積雪240cm。週末からの降雪で比較的固い雪面上にフカフカの新雪が積もっています。雪崩に注意。
天気・気温
日の出06:55頃、日の入17:16頃。
山頂の天気の閲覧、登山計画の保存などができるようになります。
山と周辺の状況
この週末は非常に荒れた天候となり、火曜日の本日も断続的に雪が降っています。週末からの降雪で、比較的固い雪面の上にフカフカの新雪が降り積もった状態になっています。
さらさらのパウダースノーの上を歩くのは気持ちがよく、転んでも痛くないので、ついついはしゃいでしまいます。しかし、こういった雪面の状態では雪崩の可能性を捨てきれません。山荘付近の登山道でも絶対に無いとは言えませんので、雪のコンディションを見極めながら行動することが重要になります。
山荘前の斜面を利用して雪上訓練をされる方が多いです。熟練された方から初心者の方へと雪山の技術を伝える姿を見ていると改めて厳しい冬山へ挑むための技術習得の重要性、そして心構えも大切な部分であることを教えられます
天候が良い時は、青空に真っ白な雪景色がとても綺麗です。山荘周辺や稜線上では大きく成長したエビのシッポやシュカブラ等、この時期ならではの独創的な雪の造形が楽しめます。
今の時期は山荘前から日の出を見ることが出来ます。
登山道の状況
雪の状況は天気や気温次第で大きく変わります。同じ日においても、気温の低い朝方と、太陽にさらされた日中では雪面の状態はかなり異なりますので、状況に応じて足元の装備も使い分ける必要があります。
・ロープウェイ~山荘間(新穂高ロープウェイ側の登山道)は冬ルートに変わっています。樹林帯の中を歩きルート上には赤い布のついた竹の棒が目印として設置されています。所々立ち木や小枝がルート上に出ている場所もありますので、グループで歩く時は枝の跳ね返りに注意してください。初心者コースとあなどることなく慎重に歩きましょう。
一日で1mも新雪が積もることもあり、降雪後はワカンやスノーシューが必要です。人が大勢歩いたり、好天が続いたりすると、一転して雪面は硬くなりますので、アイゼンが必要となります。
・上高地側は降雪後の入下山者は無いようですので、トレースは期待できません。積雪期は初心者の入下山は困難です。経験者の方でも、かなりハードなラッセルとなることがあります。
・山荘から上部はハイマツ帯となり、風を遮るものがありません。雪面も硬いことが多く、アイゼン・ピッケルは必携です。凍傷や低体温症にならないよう、いくら天気が良くても防寒・防風対策は怠らず、安全な登山をお楽しみください。好天時は雪面からの照り返しが強くサングラスがあるとよいでしょう。
吹雪になると丸山でも方向を失ってしまう可能性がありますので、十分注意してください。雪庇は信州側に伸びています、視界が悪い時は特に注意が必要となります。
・丸山までは岩の出ているところもありますが、凍っている場合がありますのでアイゼンは装着してください。ハイマツが露出している箇所では、アイゼンで踏みつけてハイマツの枝を傷つけることのないよう、注意して歩いてください。
稜線の雪庇は信州側へ大きく張り出している所も見られました。また、雪と岩の境目には氷となっている部分もあります。雪庇上の危険な場所に踏み跡が付いているケースも見られます。トレースをあてにせず、自身で正しいルートを判断できるよう登山技術を磨くことが大切です。時間的な余裕も持って、安全に登山を行ってください。
・丸山から独標までのルートは独標手前までは尾根が広く、滑落の危険は少ないのですが、天候が悪い場合はホワイトアウトの状態となることがあり、道迷いが発生しやすくなります。悪天候時に無理をして行動しないようにしてください。
・独標より先は冬の北アルプスに熟練した方しか登ることはできません。これからの時期は岩と雪と氷がミックスした状況になります。稜線上は雪庇の踏み抜きに注意してください。既にある足跡が必ず安全とは限りません。
・西穂山荘から焼岳小屋までのルートは非常に分かりにくい状態でラッセルが大変です。明瞭な目印は無くこれからの時期に入山する人はほとんどいません。
