槍に至る道の融雪は早目。お花の開花も早く、稜線ではミヤマオダマキも咲き始めました。心配な方はアイゼンの携行を。
天気・気温
山と周辺の状況
昨日、一昨日と好天でした。
本日は午後3時ころまでは良好な天気となりましたが、それからはガスと雨が少々。
今朝は南岳からはオーロラのようなきれいな雲かみられました。空一面、赤く染まり、穂高もほんのり赤くなりました。
●お花や自然の状況
・槍沢ルート
花が沢山咲いていました。槍沢ロッジ近くには、
ゴゼンタチバナ
ゴゼンタチバナ
や
ニッコウキスゲ
ゼンテイカ
。大曲がりから上には、
ハクサンフウロ
ハクサンフウロ
や
ミヤマキンポウゲ
ミヤマキンポウゲ
など。稜線では、ミ
ヤマオダマキ
ヤマオダマキ
も、咲きだしています。
・南岳山荘
ライチョウにかわいいヒナたちが生まれました! 今日南岳新道の雪切りに向かうと南沢もかわいいヒナが沢山いました。
南岳周辺で確認しているだけでも4家族!5羽から6羽のヒナを連れたライチョウがいます。
また雪解けの早い南沢は、お花畑が早くも見頃になり、
ハクサンイチゲ
ハクサンイチゲ
と
シナノキンバイ
シナノキンバイソウ
等がきれいに咲き誇っています。
天狗池上部にある水たまり(偽天狗池?)は風も穏やかで逆さ槍がとてもきれいでした。
本物の天狗池(本物)の状態は、やはりまだ雪の中です。ただし、例年よりはずいぶんと残雪量が少なく、7月後半には姿を見せてくれそうです。
・銀座縦走路
高山植物の開花が早いのはご報告の通りですが、実は例年になく目につく花があります。
それが「ハクサン
シャクナゲ
シャクナゲ
」です。もちろん例年咲きますが驚くのはその多さです。赤岩岳までの登山道脇で際立って咲いています。まだまだ蕾の花も多くこれからもしっかり楽しむ事が出来そうです。
チングルマ
チングルマ
の花が現在咲き乱れています。今なら花と胞子両方楽しめます。
登山道の状況
入山者がまだ少ない時期です。
槍沢、飛騨沢ともにすっかり雪は少なくなっています。とは言え、十分な装備でお越しください。
●槍沢ルート登山道情報。
・雪渓あり少し急なので、不安な方は軽アイゼンとストックをお持ち下さい
●槍の穂先 夏のシーズンに向けて穂先の浮石等の登山道整備を行いました。
●槍ヶ岳~南岳間の登山道情報
冬の装備は必要ありません。
天狗原入口の雪渓は何か所かある残雪で唯一急斜面のトラバース部分ですが、雪切り作業をおこないましたので、不安無く通行出来ると思います。残りの残雪自体も少なく2週間ほどでほぼ無くなりそうです。
これで南岳に通ずる登山道はすべてアイゼン等の装備無しに通行できるようになりました!
