夏の苗場山が日帰りしやすくなった! かぐらスキー場のリフトが朝の運行時間を延長

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日本百名山の苗場山と、花の百名山の平標山。苗場山は山頂に湿原が広がり、「天空の楽園」としても有名だ。夏山シーズンの土日・祝日に運行されているかぐらスキー場のリフトの運行時間が今年延長され、祓川コースから日帰りしやすくなった。運行延長がスタートした週末の7月20日(日)には、祓川登山口の駐車場がほぼ満車となり、苗場山をめざす多くの登山者でにぎわった。

かぐら第一高速リフト(写真提供=株式会社西武・プリンスホテルズワールドワイド)

かぐら第一高速リフト(写真提供=株式会社西武・プリンスホテルズワールドワイド)

祓川コースの下部に位置するかぐらスキー場では、これまでかぐら第1高速リフトを土曜・休日の朝限定で運行(上りのみ乗車可能)。今年は運行時間を30分延長し、6時から8時30分までとなった。さらに祓川駐車場からリフト乗り場までシャトルバスも運行されるため、シャトルとリフトを利用することによって行程が約3km短縮でき、往復6時間30分ほどで苗場山登山が可能となった。山小屋の予約がとれない場合でも、登山をあきらめずに済みそうだ。

苗場山 祓川登山口の駐車場

祓川登山口の駐車場。7月20日(日)は三連休の中日とあって、駐車車両は多かった

関連リンク

かぐら第1高速リフト登山営業
https://www.princehotels.co.jp/ski/kagura/files/Summer_lift_mountain_climbing_sign_1_1.pdf

この記事に登場する山

新潟県 長野県 / 苗場山・白根山・浅間山

苗場山 標高 2,145m

上信越高原国立公園内にある山で、第4紀火山の安山岩類からなり、頂上部は多くの池塘を光らせた4km四方に及ぶ高層湿原を展開しており、その景観と特異な山容から、越後の名山として注目され、県内外の登山者に親しまれている。 頂上には保食神の青銅像や伊米神祠、苗場七柱大神などの石塔があり、昔から延喜式内伊米神社の奥ノ院として、農民や修験の登拝があったらしい。 文化8年に塩沢町の鈴木牧之(ぼくし)が、案内や従者ら12名を伴って登山し「苗場山は越後第一の高山なり、魚沼郡にあり登り二里という。絶頂に天然の苗田あり、依て昔より山の名に呼ぶなり、峻岳の巓に苗田ある事甚だ奇なり」と、その著『北越雪譜』に苗場山紀行を載せている。 登山道は上越新幹線の越後湯沢駅から清津川を渡り、和田小屋、神楽ヶ峰を経由する三俣コースや、三国峠に近い元橋からの赤湯温泉コース、飯山線の津南町から中津川を遡った秋山郷の金城山・小松原コース、小赤沢コースなどがあって、それぞれに苗場山の多様な側面を見せているが、交通、宿泊の便がよくて登山者に好まれているのは三俣コースで、マイカーを利用すれば、スキーシーズン以外は、和田小屋の徒歩20分手前の町営駐車場まで入ることができる。 かつてはブナの原生林をたどった登山道は、スキー場造成の伐開やリフト架設で昔の面影を失ったが、自然保護のため木道が敷かれて登山者に喜ばれている。 登山の対象としてよりもスキー場が有名で、苗場山を巡って民宿150軒、スキー場17カ所もの施設があり、ゲレンデに林立するスキーリフト群が山相を一変させた観がある。 一等三角点の頂上には、苗場山頂ヒュッテがあり、天然の苗田と見られた池塘群には、ワタスゲ、ヌマガヤに混じってヤマトキソウ、キンコウカ、ヒメシャクナゲなどの湿原植物が多彩で、その間にコメツガなどの低い針葉樹林が点在しており、木道に導かれた山上庭園の散歩が楽しい。もちろん上信越の山々をはじめとする展望も申し分ない。 三俣口8合目の神楽ヶ峰には、鈴木牧之の苗場登山を顕彰して、昭和15年に我が国登山界の元老である高頭仁兵衛氏らが、高さ3mの「天下之霊観」碑を建立したが、落雷か積雪の圧力かで折損放置されていたのを、平成3年に日本山岳会越後支部が、原型と同じ仙台石で霊観碑を再建している。 和田小屋からや約4時間30分で山頂に立つことができる。

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