西穂高岳 | 西穂山荘

今週末は、気温上昇と悪天候による雪崩発生、雪庇崩壊の恐れあり。低体温症による遭難事故が発生する典型的な天気が予想されるため、慎重な行動を。

一度に大量の積雪がありましたので、表層雪崩にはご注意ください。(2016.02.17 西穂山荘 )
一度に大量の積雪がありましたので、表層雪崩にはご注意ください。(2016.02.17 西穂山荘 )
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天気・気温

02/12(金) くもり 最低気温-7.0℃ 最高気温-2.5℃ 風はやや強め
山荘付近の積雪 200cm程度
松本市の天気予報
明日
雨のち曇
23℃
14℃
明後日
16℃
9℃
日本気象協会提供 2024年4月29日 18:00発表
高山市の天気予報
明日
雨時々曇
21℃
13℃
明後日
16℃
9℃
日本気象協会提供 2024年4月29日 18:00発表
※ご利用上の注意

山と周辺の状況

今日は朝からくもりがちで、風も少し強めです。
この週末は気温が急上昇し、南西方向から強い風が吹きますので、十分な警戒が必要です。
おそらく西穂高岳山頂付近は雨またはみぞれ、奥穂高岳では湿った雪となるでしょう。

雨による雪崩、雪庇の崩壊、河川の増水といった危険があるほか、強風による転倒、転落、滑落、テントの倒壊なども予想されますので、無理な行動は避けましょう。
このような天気は、低体温症による遭難事故が発生する典型的なパターンですので、このことをしっかり念頭に置き、行動してください。

なお、最近日が落ちてから山荘に到着する方が増えています。夕方になり日が落ちてくると、気温も下がっていきますので、余裕のある行動計画を立ててください。遅くとも16時には山荘到着を。

登山道の状況

■新穂高ロープウェイ~西穂山荘
ロープウェイ~西穂山荘間は雪上を歩きます。特に危険な箇所はありませんが、湿った雪が木の枝に大量に乗っています。かなり固く、重くなっているものがありますので、樹木からの落雪に注意してください。

■西穂高山荘~丸山
丸山までは、竹の棒に赤布を付けた目印を付けてあります。
特に危険な場所はありませんが、悪天時にはホワイトアウトに注意が必要です。
風が強いので、防寒・防風対策をお願いします。通常はアイゼンを着用します。

■丸山~西穂独標
最初は夏道を歩きますが、その後は尾根上を直登します。独標の核心部は、よく圧雪されたステップができています。
独標手前の広い尾根までは、天気が良ければ快適に登れますが、悪天時はホワイトアウトによる道迷いが発生しますのでご注意ください。西穂独標の100mほど手前で広い尾根は終わり、岩場を横切るルートととなります。このあたりからは信州側に雪庇が発達していきますので、ルートを慎重に見極めることが重要です。独標への最後の斜面は距離は短いですが十分注意が必要です。雪面の状態を良く確認して行動しましょう。

■西穂独標~西穂高岳山頂
独標から山頂方面への下りは、基本的にアイゼンはよく効きましたが、部分的に雪面がゆるいところもあり、足を置いた場所がずれることがあります。
ピラミッドピーク手前の雪壁のようになるところは、登りはアイゼンが効き、ステップもあるので慎重に行けば問題ありませんが、下りでは斜度が急で足元がみにくくなります。登りの時とはまったく違う雰囲気になりますので、ご注意ください。
ピラミッドピークの頂上は、風下となる信州側に雪が吹き溜まり、せり出していますので、休憩時は信州側に行き過ぎないように注意してください。
ところどころ雪庇もあるので、踏抜きに注意してください。

独標~西穂山頂まではやせ尾根が続く上級者向けのコースです。積雪期は更に難しく、相応の経験・技術・体力が必要になります。経験の浅い方は安易に立ち入らないようにしましょう。この時期は、積雪の状況によって難易度がガラッと変わります。過去に登った経験があっても、その時よりはるかに厳しいルート状況になっている可能性もあります。ご自身の技量や経験を鑑み、無理をせず安全な登山をお願いします。

■上高地方面
登山道にも積雪があります。年末年始を除いてはあまりトレースは期待できません。中間の中尾根に倒木があります。複数の木が折れて重なり、浮いている状況ですので、下をくぐって通行できますが、危険なため速やかに通り抜けてください。

■山荘~焼岳
冬の間は殆ど歩く人がいません。明確な目印もありませんので、土地勘のない方は立ち入らないでください。なお、今シーズンの焼岳小屋の営業は終了しています。また、焼岳小屋~上高地間は、ハシゴが撤去されたたため通行できません。

■西穂~奥穂間
無雪期でももっとも難しいと言われるルートのひとつです。相応の経験・技術・体力・準備がある方以外は立ち入らないでください。落石・浮石に注意です。この時期は、積雪や早朝に岩が凍っている事が予想されていきます。滑り易く危険な状況では無理をせず安全な登山をお願いします。

登山装備

北アルプスでは、一晩で50cm以上の積雪があることも珍しくありません。油断することなく、降雪が予想される場合はワカンやスノーシューをお持ちください。
突然、厳しい気象条件になることがありますので、防寒・防風に対する装備は充分に、冬山装備でお越しください。

注意点

●【お知らせ】岐阜県では、登山届の提出が義務化されています。
山岳遭難防止条例> http://www.pref.gifu.lg.jp/bosai-bohan/sangaku/jourei.html

・ネットでの届出が便利です。下記のサイトをご利用ください。
岐阜県北アルプス山岳遭難対策協議会のオンライン届出ページ
http://www.kitaalpsgifu.jp/climbing.html
公益社団法人日本山岳ガイド協会のオンライン届出ページ
http://www.mt-compass.com/

●登山の注意
・徐々に日の入りの時間が遅くなってきました。しかし夏に比べるとまだまだ早いです。早め早めの行動を意識し、山荘にもあまり遅くならないように到着してください。
・多量の降雪直後や、日中の気温が上がったときは雪崩にも警戒が必要です。山荘で管理しているルート上ではまずないと思われますが、自然が相手ですので絶対はありません。人為的に発生させてしまう場合もありますので、不用意にルートを外れて歩かないようにしてください。

●携帯電話情報
【ドコモ、au】 山荘付近・稜線ともに繋がります。
【ソフトバンク】 山荘西面なら繋がります。
山荘自家発電時、携帯電話、スマートフォンの充電ができます(20分間100円)。充電の際はご自身の充電アダプターをご用意ください。

お知らせ

西穂山荘は北アルプス南部の山小屋では唯一通年営業しています。
・寝具は布団・毛布・枕を御用意していますので、シュラフは不要です。
・山荘に御宿泊のお客様も飲料水はペットボトルの販売のみとなります。
・消灯は21時です。
・お風呂はありません。

●山荘現地へのお問い合わせ
山荘現地へのお問い合わせは 携帯電話080-6996-2455 へおかけ下さい。
なお、ご予約は松本事務所 電話0263-36-7052 へお願い致します。

昨年の今頃の様子は?

新穂高ロープウェイから山荘までのルートを一部変更2023.04.23

融雪は進みましたが、凍結箇所もあるので8本爪以上アイゼンで2023.04.30

GW最終日は雨。5月8日から新穂高ロープウェイが運休です2023.05.07

天気は雪から雨に。山荘周辺の積雪は70㎝ほど2023.05.14

西穂山荘周辺の過去の様子

西穂山荘

電話番号:
連絡先住所:
長野県松本市中央1-11-25 西穂山荘事務所

地図で見る
http://www.nishiho.com/

施設の詳細を見る

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