山菜採りのシーズン。入山前・入山中は安全対策の徹底を 島崎三歩の「山岳通信」 第399号

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長野県内で起きた山岳遭難事例について配信している「島崎三歩の山岳通信」。第399号では、山菜採り中の遭難について言及。安易な気持ちで入山せず、安全対策の徹底した行動を促している。


6月19日に配信された『島崎三歩の「山岳通信」』第399号では、期間中に起きた3件の山岳遭難事例について説明。以下に抜粋・掲載する。

  • 6月12日(木)、八ヶ岳連峰の八柱山で、6人パーティで入山した74歳の女性が、登山中に疲労により行動不能となった。

  • 6月12日(木)、北信・高山村の笠ヶ岳で、山菜採りのため2人パーティで入山した76歳の女性が、道に迷い滑落、負傷した。

  • 6月12日(木)、東信・上田市の独鈷山で、単独で入山した71歳の男性が、下山中に道に迷い、行動不能となった。

 

長野県警山岳安全対策課からのワンポイントアドバイス

先週、長野県内では、3件の山岳遭難が発生し、うち1件は山菜採り遭難でした。

長野県内では、例年この時期、山菜採り中に、道迷いや滑落・転倒による遭難が後を絶ちません。先週に発生した山菜採りの遭難は、親族と2人で入山、夢中になりすぎて、別行動となったあと、道に迷ったために沢筋を下っていったところ、滑落し、行動不能となってしまったものです。
山菜採りは整備されていない山に入るため、一般的な登山よりも多くのリスクが伴います。山菜採り遭難のほとんどが、「何度も入って慣れた場所だから」とか、「すぐに戻ってくるから」といった安易な気持ちで入山した結果、遭難しています。

入山前および入山中には以下の4つを徹底しましょう。

  • ①入山場所と予定を家族や知人に伝える
  • ②複数人で入山し、声や目の届く範囲で行動する
  • ③急斜面には入らない、深入りしない
  • ④熊対策を行う(鈴やラジオなど)

また、必要最低限の装備として、携帯電話、雨具、ヘッドライト、飲み物、非常食は必ず携行して入山しましょう。 

 

長野県山岳遭難防止対策協会からのお知らせ

白馬大雪渓(猿倉登山口)につながる県道の通行規制について

県道白馬岳線(猿倉登山口~二股ゲート)は、白馬館ヘリポート(猿倉登山口の手前、車両転回場)と二股ゲートとの間の車両の通行規制が解除されました。この区間は、タクシーや路線バスなどの車両に限って通行できます。一般車両の通行はできません。
ただし、この区間における歩行者の徒歩による通行は可能です。現在、県道の復旧工事が行われていますが、全面復旧の見通しはたっていません。 詳細は、関係機関のウェブサイトでご確認ください。 
 ⇒白馬村ホームページ
 ⇒大町建設事務所
 ⇒(株)白馬館 

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プロフィール

島崎三歩の「山岳通信」

信州の山岳遭難現場と全国の登山者をつなぐために発行。「登山用品店舗スタッフ」「登山情報サイトを利用する登山者」「長野県内の各地区山岳遭難防止対策協会」などに対して、長野県の山岳地域で発生した遭難事例を原則・1週間ごとに、「安全登山」のための情報提供をしている。

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島崎三歩の「山岳通信」

長野県では、県内の山岳地域で発生した遭難事例をお伝えする「島崎三歩の山岳通信」を週刊で配信。その内容をダイジェストで紹介する。

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