槍ヶ岳 | 槍ヶ岳山荘

登山道の融雪は早く、夏道になった所もありますが、雪渓が残る所は固く軽アイゼンがあると安心。お花も進んでいます。

日の出前の朝焼けウォッチング 高瀬側にたな引く朝靄と針ノ木岳岳上空の朝焼けのピンクと剣岳・立山の勇姿が見えました。撮影 大天井ヒュッテスタッフ(2016.08.01 槍ヶ岳山荘 )
日の出前の朝焼けウォッチング 高瀬側にたな引く朝靄と針ノ木岳岳上空の朝焼けのピンクと剣岳・立山の勇姿が見えました。撮影 大天井ヒュッテスタッフ(2016.08.01 槍ヶ岳山荘 )
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天気・気温

07/06(水) ガスと強風の1日
松本市の天気予報
明日
晴一時雨
20℃
8℃
明後日
25℃
6℃
日本気象協会提供 2024年5月1日 10:00発表
高山市の天気予報
明日
曇のち晴
21℃
8℃
明後日
曇のち晴
26℃
8℃
日本気象協会提供 2024年5月1日 10:00発表
※ご利用上の注意

山と周辺の状況

7/1は好天でしたが
7/3は二日前の晴天が夢だったかのように朝から雨模様。濃霧で視界がかなり狭まり、さらに風速20メートル程の風が吹き、小屋内にいても轟音が聞こえました。
このような日は晴天の日以上に細心の注意を払い登山をなさって下さい。ご自身の体はご自身でお守り下さい。
7/5になり朝のうちはまだ風の音が館内にも響いていたけれど、まる2日間続いた暴風雨がようやくひと段落。
この二晩は西風を受けやすい従業員部屋では震度1~2くらいの揺れが続いて夜中に何度も目を覚ましたほどでした。
夕方に「雷警報」が鳴りました。バタバタと雷対策をするのは夏のよう。季節がせめぎあって不安定な空模様が続いている中で、夏らしさを感じる機会が確実に増えてきています。
7/6はガスと強風の1日でした
梅雨後半特有の激しい雨がひとしきり降ったあとには、いよいよ夏がやってきます。

●お花や自然の状況
高山植物が次々と開花し、歩いていても小さな花を見つけてほっこりできる、そんな季節の到来です
槍ヶ岳山荘のテント場で クロユリ クロユリ が開花しました。

双六~西鎌尾根 早い雪解けに誘われるように花も一斉に咲き始めています。
ハクサンイチゲ ハクサンイチゲ の群生がもう開花していました。

先日、中岳で雷鳥のつがいに出逢いました。夏の繁忙期が終わって今度来るときには、ぜひヒナの顔も見せて欲しいです。

大天井ヒュッテ周辺では、 コマクサ コマクサ の群落が開き始めています。
喜作新道では ミヤマキンバイ ミヤマキンバイ 、イワウメ、イワヒゲなどが咲いていました。

登山道の状況

入山者がまだ少ない時期です。
槍沢、飛騨沢ともにすっかり雪は少なくなっています。とは言え、十分な装備でお越しください。

●槍沢ルート登山道情報。
・坊主の岩小屋手前に、雪渓約20m
・坊主の岩小屋あたりに、雪渓約10m
・坊主の岩小屋少し先に、雪渓約40m
・殺生の分岐手前に、雪渓約10m
・坊主の岩小屋少し先の約40mのところが少し急なので、不安な方は軽アイゼンとストックをお持ち下さい

●槍の穂先 夏のシーズンに向けて穂先の浮石等の登山道整備を行いました。

●槍ヶ岳~南岳間の登山道情報
冬の装備は必要ありません。
中岳の東面に雪渓が残っていますが、雪渓を巻くように夏道が露出しています。

●銀座縦走路(燕岳から切通しまで)の登山情報
・登山道は既に沢山の登山者が通行しており残雪はありませんので、問題なく通行出来ます。
ピッケル、アイゼンの携行は必要ありません
・ルート上の浮石の掃除と土砂で塞がれた登山道の復旧作業をしました。
登山道上の浮石や歩きにくい箇所は解決しましたが、ここは落石の頻繁に起きる場所でもあります。通行時には登山道の上部にも注意を払って行動してください。

