行程・コース
この登山記録の行程
【1日目】
徳沢(05:26)・・・横尾(06:25)・・・一ノ俣(07:20)・・・槍沢ロッヂ(08:02)・・・ババ平(08:30)[休憩 23分]・・・水俣乗越分岐(09:20)・・・水俣乗越(10:45)[休憩 6分]・・・ヒュッテ西岳(12:15)
【2日目】
ヒュッテ西岳(06:38)・・・大天井ヒュッテ(09:07)[休憩 72分]・・・大天荘(11:12)
【3日目】
大天荘(06:00)・・・大天井岳(06:12)・・・大天荘(06:26)・・・切通岩・・・大下りの頭(08:22)・・・燕山荘(09:16)[休憩 17分]・・・合戦小屋(10:16)[休憩 5分]・・・第2ベンチ(11:19)・・・中房・燕岳登山口(12:07)
高低図
標準タイム比較グラフ
登山記録
行動記録・感想・メモ
北アルプスのテント場でまだ泊まっていない所を渡り歩く今回の計画。槍ヶ岳山荘のテント場も予定していたが、天気予報と体調から1日目は上高地散策にとどめ、徳沢キャンプ場で過ごした。
西岳を目指して横尾山荘、槍沢ロッヂと順調に過ぎババ平キャンプ場で小休止。水1Lを補給してザックを担ぐと。それ以上に重くなったように感じる。これから水俣乗越への急登が待っているのだ。ところで水俣乗越はミナマタと呼ばれることが多いが、本当はミズマタであったらしい。ことの経緯が槍ヶ岳山荘グループのブログに書かれている。
大曲りの道標から水俣乗越へと九十九折れの急坂が続く。ここは特に登りで道迷い遭難が続発したらしく、電話予約の際ヒュッテ西岳からも注意喚起がなされた。何度か沢を横切る(水はなかった)登山道は、南斜面なので陽射しが厳しい。朝早いうちに登ってしまうのがベストだろう。ようやく稜線の乗越に到達、ザックを降ろしたものの虫が多くて休憩もそこそこに歩き出す。ここからは東鎌尾根、ハシゴ・クサリが連続する喜作新道である。槍ヶ岳へ向かう稜線ルートのうち、これまでに南と西を歩いた。一般ルートではない北鎌尾根を別にすれば、東鎌尾根がいちばん難易度が高いと感じる。昼近くなると雲が沸き起こり眺望はなくなったが、少し風も出て涼しくなったので助かる。眼下に槍沢を見下ろしながらおっかない痩せ尾根を通過し、一旦大きく下っては登り返して西岳ヒュッテに到着した。西岳の鞍部に立つ小屋から2~3分、小山の山頂部がテント場。眼前に穂高・槍ヶ岳がそびえる絶景の立地だが風雨を遮るものはなく、平坦なサイトも片手で数えられるほど。辺りはすでに雲の中で晴れそうにない。明朝に期待して常念岳が望める一段低い場所にテントを設営した。
翌朝は西岳山頂からご来光とモルゲン槍穂を堪能し、ゆっくりと出発。きょうはいちばん楽ちんな行程なのだ。午前中は天気も良く、東鎌尾根、北鎌尾根、裏銀座の山々を眺めながら悠々の稜線歩き。この区間で晴れていてくれたのは幸せだった。空身で牛首展望台へ往復、大天井ヒュッテでビーフカレーをいただく。ここは9:30からランチ営業をしてくれていてありがたい。お腹が満たされると動くのがしんどくなる。大天荘までの登りのきつかったこと。きょうもガスが湧き上って来て、テント場に着く頃にはすっかり陽が陰ってしまった。風も出て来てテントに籠る。コーヒーを入れて持参の菓子をつまみ、ごろごろしながら過ごすのがソロテントのだいご味。元々ここは風が強く吹き抜ける地形らしく、悪天候で身の危険を感じる場合は小屋に避難してください、とのこと(※)。結局ガスと強風は朝になっても晴れず、霧雨の中での撤収。砂を噛んでフライのジッパーを傷めてしまった。
もう5年前になるのか燕岳から常念岳、蝶ヶ岳へと縦走したのとは逆向きに歩いて行く。あの時はよい天気だったが、きょうは逆にがまんの歩きとなるのか。ところが標高2700メートルあたりを境に風は収まり、視界も開けてきた。だが燕山荘まで来ても燕岳は雲の中。5年前に登頂しているので今回は諦めて、中房温泉へと下山の途に就いた。
(※)荒天の場合どこの小屋でも避難できるわけではない。テント泊者は入館禁止とされている所もあり、ケースバイケースである。自分で対処するのが基本である。