大雨が続いて、水量の多い尾瀬ヶ原周辺です。至仏山は、山の鼻・鳩待峠、どちらからのルートも残雪多く、アイゼン必須。
天気・気温
山と周辺の状況
台風接近時は、尾瀬にも大雨警報が発令され、河川が増水しました。尾瀬ヶ原を流れる上ノ大堀川も水量がかなり増しました。
雨が多いこの時期は。この時期だからこそ見られる生き物がたくさん現れます。カタツムリの仲間。チャイロヒダリマキマイマイや、ダイセンヤマナメクジなどです。ちなみに、ダイセンヤマナメクジは、なんと!17cm位あります。
湿原にかかる蜘蛛の巣に、水滴がついてキレイに見えるも今の時期です。
また、尾瀬ヶ原の池塘付近では時々白い泡が見られます。これはモリアオガエルの卵(卵塊)です。通常モリアオガエルは梅雨頃になると、止水域(流れがない水辺)周辺の樹上などにこの泡状の卵を産むのですが、ここ尾瀬ヶ原の池塘の周りには木がありません。そのため、池塘の水際に卵を産み付けることが多いようです。
先日、たまたまその産卵模様を見ることができました。通常、産卵は夜に行われることが多いのですが、本日の朝は雨が降っていたので、その影響からか午前中に見ることができました。
繁殖期以外はなかなか姿を見ることは難しいですが、カラララ、コロロロっといった声で池塘付近で鳴いているので、是非探して見て下さい。
現在、湿原では
レンゲツツジ
レンゲツツジ
の赤い彩りがきれいです。また、カキツバタや
ヒオウギアヤメ
ヒオウギアヤメ
も咲き始め、
ニッコウキスゲ
ゼンテイカ
は蕾がふくらんでいるものが多く見られます(もう咲いているものもあります)。
登山道の状況
鳩待峠から山の鼻までは、とくに問題なく歩けます。
尾瀬ヶ原は木道でのスリップに注意してください。
長沢新道~アヤメ平~鳩待峠間は残雪はもう消えました。雨がこのところ降り続いていたので、長沢道の林内は大変ぬかるみが多く木道上は滑りやすい状況でした。アヤメ平では、
イワカガミ
イワカガミ
や
タテヤマリンドウ
タテヤマリンドウ
、
ワタスゲ
ワタスゲ
がきれいでした。
三条ノ滝方面は、林内ではぬかるみに注意が必要です。このところの雨で水量が増え、普段にも増して迫力ある風景が楽しめます。
至仏山は7/1より登山可能となっています。今年は残雪が多く、山ノ鼻~至仏山・鳩待峠~至仏山どちらにも多く残雪があります。現時点では山頂直下に特に多くの雪が残っています。アイゼン必須です。
見通しがきかない時には、ルートからはずれてしまう可能性があります。ピンクテープの、表示を見逃さないようにしてください。
一方、雪の融けた部分からは、いろいろなお花が咲きはじめています。ジョウシュウアズマギク、クモイイカリソウ、オゼソウ、ハクサン
シャクナゲ
シャクナゲ
、タカネシオガマ、
ユキワリソウ
ユキワリソウ
などを見ることが出来ました。
登山装備
至仏山に登る場合は、しばらくはアイゼンが必須です。
注意点
シカの植生被害度を調査するための柵を設置をしました。近年、尾瀬ではシカの問題が起こっています。シカがミズバショウを荒らしたり、ミツガシワの根、ニッコウキスゲの新芽や蕾等を食べます。
花が咲く前に食べられてしまうと言うことは、種(子孫)を残せなくなるので、次の年には数が減少してしまいます。
シカ柵設置作業への、ご理解ご協力を、お願いいたします。
昨年の今頃の様子は?
5月16日に山ノ鼻ビジターセンターは開所。ミズバショウが咲き始めています2023.05.17
尾瀬周辺では、たくさんの白いミズバショウが咲いています。ワタスゲの花は少しずつ綿毛が出てきています。2023.05.31
尾瀬ヶ原では、ミズバショウは、ほぼ終了しました。湿原は少しずつ緑色になってきました。2023.06.07
山の鼻ビジターセンター周辺の過去の様子
山の鼻ビジターセンター
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