火山としての富士山を活写。4月21日から富士宮市で曽布川善一さんの写真展

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

富士山をメインフィールドに撮影活動を続ける曽布川善一さんの写真展が4月21日(月)から、静岡県富士宮市の富士宮市役所の富士山展望ギャラリーで開催される。25日(金)まで。

曽布川善一さんの写真展

曽布川さんは昨年6月、火山としての富士山にフォーカスした書籍『10万年の噴火史からひもとく富士山』を出版。見応えのある写真とともに、火山学の見地から富士山の成り立ちを紹介し、山頂火口、樹海、湖、湿原、滝、溶岩洞穴、氷筍などについて、どのようにしてその地形ができたのか、実際にその場を訪れた写真家による美しい写真とともに解き明かしている。また、富士山そのものをご神体とする修験の姿なども紹介する。

今回の写真展では、火口や山中に内在する噴火の痕跡、信仰文化を育んだ富士火山の神秘性を写し取った26点(予定)を展示する。同時に、著書から抜粋した解説を掲示し、火山としての魅力を伝える。SDGsに配慮した「バナナペーパー」にプリントした展示コーナーでは、観覧者が写真に触れてもらう工夫もされるという。

曽布川善一さんの写真展

写真展概要

会期:2025年4月21日(月)~25日(金)9時30分~17時(入場最終時間は16時30分、最終日は16時30分で閉館)
場所:富士宮市役所7F 富士山展望ギャラリー(静岡県富士宮市弓沢町150)
主催:曽布川善一
後援:富士宮市、富士宮市教育委員会、山と溪谷社
協力:小森コーポレーション

関連リンク

写真家 曽布川善一のホームページ
https://www.mfujisobu.com/

関連書籍

10万年の噴火史からひもとく富士山

曽布川善一
発行山と溪谷社
価格2,530円(税込)
Amazonで見る
楽天で見る

この記事に登場する山

山梨県 静岡県 / 富士山とその周辺

富士山・剣ヶ峰 標高 3,776m

 日本の山岳中、群を抜いた高さを誇る富士山は、典型的なコニーデ式火山。いずれの方向から眺めても円錐形の均整のとれた姿は美しく、年間を通して人々の目を楽しませてくれる。東海道本線や新幹線の車窓から見ると、右手に宝永山、左手には荒々しい剣ガ峰大沢が望め、初めて見る人の心を奪う。  昔は白装束姿で富士宮の浅間(せんげん)神社から、3日も4日もかけて歩き通したという話を古老から聞いたことがある。現在では、富士宮と御殿場を富士山スカイラインが結び、途中からさらに標高2400m辺りまで支線が延びているので、労せずして雲上の人になれる手近な山となった。  日本で一番高い山、美しい山であれば、一生に一度は登ってみたい願望は誰にでもある。7月、8月の2カ月間が富士登山の時期に当たり、7月1日をお山開き、8月31日を山じまいと呼ぶ。  山小屋や石室が営業を始めると、日本各地や外国の人々も3776mの山頂を目指して集まってくる。特に学校が夏休みに入り、梅雨が明けたころから8月の旧盆までは、老若男女が連日押し寄せ、お山は満員となり、登山道は渋滞し、山小屋からは人があふれる。  富士宮口から登ろうとする場合は東海道新幹線の新富士駅、三島駅などからの登山バスで五合目まで行き、自分の足で山頂へ向けて歩きだすことになる。山梨県側には吉田口があり、東京方面からの登山者が多い。  目の前にそびえる富士山はすぐそこに見えるため、山の未経験者は始めからスピードを出しすぎ、7合目か8合目付近でたいていバテてしまう。登り一辺倒の富士山は始めから最後まで、ゆっくり過ぎるほどのペースで歩くことがコツである。新6合から宝永火口へ行く巻き道が御中道コースで、標高2300mから2500mを上下しながら富士山の中腹を1周することができたが、剣ガ峰大沢の崩壊で通行不能になっている。  山慣れたパーティならば新6合から左に入り、赤ペンキや踏み跡を拾いながら、いくつもの沢を渡り3時間もかければ大沢まで行くことができる。辺りは樹林帯で、シャクナゲの群落やクルマユリやシオガマなどの高山植物が咲く。  9合目右側の深い沢に残る万年雪は、山麓からも見ることができる。富士宮口を登りつめると正面に浅間神社奥ノ院がある。隣は郵便局。もうひとふんばりすると、最高地点の剣ヶ峰。山頂にはかつては毎日データを送り続けていた気象観測所跡が残っている。天候に恵まれたならば噴火口の周囲を歩く御鉢巡りが楽しめる。

最新ニュース

編集部おすすめ記事