尾瀬ヶ原ではニッコウキスゲが何輪か咲きはじめました。今は紫の花のカキツバタとヒオウギアヤメが見頃です
天気・気温
山と周辺の状況
尾瀬ヶ原は初夏を迎え、花の彩を楽しめる季節となりました。夏の尾瀬を代表する花の
ニッコウキスゲ
ゼンテイカ
は、尾瀬ヶ原全体に何輪か咲いているのを確認できます。シカによる食害が心配されていますが、今のところ目立った食害はないようです。現在は、バナナの様なつぼみをつけて、いつ咲こうかと控えています。見頃は7月中旬です。
また、紫の花はカキツバタと
ヒオウギアヤメ
ヒオウギアヤメ
で、今見頃を迎えています。カキツバタと
ヒオウギアヤメ
ヒオウギアヤメ
は、よく似ていますが、カキツバタは1本の茎に1つの花を咲かせ、花びらには1本の白い筋が入るのに対し、
ヒオウギアヤメ
ヒオウギアヤメ
は1本の茎に複数の花をつけ、花びらには扇のような模様があります。
ほか、トキソウ、ハナニガナ、ツルコケモモ、池塘にはオゼ
コウホネ
コウホネ
などを見ることができます。
また、今の時期、湿原の中の草についている泡状のものについてよく質問されます。これは「アワフキムシ」という昆虫の幼虫の住処です。体から余った水を出して、空気を送りこみ、泡を作ります。この泡状の住処のおかげで体の乾燥を防ぎ、天敵からも身を守ることができるといわれています。
泡をよく見ると、中心付近に薄黄色く見えるのが幼虫です。1~2ヶ月間、泡の中で過ごし成虫になると外で暮らします。
また、最近、ちらほら湿原で羽化しているトンボを見つけます。尾瀬のトンボと言えば、日本一小さなハッチョウトンボを思い浮かべる方もいるかもしれません。ハッチョウトンボの観察時期は7月~8月上旬ですので、尾瀬に来られたらぜひ探してみてください。体長はわずか2㎝程です。
登山道の状況
山ノ鼻地区~鳩待峠間、および尾瀬ヶ原周辺は、問題なく通行できます。雨の多い季節は、木道が滑りやすくなっていますのでご注意ください。
三条の滝方面は、ここ数日の雨でいつも以上にぬかるみがあり、岩や根の上など、とても滑りやすくなっています。ただ、雨のおかげで滝の水量は多く、圧巻の景色となっています。
八木沢新道は橋が破損したため、通行止めとなっております。現在、復旧の目途は立っておりません。開通に際しての情報は改めてお知らせいたします。
至仏山や7/1より登山可能となっています。なお、山ノ鼻から至仏山山頂までの東面登山道は上り専用で、下りでの使用は禁止されています。植生を守るためのルールに御協力ください。
また、7月中旬くらいまで一部雪渓が残ります。しっかりとした登山靴、なれない人は軽アイゼンが必要です。なお、雪渓を避けて登山道を外れないようにしてください。
7/6には笠ヶ岳まで巡回に行き、植生保全のために笠ヶ岳の柵立て作業を行いました。登山道沿いでは、
シナノキンバイ
シナノキンバイソウ
、
シラネアオイ
シラネアオイ
など、尾瀬ヶ原では終了している花を見ることが出来ました。
登山装備
尾瀬は高山です。山頂付近や雨天時は体感気温が低くなります。防寒着と雨具を必ずお持ちください。
昨年の今頃の様子は?
5月16日に山ノ鼻ビジターセンターは開所。ミズバショウが咲き始めています2023.05.17
尾瀬周辺では、たくさんの白いミズバショウが咲いています。ワタスゲの花は少しずつ綿毛が出てきています。2023.05.31
山の鼻ビジターセンター周辺の過去の様子
山の鼻ビジターセンター
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