行程・コース
この登山記録の行程
【1日目】
御池(05:12)・・・広沢田代[休憩 30分](06:44)・・・熊沢田代[休憩 30分](08:21)・・・俎嵓[休憩 10分](11:44)・・・柴安嵓[休憩 20分](12:30)・・・燧ヶ岳分岐(13:00)・・・見晴(下田代十字路)[休憩 120分](16:30)・・・東電小屋分岐・・・赤田代[休憩 60分](19:00)・・・東電小屋分岐・・・見晴(下田代十字路)(21:00)
【2日目】
見晴(下田代十字路)(06:00)・・・竜宮十字路[休憩 20分](06:30)・・・牛首分岐(尾瀬ヶ原三又)・・・牛首・・・山ノ鼻[休憩 30分](08:30)・・・至仏山[休憩 30分](13:30)・・・小至仏山(14:57)・・・オヤマ沢田代(15:30)・・・鳩待峠[休憩 30分](16:30)・・・山ノ鼻[休憩 30分](17:30)・・・牛首・・・牛首分岐(尾瀬ヶ原三又)・・・竜宮十字路[休憩 20分]・・・見晴(下田代十字路)(20:30)
【3日目】
見晴(下田代十字路)(07:30)・・・燧ヶ岳分岐(08:15)・・・白砂峠(08:50)・・・沼尻平(09:15)・・・浅湖湿原(10:00)・・・尾瀬沼東岸[休憩 20分](10:20)・・・浅湖湿原[休憩 60分](11:00)・・・沼尻平[休憩 60分](13:00)・・・白砂峠・・・燧ヶ岳分岐・・・見晴(下田代十字路)(16:00)
【4日目】
見晴(下田代十字路)(10:00)・・・東電小屋分岐・・・赤田代[休憩 30分](10:30)・・・兎田代分岐(11:25)・・・天神田代(12:38)・・・上田代[休憩 30分](13:15)・・・御池(14:30)
高低図
標準タイム比較グラフ
登山記録
行動記録・感想・メモ
※最初に注意事項から
見晴新道の山頂付近は足元の見えない藪漕ぎ、その下は浮石がゴロゴロしたガレ、9合目下は延々と異常な泥濘が続きます。笹竹を刈った枝が道に横たわっていてかなり滑ります。傾斜も急なので通過には細心の注意が必要です。コースタイムも大幅にかかりますので余裕のある計画で臨むようにしたいですね。
8月11日 御池登山口~燧ケ岳~見晴~赤田代~見晴テント泊
御池登山口からスタート。
木道を進むと直ぐ燧裏林道と燧ケ岳登山道の分岐。燧ケ岳山頂を目指して登山道を進みます。木道や苔むしたガレ場、階段などの比較的穏やかな登りです。1合目~9合目まで解りやすく表示されていて安心です。
この日は明るいうちにテント場に到着するのが目標でしたので急ぐことも無く道に咲く花など鑑賞しながらのんびり登りました。
登りだして程好い時間で広沢田代に到着です。ちょうど雲の中にいる高度でしたので視界は悪くガスガス。しかしうっすらとボヤけて見えるこの景色もアリだと思います。池塘の淵にモウセンゴケが群落を作り赤い絨毯となっています。なんとも幻想的な風景でした。
広沢田代を後にして再び樹林帯を登ります。少しずつ雲が晴れて広沢田代を下に見下ろせるようになってきました。そして程好い時間で熊沢田代に到着です。
登頂前にこの景色はまずいでしょ!山頂へ行こうというギラギラした気概もすっ飛ぶほどの美しさ、何もかも放り投げてずっと見ていたい景色が拡がっていました。視界は晴れて会津駒ヶ岳の稜線も見えます。昨年お世話になった駒の小屋管理人の三橋さんご夫婦の顔や会津駒ヶ岳の素晴らしい景色などを思い起こしながら暫し足を停めました。
熊沢田代を後に再び樹林帯を登ります。陽が昇り気温も上がってきましたので結構暑いです。途中浮石がゴロゴロしたガレ場が出てきます。ここは落石に注意しながら慎重に。そしてそろそろ休憩したいと思う程好い時間で燧ケ岳俎嵓山頂に登頂です。
尾瀬沼の向こうに日光白根山、会津駒ヶ岳、平ヶ岳など素晴らしいながめです。そして双耳峰燧ケ岳山頂の柴安嵓の何とも美しい眺め!良い気分です。
狭い俎嵓山頂は大勢の方で賑っていましたので柴安嵓に向かいます。途中岩小屋のような場所があり昔の人はここで寝泊まりもしたんだろうなど妄想をかきたて覗き込んだりしながら燧ケ岳山頂柴安嵓に登頂です。
眼の前に壮大な尾瀬ヶ原と優美な佇まいの至仏山、その向こうには真っ平らな山頂を持つ苗場山、谷川岳、上州武尊山、今年水芭蕉の時期に歩いた鳩待通りの稜線など完璧な眺め!本当に素晴らしいです。
