現在の縄文杉コースは、踏ん張りのきかない雪道で、足腰に大きな負担がかかり、体力をとても消耗します。十分な体力と経験が必要。
天気・気温
◆1/10の天候:小雪舞う。北西の風やや強し。荒川登山口(標高600m)の気温3℃(15:30)。
山頂の天気の閲覧、登山計画の保存などができるようになります。
山と周辺の状況
年末年始にかけ、10年に1度の積雪(屋久島在住20年のガイド談)に見舞われた屋久島。1/7の昼、荒川登山口までの除雪が完了、通行止めが解除されました。
1/8、屋久島滞在の日程を伸ばし、ずっと縄文杉にトライできるのを待ちわびていた方を含め、若い男性3名と男性ガイド2名で、2011年初となる「雪の縄文杉コース」に挑みました。トロッコ道では20~30cmの積雪。ゴムスパイクを履きますが、雪が崩れやすく非常に苦労しながら歩きました。体力のある男性ばかりのチームで、トロッコ道に3時間かかりました。雪はさらに深くなり、標高約1000mのウィルソン株より、ワカンを着用。快晴なのに樹上の雪が溶けて激しく落ちて来るので、土砂降りの雨の中を歩いているような状態。何度も雪に埋まりながらたどりついた縄文杉は、デッキの手すりがほとんど雪で埋まっていました!この日はガイドツアー、一般の登山者の方合わせて10名ほどが縄文杉コースにトライしましたが、日帰りで縄文杉までたどり着けたのは、我が1チームだけでした。上り6時間、下り5時間、ほとんど歩きっぱなしで11時間かかりました。さすがの屈強な男性陣も、みんな疲れ果てて帰ってきましたが、何にも代えがたい達成感を味わわれ、大満足の1日でした。
現在の縄文杉コースは、非常に体力を消耗します。また踏ん張りのきかない雪道で、足腰に大変な負担がかかります。十分な体力とある程度の登山経験のある方以外は、お勧めできません。
1/10は、女性2名と男性ガイド2名でチャレンジしましたが、溶けかけてグズグズになった雪に足を取られ、非常に体力を消耗する行程となりました。無理をするより、楽しんでいただきたい、ということで、お客様とも相談し、ウィルソン株まで頑張って、引き返すことに。雪に埋もれて巨大なかまくらのようになったウィルソン株で、ゆっくりと昼食を食べ、余裕のあるうちに下山しました。
登山道の状況
※1/12日現在の情報(天候により状況は大きく変化しますので、かならず事前に現地の最新情報を入手して下さい。)
■宮之浦岳、花之江河、黒味岳など
・相当の積雪あり。一般者の登山は非常に困難です。1/12現在、荒川三叉路~ヤクスギランド~淀川登山口までの車道が積雪のため通行止めになっており、入山不可能な状態。開通までにはまだしばらくかかる見込みです。
■縄文杉ルート
・登山口~小杉谷付近…まばらな雪。橋の凍結に注意。
・小杉谷~大株歩道入口…シャーベット状の雪。滑りやすく、ゴムスパイクが最適。
・大株歩道入口~縄文杉…深い雪。だいぶ踏み固められて固まり、歩きやすくなっている。
アイゼン使用。ワカンは固いので歩きにくい。大株歩道入口で5cm、縄文杉デッキで1m近い積雪あり。
雪のため非常に歩きにくく、通常より大幅に時間がかかります。余裕のある計画を立て、無理のない登山を楽しんでください。
・12/1より、荒川登山口への一般車両の乗り入れが可能となりました。3月より運行されていた登山バスは運休となり、利用できませんので、ご注意ください。荒川登山口までのルートは積雪、凍結時には通行止めになります。事前に情報収集を行ってください。荒川登山口は駐車スペースが非常に少なく、混雑時は登山口手前に路上駐車をすることになります。スムーズな通行のために、しっかりと道端に寄せて駐車していただきますよう、ご協力をお願いいたします。
■屋久島観光協会 最新登山情報も参考になります。
http://www1.ocn.ne.jp/~yakukan/tozaninfo/index.htm
登山装備
南国のイメージの強い屋久島ですが、標高の高い山岳部は豪雪地帯です。年末年始の荒天で、奥岳(島の高山地帯)は深く雪に閉ざされています。体力、経験のない方の入山はお勧めできません。現在奥岳に入るには、相当な経験と装備が必要です。しっかりと事前の情報収集を行い、スノーシュー、アイゼン、ストックをご用意ください。
白谷雲水峡など、比較的低山に行かれる方も、ゴムスパイク、アイゼン、ストックが必要な場合があります。北西の冷たい季節風が非常に強く、気温も0℃前後に下がっていますので、ダウンジャケット、フリース、防風ジャケット、毛糸の帽子、ネックウォーマー、防水やウールの手袋などのしっかりとした防寒対策が必要です。またインナーも綿は絶対に避け、ウールや化繊を重ね着して下さい。濡れてしまうと非常に危険ですので、下着、靴下、手袋などは替えを用意しておきましょう。また靴はかならず防水性のトレッキングシューズをご用意ください。
また積雪の後の好天時には、樹上の雪が溶け落ちてきて、雨が降っているような状態になりますので、防水対策をしっかりとお願いします。ビニールガッパやポンチョは役に立ちませんので、しっかりとした雨具をご用意ください。空気がかなり乾燥していますので、水分、塩分補給は意識的に行いましょう。
現在、屋久島の日の出は7:20頃、日の入りは17:35頃となっていますが、天候の悪い時は日中でもかなり薄暗くなります。事前にコースの下調べを十分に行い、早めの入下山を心がけ、時間的に余裕のある登山計画を立て実行してください。必ずライト類を携帯しましょう。
※屋久島では、登山グッズレンタルショップ、幾つかのホテル、エコツアー会社などで登山グッズのレンタルが可能です。
注意点
屋久島の各避難小屋は、電気、水道、暖房等ありません。小屋内は非常に冷え込みますが、火災の恐れがありますので、小屋内での火の使用は控えて下さい。
利用スペースはコンパクトに収め、騒音など、迷惑行為にご注意ください。利用後は必ず清掃し、利用前よりも美しい状態で、気持ちよく避難小屋を後にしましょう。
また、避難小屋内にはネズミが頻発しています。ザック内にも入りこみますので、食料は丈夫な食器に入れたり、吊るして保管するなど自衛してください。
昨年の今頃の様子は?
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屋久島ガイド協会周辺の過去の様子
屋久島ガイド協会
- 電話番号:
- 0997-49-4191
- 連絡先住所:
- 〒891-4207 鹿児島県熊毛郡屋久島町1436-56