コイワザクラ咲く岩稜を踏破し、冨士の絶景が待つ山頂へ。毛無山から十二ヶ岳のスリルある縦走路を楽しむ

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富士山の北側に西湖をへだてて連なる御坂山地のなかでも、険しい岩尾根が連なる十二ヶ岳周辺の縦走路。5月は、岩壁に可憐な花を咲かせるコイワザクラが咲き、晴れれば雄大な富士山を目の当たりにすることができる絶好の季節です。

写真・文=奥谷 晶

まずは標高1500mの毛無山へ登ります。ゆったりした登山道で、毛無山山頂につくと富士山がお出迎え。眼下に西湖が一望できます。

毛無山山頂からは富士山が一望できる

 

ここから一ヶ岳から順に十二ヶ岳まで連続して登り下りが続きます。四ヶ岳、五ヶ岳からはロープがつけられた岩場が出てきますが、本格的な急な岩場の登りは十ヶ岳から十一ヶ岳への登りです。十一ヶ岳から吊り橋まで急な下りです。

十一ヶ岳からの長い下りの岩場、太いロープが設置されている

 

長いロープがついている場所は足下は浮き石が多数で不安定なので、先行者が下りきるまで待った方が無難です。

途中の崖には点々とコイワザクラが咲いているのが見られます。セルフビレイをとっての写真撮影になりました。

十一ヶ岳付近の岩壁には点々とコイワザクラの群生が見られる

 

慎重にロープを握って下りきると、そこに吊り橋が出てきます。一人ずつ渡るように指示があります。

十一ヶ岳と十二ヶ岳の鞍部の吊り橋に緊張をしいられる

 

吊り橋を渡るとすぐに岩場のの急登がはじまり、ようやく十二ヶ岳頂上に至ります。

この日は黄砂のためか富士山もやや霞んでいましたが、西湖をへだてて、雲になびく白い頂を誇る冨士山の表情を充分に楽しむことができました。

西湖をへだてて雄大な姿を見せる冨士山

 

 

MAP

十二ヶ岳地図

コースタイム:約4時間10分 

⇒十二ヶ岳周辺の地図を
ヤマタイムで確認する

プロフィール

奥谷晶

30代から40代にかけてアルパイン中心の社会人山岳会で本格的登山を学び、山と溪谷社などの山岳ガイドブックの装丁や地図製作にたずさわるとともに、しばらく遠ざかっていた本格的登山を60代から再開。青春時代に残した課題、剱岳源次郎尾根登攀・長治郎谷下降など広い分野で主にソロでの登山活動を続けている。2013年から2019年、週刊ヤマケイの表紙写真などを担当。2019年日本山岳写真協会公募展入選。現在、日本山岳写真協会会員。

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