宮之浦岳・縄文杉 | 屋久島ガイド協会

縄文杉コースはかなりの積雪、相当の体力と登山経験が必要。南国の雪山、体験するなら今がチャンス。

凍る苔 (2011.01.30 屋久島ガイド協会 )
凍る苔 (2011.01.30 屋久島ガイド協会 )
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天気・気温

01/25(火) ■縄文杉コース: 曇り。無風。縄文杉デッキ上(標高1300m)の気温0℃(11:00)。縄文杉デッキ上の積雪110cm。本日の入山者数14名。
鹿児島市の天気予報
明日
曇時々雨
24℃
18℃
明後日
雨のち晴
21℃
18℃
日本気象協会提供 2024年4月29日 4:00発表
※ご利用上の注意

山と周辺の状況

現在の縄文杉コースは、かなりの積雪があります。相当の体力と登山経験のある方以外はお勧めできません。チャレンジされる方には、ルートを熟知しているガイドの同行をお勧めします。

体力も奪われ、やっかいな雪ですが、雪のときにしか見られない風景や、体験できない事象があります。樹上の凍りついた雪が、日に照らされて輝きながら解けていく様子。空気は刺すように冷たいのに、歩くにつれ暑いほどに火照ってくる体。白銀の宮之浦岳の優雅な姿。雪上のヤクシカの足跡に、彼らの行動を推測してみるのも面白いです。南国の雪山、体験するなら今がチャンスです。

登山道の状況

※1/26現在の情報。天候により状況は大きく変化しますので、かならず事前に現地の最新情報を入手して下さい。
■宮之浦岳、花之江河、黒味岳など:相当の積雪あり。現在、荒川三叉路~ヤクスギランド~淀川登山口までの車道が積雪のため通行止めになっており、入山不可能な状態。開通までにはまだしばらくかかる見込みです。

■縄文杉ルート:・ルート上の橋の凍結にご注意ください。荒川登山口より小杉谷付近までは雪はありませんが、小杉谷辺りから足元に雪が見られ、三代杉辺りで15cm、トロッコ道終点のトイレで50~60cm、ウィルソン株で70cmほどの積雪があります。縄文杉付近で積雪は1m以上あり、気温の低い日が続いているので、しばらくこの積雪が消えることはないと思われます。ある程度のトレースがありますが、木道、階段などが雪に埋もれていて踏み抜く恐れがあり、非常に危険なので慎重に歩く必要があります。トロッコ道上の雪は気温の低いときにはカチカチに硬く、気温の高いときにはグズグズに崩れて、
何れにしろ歩きにくく、通常よりも歩行時間がかかる可能性があります。また、大株歩道に入ってから硬く締まった大量の積雪があり、アイゼンが必要になります。傾斜が急ですので、6本爪以上をお勧めします。ワカン、スノーシューは雪が固いため使いにくいでしょう。
かなりの体力、時間を要しますので、しっかりと下調べ、準備をして挑んでいただきたいと思います。

・現在、荒川登山口への登山バスは運休しており、利用できませんのでご注意ください。レンタカー等でのアプローチをお考えの方は、荒川登山口までのルートは積雪、凍結時には通行止めになりますので、事前に情報収集を行ってください。県道の通行規制情報はこちらで確認できます→http://www2.pref.kagoshima.jp/dourokisei/cgi-bin/mapframe.cgi?num=yakushima
 
荒川登山口は駐車スペースが非常に少なく、混雑時は登山口手前に路上駐車をすることになります。スムーズな通行のために、しっかりと道端に寄せて駐車していただきますよう、ご協力をお願いいたします。

http://www1.ocn.ne.jp/~yakukan/tozaninfo/index.htm

登山装備

昨年末からの度重なる大量の降雪で、奥岳(島の高山地帯)は深く雪に閉ざされています。体力、冬山経験のない方の入山はお勧めできません。現在奥岳に入るには、相当な経験と装備が必要です。しっかりと事前の情報収集を行い、雪山の装備、ワカン、アイゼン、ストックなどをご用意ください。アイゼンは6本爪以上が良いです。屋久島の山岳は急傾斜ですので、スノーシューよりワカンの方が使いやすいです。
白谷雲水峡など、比較的低山に行かれる方も、ゴムスパイク、アイゼン、ストックが必要な場合があります。
北西の冷たい季節風が強く吹く日もあり、気温も0℃前後に下がっていますので、しっかりとした防寒対策が必要です。屋久島の雪は水気を含んで重く、崩れやすい雪質です。濡れてしまうと非常に危険ですので、下着、靴下、手袋などは替えを用意しておきましょう。また、靴はかならず防水性のトレッキングシューズをご用意ください。

なお、積雪の後の好天時には、樹上の雪が溶け落ちてきて、雨が降っているような状態になります。晴れているからと油断せず、防水対策をしっかりとお願いします。ビニールガッパ、ポンチョは役に立ちませんので、しっかりとした雨具をご用意ください。

空気がかなり乾燥していますので、水分、塩分補給は意識的に行いましょう。

現在、屋久島の日の出は午前7時15分ごろ、日の入りは午後5時40分ごろとなっていますが、天候の悪い時は日中でもかなり薄暗くなります。事前にコースの下調べを十分に行い、早めの入下山を心がけ、時間的に余裕のある登山計画を立て実行してください。必ずライト類を携帯しましょう。

※屋久島では、登山グッズレンタルショップ、幾つかのホテル、エコツアー会社などで登山グッズのレンタルが可能です。

注意点

屋久島の各避難小屋は、電気、水道、暖房等ありません。小屋内は非常に冷え込みますが、火災の恐れがありますので、小屋内での火の使用は控えて下さい。

利用スペースはコンパクトに収め、騒音など、迷惑行為にご注意ください。利用後は必ず清掃し、利用前よりも美しい状態で、気持ちよく避難小屋を後にしましょう。

また、避難小屋内にはネズミが頻発しています。ザック内にも入りこみますので、食料は丈夫な食器に入れたり、吊るして保管するなど自衛してください。

昨年の今頃の様子は?