ここに来て携帯の電波も入るようになりました。家族と連絡を取りながら昼食を摂り見晴新道で見晴に向けて下山です。一時期登山道の崩落で通行止めとなっていましたがルートの付け替え等して7月中旬から通行可能になっています。山頂付近はハイマツやシャクナゲなどが鬱蒼としている藪漕ぎ。足元が見えないのでルートを外れないように注意が必要です。本格的な下りになるとロープや目印のテープなどがあり適切に誘導してくれます。また、9合目等札が付いていましたので目安になると思います。
こちらにも浮石がゴロゴロしたガレ場がありましたので慎重に下りました。問題はその先!異常な泥濘が延々と続きます。笹竹を刈り払った枝が道に横たわっています。泥濘と合わさってかなり滑ります。傾斜も結構急なので足元をすくわれるととんでもないことになります。後からある小屋の支配人から見晴新道は登りはともかく下りに使うのは危ない!お勧めしないと言うよりやめた方が良いよ!と聞かされました。
様々な地図やガイドブックなどにもコースタイムは2時間とか2時間半とかで掲載されていますがとんでもないです。正直登山者の力量や安全に対しての行動パターン、その日のコースコンディションでコースタイムは大幅に差が出ます。僕はかなり慎重派なので4時間オーバーでした。この状況を後から登って来る友人に説明したところ彼は長英新道で尾瀬沼に下りるルートを取りました。
慎重に下り無事に見晴テント場に到着。テントを建てて先ずは一休み。翌日の装備をアタックザックに詰めるなどして過ごしました。その後赤田代へ向けて夕暮れハイク。東電小屋分岐を過ぎるとすれ違う人も無く静かな湿原ハイクとなりました。
陽が落ちる頃、元湯山荘でバイト生活をしている娘を誘って星空を観に行きました。月が明るく大して期待もしていなかったのですが、なんとも素晴らしい星空!流星群の接近時期と重なっていくつもの流れ星を観ることができました。誰もいない静かな赤田代、愛娘と眺めた星空はとても贅沢で忘れられない思い出となりました。
8月12日 見晴~竜宮~山ノ鼻~至仏山~鳩待峠~山ノ鼻~竜宮~見晴
辺りはまだ暗い中、簡単な朝食を済ませ見晴の弥四郎小屋の前で待機。その時を待ちます。
下田代には朝靄が立ち込め幻想的な雰囲気。燧ケ岳の稜線を朝日が超える時、尾瀬ヶ原名物の白い虹が架かります。この白い虹をスタートラインに至仏山へ向かいます。湿原の植物たちは朝露でキラキラ輝きとてもキレイです。前日に登った燧ケ岳も美しいその姿で自分の背中を押してくれているように感じます。空もスッキリと晴れ渡り登山日和です。
山ノ鼻で行動食を摂り、飲み水も確保し登山カードも書いて準備完了。下山後見晴に戻る長丁場となるので体力温存、意識してゆっくり省エネペースで登ります。
ほどなく森林限界を超えて壮大な尾瀬ヶ原と燧ケ岳が望めるようになります。滑りやすい蛇紋岩も乾いていてコンディションも良かったです。燧ケ岳登山のダメージと暑さもあって少々バテ気味でしたが無事2度目の登頂!前回は記念撮影してなかったので近くにいる方にお願いして、はい!ポーズ!登頂写真も撮れました。
素晴らしい眺めをおかずに昼食を済ませ、一息入れて鳩待峠に向けて楽しい稜線歩き。稜線を隔てて新潟側に沸き立つ雲、やっぱり稜線歩きは楽しいですね。
小至仏山、鳩待峠を経て山ノ鼻で一段落。あとは木道を見晴に向けて戻るだけです。
木道に出ると前日に登頂した燧ケ岳を正面に背後には登ってきたばかりの至仏山。その間を結ぶ木道は自分にとってビクトリーロードのようで愉快でたまらない。池塘に写る夕焼け空も祝福を受けているかのようでちょっと目頭が熱くなりました。
テントに戻り夕食の後は心地よい眠りに包まれました。
8月13日 見晴~白砂峠~沼尻平~尾瀬沼ビジターセンターピストン
夜明け前まだ星がキラキラした時間に目が覚めた。テントを出て目覚めのコーヒーを飲みながら暫く星空を眺める。行く筋もの流星の軌道を追いかけるとても贅沢な時間。周囲を山に囲まれた尾瀬ヶ原は星空を眺めるにも良い場所のようです。
辺りが明るくなり湿原には朝靄が立ち込めていました。燧ケ岳のキレイな稜線が見えています。これは今日もいけそうだぞ!と思い時を待ちます。太陽が燧ケ岳の稜線を越えると出ました。白い虹。2日続けて見ることができてラッキーです。山小屋に宿泊している方は丁度この時間が朝食と重なり残念と嘆く人が多かったです。特にツアーに参加している方は6時朝食、6時半出発と朝靄の風景を楽しむ余裕も無く決められた時間通りに行動しなければならず不憫にさえ思えました。
