秋の気配が漂い始めている尾瀬ヶ原です。今は、多くの蝶が尾瀬の中を舞っています
天気・気温
山と周辺の状況
夏らしい天気となる日もありますが、天気が崩れる日も多い尾瀬です。晴れても、秋の気配が漂い始めています。
今、尾瀬界隈で多く見られる花は
ソバナ
ソバナ
とヒメシャジンです。両方ともキキョウの仲間で花の形と色が似ていることから、よく間違われることがあります。
ソバナ
ソバナ
の花は薄い紫色で、花の先が下向きに広がった釣鐘型をしています。特徴は、葉っぱが卵形や広披針形でギザギザ(鋸歯)があり、互い違いに生えて(互生)います。尾瀬では森林内や、拠水林の付近に咲いていることが多いです。
ヒメシャジンの花も
ソバナ
ソバナ
によく似ていて、紫色で花の先が下向きに広がった釣鐘型をしています。
ソバナ
ソバナ
との大きな違いは、葉っぱが細長く、ギザギザはありません。亜高山帯や高山帯の砂礫地や岩場に生育し、尾瀬では至仏山で見られることが多いです。
花は動かないので、観察しやすい生き物です。ぜひとも、それぞれの特徴を観察して、その違いを楽しんでください。
動く生き物も、今の時期はたくさん観察できます。今日は尾瀬で見かける蝶を紹介します。ベニヒカゲは、至仏山の森林限界より上で多く飛んでる姿を見ることができます。黒っぽい羽の端にオレンジ色の模様がある蝶です。
至仏山山頂付近では、キアゲハを見かけました。正面から見るとなかなか愛嬌のある顔をしています。
カラスアゲハは、カラスという名前からは真っ黒な姿を想像しがちですが、羽を広げた様子はまるで夜の空で宝石が花火のように砕け散る様を連想させる美しいグラデーションをしています。
尾瀬は花の宝庫であると同時に、多くの昆虫の住処でもあります。
登山道の状況
鳩待峠から山の鼻までは、とくに問題なく歩けます。尾瀬ヶ原では木道でのスリップに注意してください。
至仏山は7/1より登山可能となっています。夏の緑がより鮮やかに見える時期です。雨に濡れた蛇紋岩の至仏山は大変滑りやすくなります。しっかりとした装備を身につけて慎重に登ってください。
登山装備
熱中症対策をしっかり行ってください。晴れた日は必ず、帽子をかぶってください。
注意点
ミズバショウの実が熟してきているので、クマが食べに来ているようです。 最近クマの目撃情報が増えてきているので、ミズバショウが群生している場所などを通る際は注意して通行してください。
尾瀬はツキノワグマの生息地なので、クマ鈴をつけるなどのクマ対策をして、もしクマに出会っても、写真を撮ったり大声を上げるなどの刺激を与えないようにしてください。
出会ってしまったら、背中を向けたり、走ったりせずに、目を合わせないようにゆっくり後ずさりして立ち去ってください。
シカの植生被害度を調査するための柵を設置をしました。近年、尾瀬ではシカの問題が起こっています。シカがミズバショウを荒らしたり、ミツガシワの根、ニッコウキスゲの新芽や蕾等を食べます。
花が咲く前に食べられてしまうと言うことは、種(子孫)を残せなくなるので、次の年には数が減少してしまいます。
シカ柵設置作業への、ご理解ご協力を、お願いいたします。
昨年の今頃の様子は?
5月16日に山ノ鼻ビジターセンターは開所。ミズバショウが咲き始めています2023.05.17
尾瀬周辺では、たくさんの白いミズバショウが咲いています。ワタスゲの花は少しずつ綿毛が出てきています。2023.05.31
尾瀬ヶ原では、ミズバショウは、ほぼ終了しました。湿原は少しずつ緑色になってきました。2023.06.07
山の鼻ビジターセンター周辺の過去の様子
山の鼻ビジターセンター
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