先週は低気圧の大雨のため交通規制もありましたが、一昨日昨日は春らしい陽気となりました2023.04.19

縄文杉ルートでサクラツツジが見頃。GWは時間と気持ちに余裕を持って新緑の森を楽しんで下さい2023.04.26

GW中の人気登山道は人多くすれ違いに注意し、行動時間に余裕を持つなど安全登山を心がけて2023.05.03

GWはコロナ前の賑わいを取り戻してきたようです。小屋泊や色とりどりテントで賑わいました2023.05.10

シャクナゲ登山が増える時期。車は現地の表示に従い、駐車禁止区域に駐めないで下さい2023.05.17

屋久島もそろそろ梅雨入りの時期。傘と雨具は必携です。島内の交通機関や道路の最新情報に注意2023.05.24

屋久島ガイド協会周辺の過去の様子

  • 縄文杉ルートのトロッコ道沿いに咲くマムシグサ
  • アオモジ
  • ヒサカキ
  • ヤクシマオナガカエデの新芽
  • ヤクシマオナガカエデの新緑
  • ヤクシマゴケ
  • 隣の種子島宇宙センターから打ち上げられたH3ロケット 屋久島から見えました
  • ヤクシマゴケ
  • 春を告げるサツマイナモリの花
  • 桜とモッチョム岳
  • 冬の苔むす森。森の中は雪の白さで普段より明るく感じます。
  • スギバゴケの仲間

屋久島ガイド協会

電話番号:
0997-49-4191
連絡先住所:
〒891-4207 鹿児島県熊毛郡屋久島町1436-56

地図で見る
http://www.yakushima-guide.com/

施設の詳細を見る

関連する山

鹿児島県 / 大隈諸島 屋久島

宮之浦岳 標高 1,936m

 屋久島のほぼ中央に位置し、九州の最高峰。山体は四万十層の基盤岩に貫入した花崗岩で、山容は女性的である。  屋久島は九州本土最南端の佐多岬から70kmの黒潮洗う中にある。南北25km、東西27km、周囲わずか105kmのハート型をしたこの島には、1500m以上の高峰が11座、1000mを超える山が30座以上もあり、洋上のアルプスである。  海岸線からは、宮之浦岳などの高峰は見ることができないので、奥岳とも呼ばれ、これらを囲む前衛の峰を前岳と呼ぶ。また、宮之浦岳、永田岳、黒味岳を三岳(みたけ)、または御岳と呼び、翁岳、安房岳(あんぼうだけ)、投石岳(なげしだけ)、筑紫岳(ちくしだけ)を含めて八重岳とも呼んでいる。  屋久島の骨格をなす山々の稜線は、宮之浦岳からほぼ四方に延びる。全山花崗岩からなり、山頂近くは風化、浸食された奇岩、怪石が多い。一帯は低いヤクザサに覆われ、矮小化したヤクシマシャクナゲが点在し、花期の6月上旬には登山者の目を楽しませてくれる。  豊富な雨量により渓谷も発達し、山肌を深く浸食しながら島の中央から無数の河川が海に注ぐ。宮之浦岳を源流とする宮之浦川、小揚子川、安房川などは日本有数の峻険な谷である。  山頂西側の花崗岩の割れ目には、彦火火出見尊(ひこほほでみのみこと)を祭る宝珠大権現の社があり、宮之浦にある益枚(やく)神社の奥宮として、古くから島民の岳参り信仰の中心となった。春は日帰りで五穀豊穣、国家安穏、延命息災を祈願し、秋は大願成就のため2泊3日で参詣した。必ず各集落から参拝し、女人禁制で登られていた。  昭和40年代まで安房川中流域小杉谷を中心に、伐採が盛んに行われた。島の南東の安房集落から小杉谷まで軌道が敷かれ、トロッコによって屋久杉を運搬していた。現在では輸送手段がトラックに変わり、島の四周に林道が延び、これを利用した登山コースが多い。  花崗岩の山頂からの展望は抜群。島とは思えない雄大なスケールで、島の山岳はもとより、晴天時には遠く九州本土佐田岬や開聞岳、口永良部(くちのえらぶ)島、種子島も浮かんで見える。  島の中央宮之浦岳への登山道は四方に拓かれ、代表的なコースは、楠川―小杉谷―縄文杉を眺め、宮之浦岳まで約20km、12時間。永田―鹿之沢―永田岳―宮之浦岳は約14km、9時間。他に栗生―花山歩道―鹿之沢。湯泊―湯泊歩道―花之江河(はなのえごう)―宮之浦岳。尾之間―尾之間歩道―花之江河。屋久杉ランド―安房歩道―花之江河などがあるが、一般日帰りコースは、淀川登山口(よどごうとざんぐち)―花之江河―宮之浦岳、約8km、所要5時間などである。山小屋は淀川、石塚、鹿之沢、高塚にある。

ユーザーの登山記録から