小林綾子さんと“萩原編集長”が黒部源流の山旅へ。話題の伊藤新道も紹介。12月7日放送のNHK BS『にっぽん百名山』

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美しい日本の山々を四季折々さまざまなコースから案内するNHK BSの山番組『にっぽん百名山』。11月にBS4Kで放送した『北アルプス 黒部源流 〜“日本最後の秘境”へ〜』が、NHK BS(2K)で12月7日(木)19時30分より放送される。

雲ノ平に向かう小林綾子さんと萩原浩司(太郎兵衛平にて 撮影=洞 将太)

雲ノ平に向かう小林綾子さんと萩原浩司(太郎兵衛平にて 撮影=洞 将太)

(左)水晶岳から雲ノ平を振り返る/(右)水晶岳山頂に立つ小林綾子さん(撮影=洞 将太)

(左)水晶岳から雲ノ平を振り返る/(右)水晶岳山頂に立つ小林綾子さん(撮影=洞 将太)

俳優の小林綾子さんは“萩原編集長”とともに、折立の登山口から紅葉の季節を迎えた雲上の楽園・雲ノ平へ。その後、黒部源流の最高峰・水晶岳をめざす。ドラマ『おしん』の少女時代を演じて人気を博した小林綾子さんだが、母親の影響で幼いころから登山に親しんでおり、登山経験も豊富。今回もその健脚ぶりを披露する。

番組の後半は、今年8月、40年ぶりに復活したばかりの「伊藤新道」をたどる“萩原編集長”の山旅を紹介。伊藤新道を開削した伊藤正一さんの長男・圭さんの案内で沢沿いの道を歩き、三俣山荘経由で鷲羽岳へ。“萩原編集長”にとって「伊藤新道」は43年ぶりの再訪であり、とても懐かしく、思い入れのある山行になったという。

黒部源流の雄大な自然や歴史を、映像を通して体感してみてはいかがだろうか。

今夏の湯俣川は驚くほど水量が少なく、遡行も楽だった。伊藤新道の困難度は水の勢いによって大きく変わるので、計画時には充分注意してほしい(写真=萩原浩司)

今夏の湯俣川は驚くほど水量が少なく、遡行も楽だった。伊藤新道の困難度は水の勢いによって大きく変わるので、計画時には充分注意してほしい(写真=萩原浩司)

(左)同じく水量が少なかった秋の黒部川本流。薬師沢出合の河原で不思議な光に射抜かれた萩原/(右)放送では紹介されなかった湯俣川上流の秘密の野湯

(左)同じく水量が少なかった秋の黒部川本流。薬師沢出合の河原で不思議な光に射抜かれた萩原/(右)放送では紹介されなかった湯俣川上流の秘密の野湯

こちらは43年前(1980年)湯俣川本流硫黄沢出合付近での萩原。足ごしらえは地下足袋に草鞋

こちらは43年前(1980年)湯俣川本流硫黄沢出合付近での萩原。足ごしらえは地下足袋に草鞋

番組概要

番組タイトル:にっぽん百名山「“日本最後の秘境”へ 〜北アルプス 黒部源流〜」
放送局:NHK BS(2K)
放送日時:
[本放送]2023年12月7日(木)19時30分〜20時59分
[再放送(予定)]2023年12月14日(木)9時30分~10時59分
番組詳細:https://www.nhk.jp/p/100yama/ts/K8938MW1R4/episode/te/Q3Y14P5PLM/

この記事に登場する山

富山県 / 飛騨山脈北部

水晶岳 標高 2,986m

 北アルプスの中央部、最奥の稜線上にそびえる岩峰。裏銀座縦走路の赤岳(水晶小屋)で主脈から北方に分岐し、赤牛岳へ続く稜線の途中にある。双耳峰で三角点のない頂は3000mを超えていると言われることもある(実際には2986mらしい)。  東側は黒部川支流の東沢が流れ、針峰状の側壁に囲まれた急峻なカール地形。西側は岩苔小谷に急崖が雪崩落ち、山麓の樹林の中に水晶池が光っている。  水晶岳とは美しい名で、下ノ本型花崗岩に水晶や柘榴石の結晶が見られるためである。さらに明るい山稜の中で、この山だけが黒っぽい岩塊なので「黒岳」とも呼ばれている。なにしろ奥深い山なので直接登るコースはなく、2泊3日が最低日数となれば登山者も少なくなる。水晶岳を経由して赤牛岳から奥黒部ヒュッテへ下る読売新道は、静かなアルプス最奥の山旅を楽しめるルートとして知られている。  登山口の1つは新穂高温泉。双六岳、鷲羽岳を経て赤岳(水晶小屋)まで所要12時間。大町市から入る烏帽子岳からの裏銀座コースは高瀬ダム上から歩き出し、烏帽子岳、野口五郎岳、東沢乗越を経て赤岳まで所要11時間30分。赤岳から分岐して水晶岳まで40分。

富山県 長野県 / 飛騨山脈北部

鷲羽岳 標高 2,924m

 鷲羽岳は裏銀座コースの屈曲点で、鷲羽乗越を隔てて三俣蓮華岳と対峙している。この辺りの山は北アルプスでも奥深い所にあるが、元禄10年(1699)の越中前田藩の古記録に、すでに鷲ノ羽岳として記載されている。いわゆる「黒部奥山廻り役」による踏破の跡は、ほとんど黒部川の流域のすべてにわたっていたのである。ただし、この鷲ノ羽岳とは現在の三俣蓮華岳のことで、鷲羽岳は東鷲羽岳または竜池ヶ岳と名づけられていた。近代登山の初期に誤記されてしまったらしい。  この山の西斜面は祖父岳とともに黒部川の水源になっている。お花畑からしたたり落ちる、ほんのひとまたぎの流れが黒部峡谷となると思えば、感慨ひとしおである。  南側の中腹に火口湖の鷲羽池があり、槍ヶ岳と見事にマッチして、絵のように美しい。西麓は鷲羽乗越のハイマツ帯で三俣山荘が登山者の安全を守っている。  石英閃緑岩、つまり花崗岩特有の明るい山肌をもつ、裏銀座コースの玄関口にふさわしい雄峰である。  登山コースは新穂高温泉からで、双六岳経由で所要10時間30分。

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