・喜作レリーフのある切通しを過ぎ、少し登ると槍ヶ岳方面と常念岳方面への分岐が現れます。この分岐を右の方向に進み、大天井岳を大きく巻く喜作新道へと進んで下さい。
・ここからヒュッテまでは殆どのガイドブックのコースタイムは40分と明記されていますが、お客様の話から、中房温泉から合戦尾根を登ってからの縦走にて疲れた身体でのタイムは1時間以上と考えた方が良いでしょう。
・大きな大天井岳を1/3回り込むこのトラバース道は何か所もの尾根を弱点を縫って進む、変化に富んだコースとなっており怖い箇所も幾つか出て来ます。槍ヶ岳の近づくのを眺めながらの絶景トラバース道です。
・牛首展望台が目の前に現れたら大天井ヒュッテはもうすぐ。 コマクサ コマクサ 畑が現れたら真下に大天井ヒュッテが見えます。

●西鎌尾根の登山道情報
・例年より残雪は少ないですが、まだまだ雪渓上を歩く箇所があります。
登山道はまだ雪の下のところもあります。
・一ヶ所、急な斜面に残った雪渓をトラバースする箇所は双六小屋のスタッフが雪切りして下さいました。
硬く残った残雪の上を歩くのに慣れている方は雪の装備がなくても問題ない程度ですが、慣れていない・自信のない方は軽アイゼンの携行をお勧めします
・例年、この時期の一番の難所になる千丈乗越から少し双六側に進んだ急斜面に残る雪渓は融け、登山道が完全に露出していました。
・近年まれに見る雪解けの速さで、想像していたよりずっと雪渓上の通過に関するリスクは少ない印象でした。
しかし、早い雪解けの影響なのか5mほど登山道が崩落してザレた砂礫の急斜面をトラバースする箇所や、登山道上の浮石が昨年よりも目立つ印象を受けました。
まとまった雨の後で地面が緩んでいる時などは、残雪の処理よりも注意が必要かと思われます。

●飛騨沢の登山道情報
今年は雪解けの早いです。若干、登山道上に残雪がありますが、ほぼ夏道になっている感じです。
槍平小屋は夏の営業を開始しています。

登山装備

3000m級の夏山登山装備が基本です。
夏山といえども、標高が高く朝晩はホールに暖房が入る気温です。防寒装備必携。稜線で風が吹けば夏でも低体温症になることもあります。
また梅雨明けしておらず靴や装備の防水もしっかりとお願いします。
晴れると日差しが強いので、紫外線対策。また熱中症にも注意して下さい。
標高の低いところでは、ブヨやアブが出ています。防虫対策もしておいた方が安心です。

注意点

天気をよくみて、装備に油断のないように。
16時までに小屋に到着するようにしましょう。

お知らせ

槍岳山荘
http://www.yarigatake.co.jp/
今シーズンの営業は2016年4月27日(水)~11月2日(水)です。

●近隣の系列の小屋の営業
大天井ヒュッテ、南岳山荘 7/1より営業開始
槍沢ロッジはすでに営業開始しております。

昨年の今頃の様子は?

