尾瀬ヶ原 | 山の鼻ビジターセンター

東面登山道は、さまざまな花が咲いています。高天ヶ原から小至仏山までで目立つのは、タカネナデシコの流麗な姿です

尾瀬ヶ原では絶滅危惧種種にも指定されているオオニガナが咲き始めました (2010.08.30 山ノ鼻ビジターセンター )
尾瀬ヶ原では絶滅危惧種種にも指定されているオオニガナが咲き始めました (2010.08.30 山ノ鼻ビジターセンター )
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天気・気温

08/03(火) 曇りか霧時々雨か雷雨。7:00の気温+18.9℃。前日の最高気温+22.9℃ 最低気温+17.2℃。
みなかみ町の天気予報
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日本気象協会提供 2024年5月3日 6:00発表
会津若松市の天気予報
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日本気象協会提供 2024年5月3日 6:00発表
※ご利用上の注意

山と周辺の状況

このところ、尾瀬はすっきりしない天気が続いています。雨が降って木道が濡れているときには、滑りやすいので慎重に歩行してください。
現在、山ノ鼻では人目をひく大きな植物のお花も沢山咲いています。例えば、ビジターセンターすぐ横にあるミヤマ シシウド シシウド 。背丈はビジターセンターの屋根に届く程の大きさで、2m近くありますが、世界で一番大きな花ショクダイオオコンニャクにもひけをとらない大きさです。
また、一見ネバリノギランに似ている、大きさが倍くらいある腐生植物のオニノヤガラも見られます。このオニノヤガラは腐生植物にしては珍しく湿原に生ています。
ほかにも珍しいものでは、 ナデシコ カワラナデシコ 科のナンバンハコベです。ツル状にのびる茎から変わった花が咲きます。尾瀬でも、メッタにお目にかかれません。
そんな花から目線を上に向けると、毎年ビジターセンター前の木々で問い合わせの多いニシキギ科のオオツリバナとマユミが、見事に実をつけ始めました。実が赤く熟すのは、ここ尾瀬は草紅葉が鮮やかになる時期です。

尾瀬ヶ原で目を引く存在が真っ白な コバギボウシ コバギボウシ です。本来は紫色の花ですが、紫系統の花は白花が出やすいそうです。なんとも気品のあるたたずまいをしています。
また、尾瀬ヶ原では、珍しい植物や生き物に出会えます。例えばハゴロモホトトギスという花です。鳥の名前みたいですが、尾瀬の中では数の少ない花だそうです。
また、「オゼマイマイ」というカタツムリは、よく見るとなんとも微妙な美しい色をしています。いずれも竜宮小屋の近くで観察できます。

ほかにも、山ノ鼻や尾瀬ヶ原で咲いている花は、 ヒツジグサ ヒツジグサ コバギボウシ コバギボウシ キンコウカ キンコウカ 、オゼヌマアザミ、チョウジギク、 サワギキョウ サワギキョウ 、オゼミズギク、オタカラコウなどです。 ニッコウキスゲ ゼンテイカ は実をつけ始めています。湿原は、徐々に秋の気配を感じ始めました。
また、木道にはニホンカナヘビやアキアカネなど、小動物や昆虫もたくさん観察できます。

登山道の状況

至仏山は7/1に開山して、登山できます。山ノ鼻から山頂までの直登する登山道では、はじめのうちは湿った木道を歩くことになります。木道は滑りやすいので注意してください。また、森林限界を越えてからも、蛇紋岩で滑りやすいので注意してください。
東面登山道は、さまざまな花が咲いています。高天ヶ原近辺では、ホソバツメクサ、ミヤマウイキョウ、ホソバコゴメグサ、シブツアサツキが見られます。森林限界を超えた、高天ヶ原から小至仏山までで目立つのは、タカネ ナデシコ カワラナデシコ の流麗な姿です。ほかにも、イワシモツケ、ジョウシュウオニアザミ、 クルマユリ クルマユリ 、ヒメシャジなど、たくさんの花を見ることができます。
また氷河期の生き残りと言われる、オゼソウも見ることができます。
なお、山頂から山ノ鼻への下山は禁止です。詳細は下記を確認してください。

■至仏山登山のルール(貴重な自然を守るため)
雪渓を避けるために、指定された登山道から外れて植生の上を歩行することのないようにしてください。
東面登山道は7/1(水)~シーズン終了まで東面登山道(山ノ鼻~至仏山頂)は、「上り」専用(山ノ鼻~森林限界は除く)です。至仏山山頂から東面登山道を利用し、山ノ鼻まで下ることはできません。
また、至仏山にはトイレがありません。登山口でトイレを済ませてから入山しましょう。万が一に備えて「携帯トイレ」を携行されることをお奨めします。使用済みの携帯トイレは、お持ち帰りをお願いします。

注意点

尾瀬でストックを使用する際は、ストックの先端にキャップを付け、登山道の外側へ突かないようにしてください。尖った先端は植生や土壌を傷めるだけでなく、木道の傷みも早めることになります。
湿原は照り返しがとても強いので、熱中症には十分に注意してください。とくに小さい子供は、背が低いぶん注意が必要です。また、夕方の雷雨に注意してください。

