湿原のミズゴケの表面が乾いて白くなってきてしまいました
天気・気温
山と周辺の状況
8/10に台風が近づいてからは、ほとんど雨が降らず、8/11から8/21までの累積雨量は、たったの4.5mmでした。おかげで、高層湿原のミズゴケの表面が乾いて白くなってきてしまいました。研究見本園の池塘も水位が下がってきたような気がします。湿原の植物たちは、雨を心待ちにしているのではないでしょうか。
アヤメ平では、
キンコウカ
キンコウカ
の葉が紅葉して綺麗なオレンジ色が目立ってきていました。
ナナカマド
ナナカマド
などの紅葉も始まり、タケシマランやゴヨウイチゴなどは、かわいい実を付けています。一方、ミヤマノ
アキノキリンソウ
アキノキリンソウ
、オヤマリンドウ、
ヤマハハコ
ヤマハハコ
、ミヤマワレモコウなど、まだ見ごろの花がたくさんあります。
見本園、中田代や赤田代、東電小屋付近などでは
ウメバチソウ
ウメバチソウ
が咲き始めています。
ウメバチソウ
ウメバチソウ
は雄しべの様子で開花してからの日数がわかるのが特徴ですが、ほかにも虫をだまして引き寄せるためのニセの雄しべ「仮雄しべ」もあります。植物の戦略には感心させられるばかりです。
サワギキョウ
サワギキョウ
の花には忙しく飛びまわっているハチが飛び回っています。
サワギキョウ
サワギキョウ
は、おしべの先がちょうどハチの背中に触れる位置にあるのがよくわかります。
下田代では
アケボノソウ
アケボノソウ
が、咲き始めました。漢字では「曙草」と書き、花弁にある黒紫色の斑点を、夜明けの空に見立てたそうです。
尾瀬ヶ原では多くの花々が実をつけ始め、ちょっと目を引くのがカラコギカエデの実です。風に吹かれてヒラヒラと舞い落ちる様が想像できます。
なお、研究見本園は
ミズバショウ
ミズバショウ
の実を食べにツキノワグマが頻繁に目撃されていますが、8/14(金)から当面の期間、安全対策のために研究見本園を閉鎖いたします。至仏山東面登山道方面のみ通行可能ですが、十分に注意してください。
登山道の状況
至仏山が開山しています。登山道は蛇紋岩という岩石が露出していて表面が磨かれてツルツルになっているので気をつけてください。高天ヶ原や山頂付近では、時折、強風が吹くことがあります。フリースなどの上着を用意してください。また、この時期は午後に雷雨が多く発生するので早い時間に下山することをお勧めします。至仏山は、まだ高山植物が見ごろで、ホツツジ、
ウメバチソウ
ウメバチソウ
、ヒメシャジン、ツルリンドウ、シラネニンジンなどが咲いています。
なお、山頂から山ノ鼻への下山は禁止です。詳細は下記「★至仏山登山の際の注意」をご覧ください。
尾瀬ヶ原の木道では牛首~竜宮区間、見晴~温泉小屋方面の一部で破損が激しく注意が必要です。また、長沢新道、鳩待峠~横田代間の登山道は一部ぬかるんでおり、滑りやすく危険です。特に長沢新道を下りで利用する場合は、やや急な岩場が続きますのでご注意ください。
上ノ大堀手前の場所では木道と休憩テラスが新しいものと交換されました。貴重な湿原を守り続けた、これらの木道は、域外に持ち出されたあとも、紙(名刺など)や小物として、再び利用されます。
注意点
研究見本園はミズバショウの実を食べにツキノワグマが頻繁に目撃されていますが、8/14(金)から当面の期間、安全対策のために研究見本園を閉鎖いたします。至仏山東面登山道方面のみ通行可能ですが、十分に注意してください。
★至仏山登山の際の注意。
7/1(水)~シーズン終了まで東面登山道(山ノ鼻~至仏山頂)は「上り」専用(山ノ鼻~森林限界は除く)です。至仏山山頂から東面登山道を利用し、山ノ鼻まで下ることはできません。尾瀬でストックを使用する際は、ストックの先端にキャップを付け、登山道の外側へ突かないようにしてください。
お知らせ
尾瀬内の山小屋の中には、8月下旬~9月初旬で営業を終了するところがありますので、ご注意ください。
昨年の今頃の様子は?
5月16日に山ノ鼻ビジターセンターは開所。ミズバショウが咲き始めています2023.05.17
尾瀬周辺では、たくさんの白いミズバショウが咲いています。ワタスゲの花は少しずつ綿毛が出てきています。2023.05.31
尾瀬ヶ原では、ミズバショウは、ほぼ終了しました。湿原は少しずつ緑色になってきました。2023.06.07
山の鼻ビジターセンター周辺の過去の様子
山の鼻ビジターセンター
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