紅葉のピークを迎える晩秋の鎌倉。北鎌倉駅から六国見山・散在ヶ池をめぐる
11月下旬~12月中旬にかけて、紅葉の見頃を迎える鎌倉周辺の山。人気観光地とあって、休日の人出が気になる方も多いと思うが、早朝ハイキングなら人も少なくて快適。今回は、電車を降りてすぐに歩き出せて紅葉名所が楽しめる、六国見山から散在ヶ池をめぐるコースを紹介しよう。
写真・文=久田一樹
JR北鎌倉駅の裏山ともいえる六国見山(ろっこくけんざん/147m)は、モミジやツツジの紅葉が楽しめるお手軽ハイキングコースとして人気がある。今回はその六国見山に登って住宅街を抜け、散在ガ池森林公園までをつなぐ。鎌倉の王道ハイクコースではないものの、のんびりと歩ける穴場コースである。小社刊行の書籍『新版 湘南ハイク』で紹介している同コースの順路とは逆になるが、早朝スタートの場合、北鎌倉駅起点がおすすめだ。
朝7時前の北鎌倉駅はひと気もほとんどなく、ひんやりとした空気が心地よい。スタートしてからは散在ガ池公園の管理事務所までトイレがないのでしっかりと済ませておこう。北鎌倉駅すぐの円覚寺を通り過ぎて線路沿いを進み、左折して明月院方面へ。
明月院はアジサイの名所として知られるが、秋はモミジやイチョウの紅葉スポットとしても有名。紅葉シーズンには本堂後庭園も一般公開される。早朝のため明月院はまだ開いていないので、門前を見学して先へ進む。住宅が立つ坂道を進み、左に折れて六国見山登山口方面へ。左折する場所には案内板などがないので注意して進もう。そのまま坂道を上りきり、突き当たりを左に曲がると六国見山の登山口。木製の小さな案内板が目印だ。
ここも人気の紅葉スポットだ
低い位置にあるので見落とし注意!
登山道に入ると、すぐそばに住宅街があるとは思えないうっそうとした雰囲気となり、木漏れ日が心地よい。取材時点では紅葉はまだこれからというタイミングだったが、色づきはじめたモミジを愛でながらの山歩きは気持ちがいい。
緩やかだが、倒木がある所も
ふと出現する横浜方面の展望ポイントで小休止しながら進む。登山口から20分ほど歩くと、左手に稚児の墓が現れ、ほどなく六国見山展望広場に到着。展望台からは由比ヶ浜や鎌倉の町並み、富士山が一望できた。
展望広場から反時計回りに進み、六国見山の南口に下りて左手に進み、畑の真ん中の道へ。そこから先はまた登山道となり、最初の登山口に合流する。登山口から住宅街に出たら、散在ガ池森林公園方面へと向かう。住宅街に入ると方向感覚がとりづらくなるので、現在地を確認しながら進もう。
スポットライトのよう
六国見山から30分強で、散在ガ池森林公園に到着。公園南口から園内に入ると、すぐに「馬の背コース」(起伏あり)と「のんびり小径」(平坦)の分岐が出てくるので、お好きな方へ。どちらの道も、池の先で合流する。散在ヶ池は別名「鎌倉湖」とも呼ばれる、かつての水田用の池の跡。住宅街の公園内にひっそりと存在する秘境のようでもあり、ヤマザクラの鑑賞スポットとして「かながわ花の名所100選」にも選ばれている。
自然の起伏を楽しめる
紅葉の見頃は12月上旬頃
取材当日は、池のほとりの道のモミジが色づき始めたばかりだったが、12月上旬の紅葉ピーク最盛期には、さらに鮮やかな赤色が池の周囲に広がり、より見応えある景色になるだろう。帰路は公園北口を出て5分ほどの今泉不動バス停から大船駅へ、バスで約20分の道のりだ。
*本記事掲載の写真は2022年11月下旬撮影。
モデルコース:北鎌倉駅~六国見山~散在ガ池森林公園
コースタイム:約2時間40分
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