この日は時間に余裕もあり弥四郎小屋前のベンチでゆっくり朝食タイム。散らかっていたテントの中を少し整理整頓してから尾瀬沼トレッキングの準備にかかります。必要な装備、食料などをアタックザックにつめて出発です。
暫くは樹林帯の中を歩きます。沼尻川のせせらぎが聞こえて爽やかな朝です。木々の間から差し込む木漏れ日がキレイです。清らかな沢の流れ、鳥の囀り、尾瀬は森の中も素敵ですね。
白砂峠を越えて白砂田代に入りました。池塘ではサンショウウオが元気に泳いでいます。燧ケ岳の眺めも見事です。
ちょっとしたガレ場を下り沼尻平に到着。休憩所は焼失してしまいましたがトイレは使えるようになっていました。
小休憩の後先に進みます。長英新道分岐に10時、この日燧ケ岳を越えて尾瀬入りする友人、計画では11時頃にこの分岐に到着予定でした。若干早いのでトイレも行きたくなり先にビジターセンターまで行って引き返すことにしました。長蔵小屋の売店で燧ケ岳の登頂バッチを購入しお預けにしていた炭酸飲料を飲んで一息。長英新道に戻るとちょうど11時となりました。待ち合わせと言っても山中の事ですのでそうそう上手くはいきません。携帯の電波も拾えず連絡も取れないので小一時間ほど待って沼尻平へ戻り昼食。更に長めの休憩をとり待ちましたが結局会うことができず見晴のテント場で到着を待ちました。
午後、無事にテント場に到着した友人。これまで僕のテントに同居と言う形で何度かテン泊を経験してきた友人、今回マイテントでのテン泊デビューで少々荷物を持ち過ぎたようで重量から足が進まず本人も若干戸惑ったそうです。
新品のテントを楽しそうに張る友人の顔はなんとも良いですね!彼のテントを見学させてもらいましたが設営も楽チンでフライシートには一切結露もしない優秀なテントでした。
一段落ついたところで弥四郎小屋のカフェでコーヒータイム。燧ケ岳や至仏山の話で盛り上がります。お喋りの場は小屋前のベンチに移り夕食を食べながらも続きます。オッサン同士でも山の話になると尽きることはありませんね!
8月14日 見晴~赤田代~段吉新道~燧裏林道~御池登山口
朝とも夜とも区別がつかないウスボラケの中、出発の準備をする友人。彼はこの日至仏山に向かう。
辺りが明るくなり湿原は朝靄が幻想的な空間を創造している。
僕は至仏山へ向かう友人の背中を見送った。きっとビクトリーロードを帰ってくることを信じて。
予定最終日、もう1泊延長し友人の帰りを迎えようと画策するも敢え無く撃沈。テントを撤収し下山の途に就く。
途中娘がお世話になっている元湯山荘に寄り支配人にご挨拶。娘のバイト生活に不要となった物を受け取り持ち帰ることになった。20リットルスタッフバック1個分。なんとかザックに括り付けた。
三条の滝方面に進み暫くすると段吉新道との分岐。崩れかけた狭い木道を進みます。途中見事なブナの純林や清らかな沢を過ぎ立派な吊り橋を通過。いくつかの湿原や樹林帯を抜け上田代へ。山旅の終わりを告げる景色。正直去りがたかった。旅の余韻に浸るように暫く足を停めました。
名残は尽きませんが重い腰をあげてもうひと踏ん張り。燧ケ岳登山道との分岐まで来て周回完了。
今回の山行でやりたいと思ったことは全て果たした。そんな充実感に浸りながら御池登山口に到着。感謝の一礼をして山旅を終えました。
長文失礼致しました。
フォトギャラリー:120枚
装備・携行品
| シャツ | アンダーウェア | ダウン・化繊綿ウェア | ロングパンツ | 靴下 | レインウェア |
| 登山靴 | バックパック | スタッフバック | スパッツ・ゲイター | 水筒・テルモス | ヘッドランプ |
| タオル | 帽子 | グローブ | サングラス | 着替え | 地図 |
| コンパス | ノート・筆記用具 | 腕時計 | カメラ | 登山計画書(控え) | ナイフ |
| 修理用具 | 健康保険証 | 医療品 | 虫除け | 熊鈴・ベアスプレー | ロールペーパー |
| 非常食 | 行動食 | テーピングテープ | トレッキングポール | ストーブ | 燃料 |
| ライター | カップ | クッカー | カトラリー | ||
| 【その他】 毛布のレンタルを利用のためシュラフは装備せず | |||||




























































































































