・雨具での歩行、また途中道を間違えたりして、小屋まで1時間かかってしまいました。
思えばここで縦走の計画はあきらめ、宮之浦岳往復にしておくべきでした。
同行の二人は、自分よりはるかにスタミナに恵まれていたので、当初の予定通り、別行動となり、私はマイペースでゆっくりゆっくり歩を進めました。
計画では、午前10時までに宮之浦岳山頂に到着しない場合、そのままUターンして淀川登山口に戻ると決めていたのですが、山頂到着がジャスト10時、行っちゃえということで、そのまま前進してしまいました。
山頂を出て、すぐのところで、またけもの道に入ってしまい道迷いで時間を15分ほどロス、それから安い上下セパレートの雨具であったため、ズボンの股の部分が裂け、下地が出てきてしまい、見栄えも良くなかったため、雨が降ったりやんだりの天気でしたが、下の雨具は脱いでしまいました。これも結果論ですが、破れていてもそのまま履いていた方が良かった気がします。ほとんど人と会わなかったものですから。
この行程の最高地点は宮之浦岳で、宮之浦岳から先は多少のアップダウンはあっても、基本下りなので、何とかなるだろうと思ったのも大間違いでした。
道標に出てくるあと数百メートルがなんと長く感じられたことか。
新高塚小屋、高塚小屋を経て、縄文杉到着が午後3時10分、計画より1時間半の遅れです。
ドコモの携帯だったので、所々圏内になることがあり、縄文杉手前で今回山行で唯一のメールを同行者に打ちました。
縄文杉では誰もおらず、一人で縄文杉を独占できました。
ウィルソン株も一人、うす暗いながらもハート形を見ることができました。

トロッコ道に出たのが午後5時半。どうがんばっても、午後6時に荒川登山口着は不可能です。
こうなった場合もある程度予想していたため、行程表には「午後6時に荒川登山口に到着しない場合は、山道を4㎞、荒川三叉路まで歩き、そこにある公衆電話で宿にいる同行者に電話し、三叉路までレンタカーで迎えに来てもらう。」と書いておきました。それの適用です。
ここからはゆるやかな下り坂の歩きやすいトロッコ道。道を間違える心配もありません。
気分的には少し楽になりました。
トロッコ道になり快適に下ることができ、意外と早く荒川登山口に着くのではと希望的観測で歩き続けたのですが、山道と同様、道標に示される次のポイントにはなかなか着きません。
途中で日は落ち、ヘッドランプの灯りだけで線路の間に作られた板の道を歩き続けました。
ただヘッドランプの灯りのみということが、かえって良いこともありました。
鉄橋を何か所も渡り、中には手すりもない鉄橋もあったのですが、目の前の板の道が見えるだけで他は何も見えませんので、高い所が苦手の自分でも怖さを全く感じずに渡ることができました。
明るい時間帯だったらかなりへっぴり腰になっていたと思います。
しかも雨で川は激流になっていたはずです。
これだけは明るいときでなくて良かったと正直思いました。
トンネルが出てくれば、荒川登山口は目の前ということはわかっていたので、トンネル、トンネルと念じながら歩き続けました。
あのカーブを曲がればトンネルの入口が見えるのではと思いながら、何度裏切られたことか。
なんとかトンネルに着き、不気味なトンネルを想像していたのですが、意外や意外、中は照明が点いており、快適に通り抜け、荒川登山口到着が午後8時でした。
煌々と灯りのついたトイレもあり、生き返った気分になりました。自販機の飲み物も期待していたのですが、残念ながらそれは見つかりませんでした。

