まだ冬山の気持で入山しましょう。大雪渓は落石と小雪渓の滑落注意。稜線ではツクモグサ咲いています。
天気・気温
山と周辺の状況
6/4 今の時季の白馬岳のツートップとでも呼べるものは、
ツクモグサ
ツクモグサ
とライチョウではないでしょうか。
ツクモグサ
ツクモグサ
は、本州ではここ白馬岳と八ヶ岳でしか見れない貴重な花で、山荘付近の高山植物の中ではもっとも早く咲き出す花です。他の高山植物が咲き出すまでの間の彩りを一手に引き受けている感じがして、そういった意味でも貴重な存在です。淡いクリーム色の色合いの花は、まるで宝石のように白馬岳を飾りたててくれます。
そして雷鳥もこの時季の主役といってもいい存在です。ちょうど恋の季節ということでカップルであちこち飛び回っている姿を毎日よく見かけます。山荘の周りにこんなに雷鳥がいたのかと思うほどの目撃率の高さです。今日もグエグエという鳴き声があちこちから聞こえてきていました。
6/5 今日関東甲信・北陸地方が梅雨入りしました。雨の季節のスタートです。天気予報どおり、朝から雨が降ったり止んだりのぐずついた一日となりました。特に午前中は突風が吹き荒れていて、一歩外に出るとよろめいて真っ直ぐ立っていられないほどでした。気温も低く最高気温が4℃くらいまでしか上がらずとても寒い一日でした。この雨と昨日までの晴天(暖かな日々)で融雪が急激に進み、山荘付近の残雪は日に日になくなっています。
6/7 梅雨らしく毎日雨降りです。ほとんどガスっていて、山並みが姿を現すのは一日のうちのほんのわずかな時間だけです。今日はそのわずかな時間をぬって
ツクモグサ
ツクモグサ
の様子を見に行ってみました。昨日は雨風が強くて見に行けませんでしたので2日ぶりになります。雨と強風と寒さが続いたので心配していましたが、その試練を乗り越えて
ツクモグサ
ツクモグサ
はたくましく成長していました。そして以前より花の数が増えていたのでほっとひと安心です。
ウルップソウ
ウルップソウ
も地面から顔を覗かせてきていました。咲き出すのはまだまだ先になりそうですが、これからの成長が楽しみです。
6/8 梅雨真っ只中で雨ばかりの鬱陶しい天気が続いています。霧がかかることが多く周りの景色も見えないので、この数日は山並みの撮影はほとんど諦めていました。ところが夕方は急激に霧が晴れてきて、杓子・白馬鑓、剣・立山連峰、旭岳などの山並みがすっきりと姿を現しました。
6/9 今朝もなんとか天気はもっていてヘリコプターによる荷上げが行われています。今朝の天候は曇りで朝7時の気温は7℃でした。
6/11 本日高曇りです。10時になっても気温7℃と寒いです。
登山道の状況
この時期、視界が悪い時には無理は禁物です。まだ雪山と思って入山して下さい。
●大雪渓
・白馬尻から大雪渓
稜線まで、ずっと雪渓です。まだ割れ目などもなくまっすぐ上がってこられます。マークなどはありません。
落石が増えています。これから梅雨時にかけてさらに落石が増えてきますので、十分注意!してください。
・大雪渓の左右両端の2号・3号雪渓などの枝雪渓からの落石や杓子側の山肌からの落石は目立ってきています。
・葱っ平から小雪渓にかけて
雪の急登になります。天候により雪がグサグサに腐ることもあれば、カチカチに氷化することもあります。雨の後などアイスバーンになっている時がありますので、特に下りで滑落に十分注意して下さい。傾斜が急な小雪渓はまだステップが切られていませんので、通行には細心の注意を払って下さい。
例年梅雨時の滑落事故はこの場所で起きるケースがよくあり、この時期には細心の注意を払って通行しましょう。
なお小雪渓のステップは近日切り出す予定です。
●稜線 日当たりのよいところでは、地面が出てきたところもあります。村営山荘と白馬館の間は地面が出ています。
●栂池方面
・栂池パノラマウェイ(ゴンドラ、ロープウエイ)の運行(5/31~11/3)。運行の詳細はこちら http://www.nsd-hakuba.jp/green/tsugaike/panoramaway.html
・ロングルートです。途中の白馬大池山荘はまだ営業していません。
・自然園~天狗原 自力でルートファインディングとなります。視界不良時は特に注意して下さい。
・白馬大池はまだ雪の下で湖面は出ていませんが、湖面の上をショートカットすることはそろそろ危ないと思います。
・白馬大池から稜線への上がり口がわかりにくかったという登山者がありました。見極めが肝心です。
・白馬山荘から栂池に行く場合は、三国境の馬の背と白馬乗鞍の斜面での滑落に注意。
・登り同様下りでも天狗原から自然園の間は視界不良になると、この時期は大変迷いやすくので充分に注意して下さい。
●白馬山荘から白馬鑓温泉方面
ほとんど雪面で登山道目印などはありません。自力でのルートファインティングになります。白馬鑓温泉はまだ営業していません。
鑓温泉が営業開始するまでは、個人での通行は大変困難です。
※貞逸祭のツアーでは、ガイド同行のもとこのルートを利用していますが、あくまでガイド同行であることを留意下さい。
登山装備
装備の基本は雪山で。
足元の雪と梅雨の雨に対応できる装備が必要です。8本爪以上のアイゼン+ピッケル必携。防寒装備もしっかりと。
注意点
梅雨入りし、天候が不安定な時期です。入山は充分な装備と力量を備え、経験者との同行をオススメします。
大雪渓、栂池どちらのコースでも視界の悪い時には正しいルートを見つけることが困難です。
早出早着の原則を守り、入山時間はなるべく朝早くとし、ゆとりある行動時間を持ちましょう。もし途中でルート不明瞭となった時、危険を感じた時には早めに決断し無理せず下山の決断をしましょう。
お知らせ
●2014年度、系列山小屋開設期間
白馬山荘 4月26日(土)~10月18日(土)
五竜山荘 4月26日(土)~5月6日(火)/6月21日(土)~10月18日(土)
白馬大池山荘 6月28日(土)~10月12日(日)
白馬鑓温泉小屋 7月15日(火)~9月30日(火)
白馬尻小屋 7月12日(土)~9月30日(火)
キレット小屋 6月28日(土)~9月30日(火)
栂池ヒュッテ 4月26日(土)~5月5日(月)/5月31日(土)~10月25日(土)
昨年の今頃の様子は?
2023年の営業は4/29から(宿泊要予約)。入山には前爪のあるアイゼンやピッケルなど雪山登山装備必要2023.04.25
大雪渓は融雪早目。踏み抜き、落石に注意。前爪のあるアイゼンやピッケルなど雪山登山装備必要2023.05.11
大雪渓は踏み抜き、落石に注意。急傾斜あり前爪のあるアイゼンやピッケルなど雪山登山装備必要2023.05.19
雪に対応できる装備必要。大雪渓上部からは降雪することもあります。視界不良時の入山は慎重に2023.05.24
白馬山荘周辺の過去の様子
白馬山荘
- 電話番号:
- 0261-72-2002
- 連絡先住所:
- 長野県北安曇郡白馬村北城6307-ロ 白馬館