北アルプスの山小屋のご主人に伺った、雪山で遭難事故を起こさないための注意点

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 例年になく雪の早い今シーズン、山岳地の積雪量も増えている。そこで、北アルプス南部の槍・穂高連峰で、唯一、通年営業する山小屋・西穂山荘の村上文俊さんに、山荘で多くの登山者に接し定点観測している立場として、雪山で遭難事故を起こさないために注意すべきことを伺った。

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 ここ数年、20~30代の若い登山者が多く見られるようになった。若年層の登山者が増えることは山に活気が出て嬉しい半面、登山経験が浅いことによる、未熟で無謀で無責任な登山者が多くなったと感じている。

 この冬は早くから雪が多く、雪山の世界を堪能するには絶好のシーズンとなったが、年末年始を迎えるにあたり、特に下記のことに注意して計画してほしい、という。

・単独登山、雪山経験の浅い登山者だけのグループ登山を避け、雪山経験のある上級者や山岳ガイドとの山行を計画すること。
・冬山の必携装備として、アイゼン、ワカンやスノーシュー、ピッケル、ストック、ビーコンなど必要な装備を持ち、それぞれの使い方を事前にしっかりチェックしておくこと。
・夏山と違いコースタイム通りに歩くことは困難になるので、行程に余裕を持った計画をたて、予定通りにいかない場合には、柔軟に計画変更の判断をすること。
・稜線に出ると風の強さが大きく変化することを理解して防寒装備を準備し、自分の力量に合わない無謀な登山をしないこと。
・出発前には、山小屋などに問い合わせて、最新の山の状況を確認すること。

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 しっかりとした準備、計画をたて、経験があって信頼できるパートナーとともに、安全に冬の山を楽しもう。

>> ヤマケイオンライン 西穂山荘からの最新情報はこちら

 


丸山付近で稜線に出る。風のない穏やかな天気に恵まれればよいが、稜線は風が強いことが多い


朝日差す西穂山荘と出発する登山者。自分の力量にあった登山を心がけよう

 

 なお、西穂山荘では、年末年始にカウントダウンなど年越しイベントや特別なふるまいなど、サービスも多数準備中、とのこと。詳しくは西穂山荘のウェブサイトで。

西穂山荘のウェブサイトはこちら

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