尾瀬にはクマが生息しています。湿原の植物を食べるために出てくるツキノワグマが多数目撃されています。直近では、7/27に至仏山登山口で階段を登っている姿が目撃されたり、中田代で泳いでいる姿が目撃されたりしています。人がいない所では、鈴等で自分の存在を知らせましょう。

お知らせ

尾瀬ヶ原見晴公衆トイレは、合併浄化槽に亀裂が入っていることにより使用できなくなっているものがあります。7月6日に5基(男専用3基・男女兼用2基(簡易水洗式)を増設して10基で運用しておりますが、引き続きご不便をお掛けいたします。

昨年の今頃の様子は?

山ノ鼻ビジターセンターは5月16日に開所予定。鳩待峠への道路の冬期閉鎖解除は4/21(金)より2023.04.19

5月16日に山ノ鼻ビジターセンターは開所。ミズバショウが咲き始めています2023.05.17

尾瀬周辺では、たくさんの白いミズバショウが咲いています。ワタスゲの花は少しずつ綿毛が出てきています。2023.05.31

山の鼻ビジターセンター周辺の過去の様子

  • 尾瀬は冬枯れとなっています
  • カラマツの葉の色づきが目立ってきました
  • ダケカンバの紅葉は落葉が進んでいます
  • 尾瀬ヶ原も雪景色となりました
  • 木々の紅葉が進んでいます
  • 至仏山の紅葉
  • 樹木の紅葉もだいぶ進んできました
  • 草紅葉の濃淡がきれいです
  • 尾瀬ヶ原と燧ヶ岳
  • 冠雪した至仏山
  • ヤマドリゼンマイの紅葉の濃淡が見事でした。

山の鼻ビジターセンター

電話番号:
連絡先住所:

地図で見る
http://www.oze-fnd.or.jp/

施設の詳細を見る

関連する山

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平ヶ岳 標高 2,141m

只見川の水源に近い銀山平の奥に、山名のとおり穏やかな平頂を盛り上げている山で、大正4年(1915)7月に、日本登山界の元老、高頭仁兵衛氏が人夫4名を雇い、3日間を費やして、只見川の大白沢から登頂した記録がある。 頂上部は大小の池塘を散りばめ、お花畑に飾られた高層湿原だが、登山道がなかったので、沢登りや残雪期登山の記録が散見されるだけで、一般の登山者には幻の存在であった。 昭和40年に湯之谷村が、銀山平の鷹ノ巣登山口から大倉尾根の登山道を伐開して、ようやく登山界に知られるようになった。中ノ岐川に森林伐採用の林道もでき新コースが開発され、浩宮皇太子殿下(当時)も登山された。ただし中ノ岐道は伐採事業が終了したため、現在は車での入山は不可能となっている。ただし銀山平の民宿に宿泊すれば、この中ノ岐登山口へと送迎をお願いできる。 鷹ノ巣コースは登り6時間30分を要する。平ヶ岳と池ノ岳の間には一時幕営地が整備されたが、現在は使用不可となっているため、山中に宿泊はできない。 この山も山頂付近は自然保護のため木道が延々と敷かれて、登山者に喜ばれているが、尾瀬と同様に公園の散歩道を思わせ、大地を踏み締める感触のないのが何か物足りない。 池ノ岳近くの稜線上に、玉子石と呼ばれる円形の巨岩が彫刻のように立っており、造化の妙に驚かされるであろう。

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至仏山 標高 2,228m

 尾瀬ガ原の西端に位置し、東の燧ヶ岳とともに尾瀬を代表する名山である。ミズバショウの花咲く湿原のかなたに残雪の至仏山、といった写真はよく目にすることだろう。  山頂から眼下に見る尾瀬ガ原はすばらしい。西には奥利根、谷川の山並みを望む。足元には蛇紋岩地特有のホソバヒナウスユキソウやオゼソウなど、貴重な高山植物が多い。山名の故か、百名山登頂の最後にこの山を登る人たちもあると聞く。山名は、仏教には関係なく、ムジナッ沢(つあわ)の別名「渋ッ沢」に由来するという。  山ノ鼻から直登するコースは植生保護のための通行禁止が平成9年に解除された。ただし状況によっては再び通行禁止となる場合もある。山ノ鼻から頂上まで所要2時間30分。鳩待峠からは緩やかで展望のよいコースがある。鳩待峠から頂上まで所要2時間40分。  鳩待峠は、その昔片品村の男たちが、厳冬期に入山し、木地師として木工品を作っていたころの仕事場であった。鳩は寒中はふもとの村にいて、暖かくなると山奥へ移る習性がある。峠の近くで鳩が鳴けば、男たちは久々に里へ下り、田植えを始める。雪深い山中で、鳩が来る春の日を待ち続けたことから、鳩待峠と呼ばれた。

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