西穂高岳 | 西穂山荘

積雪は295cmと今年一番の積雪量です。稜線、樹林帯ともに氷になっている箇所が多くなっています

山荘上部の様子。だいぶ雪が溶けて、ハイマツが顔を出してきました (2012.04.23 西穂山荘 )
山荘上部の様子。だいぶ雪が溶けて、ハイマツが顔を出してきました (2012.04.23 西穂山荘 )
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天気・気温

04/16(月) 晴のち曇り。最低-2.9℃、最高+3.9℃。日の出05:22頃、日没18:25頃、積雪約295cm
松本市の天気予報
明日
雨のち曇
23℃
14℃
明後日
16℃
9℃
日本気象協会提供 2024年4月29日 18:00発表
高山市の天気予報
明日
雨時々曇
21℃
13℃
明後日
16℃
9℃
日本気象協会提供 2024年4月29日 18:00発表
※ご利用上の注意

山と周辺の状況

次第に冷え込みの度合いは弱まり、気温が高くなる日も増えてきました。融雪も一気に進むかと思われましたが、数日前の降雪で積雪は逆に増えています。
冬山の時期はもう終わりですが、時には冬のような厳しい風と寒さに見舞われることもあります。もう春山だと思って安易に考えず、天候には十分注意して下さい。
降雪後は雪崩や張り出した雪庇に注意が必要です。ラッセルに苦労することもありますので、時間にゆとりのある行動計画を立てることが大切です。

ここ数日は日中の気温が高く、溶けて緩んだ雪が朝晩に凍るという状況が繰り返されています。早朝はもちろん、樹林帯の日陰では日中でも雪面が固く凍っていることも多いです。また稜線上の風の吹き付ける場所では氷となっていますので、丸山から上部では確かなピッケル・アイゼンワークが求められます。

丸山のハイマツは何とか雪の下に隠れていますが、ハイマツ以外の樹木は数多く露出しており、例年とはだいぶ様相が異なります。アイゼンの爪で傷つけられたハイマツをよく目にしますので、傷めないよう注意して歩きましょう。

この時期、条件に恵まれれば山荘前で美しい朝焼けを観る事が出来ます。山荘前から見る日の出は丸山の斜面にかかるようになってきました。日の出を楽しまれる方は、丸山まで登られる事をお勧めします。
なお、稜線から太陽が登ってくる時間は、日の出時刻よりも遅くなります。
丸山からは、素晴らしい展望とともに、周辺の山々や雲が紅く染まっていく様を見ることが出来ます。ただし、丸山より上部は風を遮るものがないため、強い寒風にさらされることが多くなりますので、天気が良くても稜線で行動する際は、風や寒さに対する配慮が必要です。

登山道の状況

樹林帯の日陰では日中でも雪面が固く凍っていることも多いです。また稜線上の風の吹き付ける場所では氷となっていますので、丸山から上部では確かなピッケル・アイゼンワークが求められます。

■西穂山荘への登山道
・新穂高ロープウェイ側の登山道は完全に冬用のルートを通ってください。しっかり踏み固められているので、アイゼンを装着してください。降雪直後でなければトレースが期待できる確率が高いです。また、山荘スタッフが赤い布の付いた目印の竹棒を所々に配置しています。一部赤布が少ない場所もありますので、慎重に行動してください。 
・上高地側は通行する方は少ないため、トレースはすぐに消えてしまいます。冬期間にこのルートを利用するのは、限られた方のみになります。現在もトレースはなく、自身でルートファインディングすることが求められます。
・焼岳方面は冬期は非常に迷いやすく登山者はほとんどいません。焼岳小屋から上高地への下山ルートは、5月下旬まで通行止めとなっています。同じく焼岳頂上から中の湯への旧中の湯ルートも通行止めです。下山は新中の湯ルートか、中尾高原へのルートとなります。