営業4/27~(宿泊要予約)。予約受付中。4/27からの営業に向けて作業中です2023.04.21

営業スタート。本日は富士山まで見える快晴。昨日までの降雪と強風のため雪質に注意2023.04.27

昨日降雪(みぞれ)。槍ヶ岳へは前爪アイゼン+ピッケルが必須(チェーンスパイク、軽アイゼンは危険)2023.05.09

昨日降雪。雪山装備が基本。前爪アイゼン+ピッケル必須(チェーンスパイクや軽アイゼンは危険)2023.05.16

昨日降雪。雪山装備が基本。前爪アイゼン+ピッケル必須(チェーンスパイクや軽アイゼンは危険)2023.05.24

融雪進んでいますが、まだ前爪のあるアイゼン+ピッケル必要です。天気の変化が激しい時期です。2023.06.01

槍ヶ岳山荘周辺の過去の様子

  • 朝日が垣間見えました。10時ごろまでは青空もみえておりましたが、昼前からは再び雲に覆われた天気となりました。
  • 稜線から槍沢の様子
  • 槍沢から槍ヶ岳を見上げて(小屋明け前の偵察に行きました)
  • 槍沢から槍ヶ岳を見上げて(小屋明け前の偵察に行きました)
  • 横尾から槍沢ロッヂまでは一部地面が出ているところがありますが、ほぼ雪の上を歩きます。(小屋明け前の偵察に行きました)
  • 槍沢ロッヂ(小屋明け前の偵察に行きました。まだ営業していません)
  • スタッフ全員無事に下山しました!あらためまして2023年、槍ヶ岳山荘をご利用いただきありがとうございました。
  • 夕日に染まる槍ヶ岳
  • 完全に雪山となりました。凍結する登山道の様子
  • 山荘前から槍ヶ岳 完全雪山です
  • 小屋の目の前で20㎝程度、吹き溜まりでは50㎝を超えるほどの積雪があります。
  • ババ平から撮影。槍沢方面で今1番綺麗な場所(標高2000mくらい)

槍ヶ岳山荘

現地連絡先:
090-2641-1911
電話番号:
0263-35-7200
連絡先住所:
長野県松本市埋橋1-7-2

地図で見る
http://www.yarigatake.co.jp/

施設の詳細を見る

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 鋭角に天を突く岩峰でそのものずばりの命名、しかも北アルプス南部の登山道が集中する位置のよさ。槍ヶ岳は北アルプス南部の鎮である。  行政区分からいえば長野県の大町市、松本市と岐阜県高山市との境にそびえている山である。地理的条件も実に絶妙な場所といえる。  南から穂高連峰の縦走路、東から常念山脈や燕岳からの表銀座コース、谷筋では上高地から梓川、槍沢を遡っていく登山道、新穂高温泉から蒲田川右俣、飛騨沢を登るコースと、北アルプス南部のすべてのコースが槍ヶ岳に集中し、中央部へは西鎌尾根が唯一の回廊となって双六岳に通じる、北アルプス南部の扇の要である。  しかも鋭い槍の穂先のような姿は、日本の氷河地形の典型でもある。地質は硬いひん岩で、氷河が削り残した氷食尖峰。東西南北の鎌尾根も氷食地形、槍沢、飛騨沢、天上沢、千丈沢はU字谷とカールという、日本の氷河地形のサンプルぞろいである。  登山史上で初めて登頂したのは江戸時代の文政11年(1828)の播隆上人。4回登って3体の仏像を安置し、鉄鎖を懸けて信者の安全な登拝を可能にした。登路は安曇野の小倉村から鍋冠山を越えて大滝山へ登り、梓川に下って槍沢をつめている。今も残る槍沢の「坊主ノ岩小屋」は播隆が修業した籠り堂だ。  近代登山史の初登頂は明治11年(1879)の英人W・ガウランド。1891年には英人W・ウエストンも登っている。日本人では1902年の小島鳥水と岡野金次郎。穂高・槍の縦走は1909年の鵜殿正雄で、ここに槍ヶ岳の黎明が始まった。大正11年(1922)には3月に、慶応の槙有恒パーティによる積雪期の初登攀があり、同年7月7日には早稲田と学習院が北鎌尾根への初登攀に挑んでいる。早稲田は案内人なしの2人パーティで、槍ヶ岳頂上から独標往復。学習院は名案内人小林喜作とともに末端からと、方式も違う登攀でともに成功した。  その後も北鎌尾根ではドラマチックな登攀が行われ、昭和11年(1936)1月には、不世出の単独行者、加藤文太郎の遭難、昭和24年(1949)1月の松濤明、有元克己の壮絶な遭難が起きている。加藤の遺著『単独行』と松濤の手記『風雪のビヴァーク』は登山者必読の書である。  登山道で直接登るコースは、上高地から槍沢コース経由で槍ヶ岳(9時間30分)と、新穂高温泉から飛騨沢コース(8時間40分)の2本。ほかに穂高連峰からの縦走コース(7時間30分)、燕岳からの表銀座コース(8時間40分)、双六小屋から西鎌尾根コース(6時間)と数多い。

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