南岳新道に残る雪渓箇所も、雪切り作業を行いました。こちらの残雪も7月後半には無くなりそうです。
●銀座縦走路(燕岳から切通しまで)の登山情報
・登山道は既に沢山の登山者が通行しており残雪はありませんので、問題なく通行出来ます。
ピッケル、アイゼンの携行は必要ありません
・ルート上の浮石の掃除と土砂で塞がれた登山道の復旧作業をしました。
登山道上の浮石や歩きにくい箇所は解決しましたが、ここは落石の頻繁に起きる場所でもあります。通行時には登山道の上部にも注意を払って行動してください。
・喜作レリーフのある切通しを過ぎ、少し登ると槍ヶ岳方面と常念岳方面への分岐が現れます。この分岐を右の方向に進み、大天井岳を大きく巻く喜作新道へと進んで下さい。
・ここからヒュッテまでは殆どのガイドブックのコースタイムは40分と明記されていますが、お客様の話から、中房温泉から合戦尾根を登ってからの縦走にて疲れた身体でのタイムは1時間以上と考えた方が良いでしょう。
・大きな大天井岳を1/3回り込むこのトラバース道は何か所もの尾根を弱点を縫って進む、変化に富んだコースとなっており怖い箇所も幾つか出て来ます。槍ヶ岳の近づくのを眺めながらの絶景トラバース道です。
・牛首展望台が目の前に現れたら大天井ヒュッテはもうすぐ。
コマクサ
コマクサ
畑が現れたら真下に大天井ヒュッテが見えます。
今シーズンは登山道が崩落や崩壊が多く、大天井岳周辺でも例年になく沢山の場所で修復作業をしなくてはならない状況下です。通行事態に影響はない程度ですので危険という訳ではないので徐々に手を入れているところです。
尚、各山小屋には、「登山道整備募金箱」(上部写真右)が設置されております。見かけましたら皆さんのご協力を是非お願いいたします。
●西鎌尾根の登山道情報
・例年より残雪は少ないですが、まだまだ雪渓上を歩く箇所があります。
登山道はまだ雪の下のところもあります。
・一ヶ所、急な斜面に残った雪渓をトラバースする箇所は双六小屋のスタッフが雪切りして下さいました。
硬く残った残雪の上を歩くのに慣れている方は雪の装備がなくても問題ない程度ですが、慣れていない・自信のない方は軽アイゼンの携行をお勧めします
・例年、この時期の一番の難所になる千丈乗越から少し双六側に進んだ急斜面に残る雪渓は融け、登山道が完全に露出していました。
・近年まれに見る雪解けの速さで、想像していたよりずっと雪渓上の通過に関するリスクは少ない印象でした。
しかし、早い雪解けの影響なのか5mほど登山道が崩落してザレた砂礫の急斜面をトラバースする箇所や、登山道上の浮石が昨年よりも目立つ印象を受けました。
まとまった雨の後で地面が緩んでいる時などは、残雪の処理よりも注意が必要かと思われます。
●飛騨沢の登山道情報
今年は雪解けの早いです。若干、登山道上に残雪がありますが、ほぼ夏道になっている感じです。
槍平小屋は夏の営業を開始しています。
登山装備
3000m級の夏山登山装備が基本です。
夏山といえども、標高が高く朝晩はホールに暖房が入る気温です。防寒装備必携。稜線で風が吹けば夏でも低体温症になることもあります。
また梅雨明けしておらず靴や装備の防水もしっかりとお願いします。
晴れると日差しが強いので、紫外線対策。また熱中症にも注意して下さい。
標高の低いところでは、ブヨやアブが出ています。防虫対策もしておいた方が安心です。
注意点
天気をよくみて、装備に油断のないように。
16時までに小屋に到着するようにしましょう。
お知らせ
槍岳山荘
http://www.yarigatake.co.jp/
今シーズンの営業は2016年4月27日(水)~11月2日(水)です。
海の日三連休は人出が予想されます。
●近隣の系列の小屋の営業
大天井ヒュッテ、南岳山荘 7/1より営業開始
槍沢ロッジはすでに営業開始しております。
昨年の今頃の様子は?
営業4/27~(宿泊要予約)。予約受付中。4/27からの営業に向けて作業中です2023.04.21
営業スタート。本日は富士山まで見える快晴。昨日までの降雪と強風のため雪質に注意2023.04.27
昨日降雪(みぞれ)。槍ヶ岳へは前爪アイゼン+ピッケルが必須(チェーンスパイク、軽アイゼンは危険)2023.05.09
昨日降雪。雪山装備が基本。前爪アイゼン+ピッケル必須(チェーンスパイクや軽アイゼンは危険)2023.05.16
昨日降雪。雪山装備が基本。前爪アイゼン+ピッケル必須(チェーンスパイクや軽アイゼンは危険)2023.05.24
融雪進んでいますが、まだ前爪のあるアイゼン+ピッケル必要です。天気の変化が激しい時期です。2023.06.01
槍ヶ岳山荘周辺の過去の様子
槍ヶ岳山荘
- 現地連絡先:
- 090-2641-1911
- 電話番号:
- 0263-35-7200
- 連絡先住所:
- 長野県松本市埋橋1-7-2