・西穂~奥穂間の縦走路は夏シーズンでも難しいといわれるルートの一つです。安易に立ち入ることは自身を危険にさらすだけではなく、多くの人に迷惑をかけることにもなりかねません。
登山装備
・山荘から下の樹林帯は、雪の状況によって使用する装備が異なります。新雪が降ったばかりならワカンかスノーシュー、降雪後でトレースが硬ければアイゼンが必要です。雪面状態は毎日変わりますので、どのような状態にも対応できるようご準備ください。また、樹林帯ではピッケルではなくストックを使用します。
・樹林帯を登るときは汗をかきますので、天気が良ければあまり厚着をする必要はありません。しかし、休んでいるときは次第に体が冷えてきますので、冷やしすぎないように注意しましょう。
・山荘から上の稜線へ行く場合は、アイゼンやピッケルが必携です。稜線に出ると風が強く、体感温度は実際の気温よりもかなり低くなります。冬用の帽子や手袋、暖かい衣類等、防寒・防風対策が必要です。長時間行動する場合は、目出し帽等で顔を凍傷から守ることも必要です。
・天気の良い日はゴーグルやサングラス等で紫外線から目を守ることも重要です。
・天候によって気温差があります。晴れれば日中の最高気温はプラスになることもありますが、最低気温は-20℃近くまで下がることもあります。
・山荘内は布団や毛布は完備してあります。寒気が入ると冷え込むこともありますが、基本的には暖かくしてあります。それでも朝晩は気温が下がりますのでフリースやダウン等の防寒着が必要です。
注意点
天気予報を見る場合、このあたりの気象状況に比較的近いのは、岐阜県飛騨地方のものです。
入山時に好天に恵まれても、下山時に荒れた天候となり停滞せざるを得ない状況になることもあります。登山日の前後の天気をよく確認し、どんな状況にも対応できる余裕を持った計画を立ててください。
日の入りの時間が早く、降雪に日没が重なると視界は一気に悪くなり、ルートの判断が困難になります。降雪時は通常よりも早めに行動を終了するよう、時間に余裕を持った行動計画の下に登山を行ってください。
冬山は美しい景色を堪能できる反面、常に危険と隣り合わせであることも忘れてはなりません。入山前に十分な準備をされて、楽しく安全な登山が出来るようにしましょう
車でお越しの場合は、積雪や路面凍結等、雪による道路状況への影響についても注意が必要です。
新穂高ロープウェイは風速15mを超える強風が吹くと運休する場合があります。
お知らせ
西穂山荘は北アルプス南部の山小屋では唯一通年営業しています。現地電話(0263-95-2506)は、外での作業中や電話線が不調の際、現地の電話は通じないときがありますが、無休で営業しております。
宿泊の御予約は松本事務所(電話0263-36-7052 営業は日祭日除く10:00~16:00)で受付ています。個室予約の受付を行っております。部屋数に限りはありますが、ご希望のお客様はどうぞご利用ください。個室の予約は現地では受け付けていません。
冬期間はタンクの水が凍るため、ご宿泊のお客様にも水の提供ができなくなり、ペットボトルの水をお買い求めいただくようになります(500mlペットボトルが300円です)。
レストハウスの食事メニュー(お酒やおつまみ類を除く)の注文は、15:00頃までとなっております。
携帯電話の通話状況 ドコモのFOMAは山荘内でも良く繋がります。稜線でも大抵の場所で繋がります。AUは山荘付近、稜線ともに繋がります。ソフトバンクも山荘西面なら繋がります。
昨年の今頃の様子は?
新穂高ロープウェイから山荘までのルートを一部変更2023.04.23
融雪は進みましたが、凍結箇所もあるので8本爪以上アイゼンで2023.04.30
GW最終日は雨。5月8日から新穂高ロープウェイが運休です2023.05.07
天気は雪から雨に。山荘周辺の積雪は70㎝ほど2023.05.14
西穂山荘周辺の過去の様子
西穂山荘
- 電話番号:
- 連絡先住所:
- 長野県松本市中央1-11-25 西穂山荘事務所