さあ、ここからは荒川三叉路までの最後の林道歩き4km、気力を振り絞って再出発です。
しかし、ここで、最大の誤算が待っていました。誤算というより、事前知識の不足でした。
今からは登山口から町に向かうわけですから、当然下りと思い込んでいたのですが、緩やかな登りがずっと続いていたのです。
先ほどのトンネルと同様、あのカーブを曲がれば三叉路の進入禁止ゲートが見えるのではと思いながら何度裏切られたことか。
途中、2回休憩をし、2回目の休憩時、眠気も覚えてきました。天気も回復し満天の星空で、夜間も気温はそれほど下がらないこともここ数日間のアメダスで見てわかっていたので、寝袋型のレスキューシートにくるまって、道端で寝てしまおうかとも思い、その旨メールを打とうと思いましたが、やはり圏外で送れません。
再度、気を取り直して、歩き始めます。
三叉路の灯り、灯りと念じながら何度も裏切られ、午後11時前、ついにその時はやってきました。
前方に車のヘッドライトらしきものが見えるではありませんか。
ひょっとして、同行者が到着を予測して待っていてくれる。
期待が膨らみます。
灯りはどんどん近づき、ゲートが見えてきました。
やった。ついに三叉路到着だ。ゲートが完全に閉鎖されており、人の通り抜けるスペースがなかったらどうしようという心配も杞憂に終わり、横から通り抜けることができ、エンジンをかけたまま駐車している車に近づいていきます。
ドアが開き、同行のH君が「お疲れさま!」と言ってくれるかなと感動の再会を思い巡らせながら、車に近づいていっても、車のドアが開く気配はしません。
あれっ、別の人の車だったのかなと思い、そっと窓から中を覗くと同行のH君の姿が見えました。
H君はスマホをいじっていて私に気づかなかったようでした。
改めて感動の再会を果たし、彼が買っておいてくれた冷たい缶コーヒーをいただきました。
人生で一番おいしい缶コーヒーでした。
ありがとう、H君、生き返りました。
H君に話を聞くと、なんでも午後11時まで待って私が来なかったら宿に戻ろうと思っていたとのこと。
間一髪セーフでした。
なんとか日付が変わらないうちに宿に帰ることができ、宿の係の方も心配してずっと待っていてくれたようでした。
あとで聞いたところによると、宿の人もたいへん心配され、社長さんにも連絡がいき、こんなことは初めてだということで、警察に届けたほうがよいのではという声を、もう1人の同行者Fさんがくい止めてくれたそうです。
ありがとう、Fさん。おかげで謝罪会見をやらずにすみました。
夕食も宿の方が弁当の形で、取っておいてくれ、本当に感謝の念に堪えません。
ただ、疲労困憊でせっかくの食事も半分くらいしか食べられませんでした。

気が張っていたせいか、三叉路までは普通に歩けたのに、宿についてからは、腰が痛くて痛くて、夜中にトイレに行こうと立ち上がるのに数十分、用を足し再び寝転ぶのに数十分かかる始末でした。
腰痛は自宅に戻ってからもしばらく治りませんでしたが、無事に帰ってこられたことを思えば腰痛なんてという心境でした。
1週間後に、同年代の内閣府の方が屋久島で遭難して亡くなられた記事を読み、自分も一歩間違えれば同じ運命だったと改めて感じさせられました。

ヤマケイオンラインの現地情報によると、当日の宮之浦岳登山者は27名、縄文杉の登山者数は280名とのこと。にもかかわらず、私が出会った人は10人以下であり、ある意味奇跡のような登山でした。
また、いろいろな人のありがたさを感じる登山でした。

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フォトギャラリー:10枚

装備・携行品

シャツ アンダーウェア ダウン・化繊綿ウェア ロングパンツ 靴下 レインウェア
登山靴 バックパック スタッフバック 水筒・テルモス ヘッドランプ
タオル 帽子 グローブ 着替え 地図 コンパス
ノート・筆記用具 腕時計 カメラ 登山計画書(控え) 修理用具 健康保険証
医療品 ロールペーパー 非常食 行動食 テーピングテープ トレッキングポール
GPS機器 シュラフカバー

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登った山

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1,936m

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