■独標~奥穂高方面
※独標手前の岩稜帯から山頂までの間で滑落事故が多発しています!
・独標から山頂側に向かって下る際は、信州側の上部は岩が崩れやすく危険です。夏の登山道は一度飛騨側へ下り、ターンしてから信州側を下りるルートとなっています。通過の際はくれぐれも慎重にお願い致します。ご不明な点は現地スタッフまでお問い合わせください。
・独標付近から先は雪庇が出来つつあります。信州側に伸びる雪庇の踏み抜きに十分注意してください。
・独標より先は上級者向けのコースです。初心者の方は独標山頂より先へは行かないようにお願い致します。ピラミッドピークの先、第7峰の鎖場付近で事故が多発しています。通過の際には慎重に行動してください。
・西穂高岳山頂から奥穂へのルートは日本の縦走路の中でも最も困難なルートのひとつです。これからの時期のチャレンジは慎重に願います。

登山装備

冬の北アルプスでは、あらゆる状況に対応できる装備が必要です。特に防寒・防風対策は重要ですし、予想以上に降雪があり深い雪の中を歩く時はワカンやスノーシューが必需品です。また、寒暖を繰り返すこれからの時期の方が、厳冬期よりも雪面が硬くなることがありますので、山荘までの場合も8本爪以上のアイゼンを用意した方が良いでしょう。
独標、またはそれより先まで登られる方は前爪のあるアイゼンが必要となります。

注意点

西穂高の登山道は雪崩の危険の少ない場所を通るようになっていますが、温かい日のあとに寒い日が来ると雪崩の危険性があります。登山道を外れて歩くと、雪崩の危険性があります。

新穂高ロープウェイは風速15mを超える強風が吹くと運行することができません。冬型が強まると北寄りの風が吹くため、ロープウェイのあたりは影響が出る場合が多くなります。

お知らせ

現地の電話は、直前の予約・キャンセルのみお受けしておりますが、個室および団体予約は、現地電話で受け付けておりません。
ドコモのFOMAは山荘内でも良く繋がるようになりました。稜線でも大抵の場所で繋がります。auは山荘付近・稜線ともに繋がります。ソフトバンクは昨年より山荘西面なら繋がるようになりました。

昨年の今頃の様子は?

新穂高ロープウェイから山荘までのルートを一部変更2023.04.23

融雪は進みましたが、凍結箇所もあるので8本爪以上アイゼンで2023.04.30

GW最終日は雨。5月8日から新穂高ロープウェイが運休です2023.05.07

天気は雪から雨に。山荘周辺の積雪は70㎝ほど2023.05.14

西穂山荘周辺の過去の様子

西穂山荘

電話番号:
連絡先住所:
長野県松本市中央1-11-25 西穂山荘事務所

地図で見る
http://www.nishiho.com/

施設の詳細を見る

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 穂高連峰の南端にあり、さらに南へ続く稜線は焼岳に至る。東側は上高地の谷を隔てて霞沢岳と向かい合い、西側は蒲田川の新穂高温泉を挟んで笠ヶ岳がすばらしい。  標高は3000mを切っているが、岩稜、お花畑、ハイマツと、高山帯の要素がそろっているので、北アルプスの入門コースとして人気がある。  この山から奥穂高岳への岩稜は北アルプスでも最も難しいコースで、初縦走は大正元年(1912)、鵜殿正雄が行っている。同じ年、辻村伊助は『スウイス日記』の中で「神河内ならぬ上高地は不快な所である」とその俗化を嘆いている。とはいえ昭和45年(1970)に新穂高温泉から千石尾根にロープウェイが架かり、登山が容易になった現在の山の賑わいと比べようもあるまい。  昭和42年(1967)には西穂高岳・独標で松本深志高校の生徒11人が落雷遭難を起こしている。低くても登りやすくても、アルプスは危険と紙一重の山なのである。  千石尾根が主稜線に突き上げた森林限界に西穂山荘が建っている。  登山道は上高地から所要6時間30分。新穂高温泉からは、ロープウェイ終点から歩いて西穂山荘、独標経由所要3時間30分。

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