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祝瓶山(長井・祝瓶山荘)2017

祝瓶山( 東北)

パーティ: 1人 (ブナ太郎 さん )

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行程・コース

天候

朝方は晴れていたが、10時以降はガスに巻かれた

登山口へのアクセス

マイカー
その他: 木地山ダムへの道路は一応舗装してあるが、曲がりくねっているだけでなく、対向車とすれ違うことができない。崖から落ちればアウトの道は、なかなか厳しい。さらにその先の林道も一部荒れていて、慎重な走行が求められる。初心者は避けた方が無難かもしれない。

この登山記録の行程

祝瓶山荘(07:16)・・・桑住平(08:06)[休憩 5分]・・・[途中休憩・写真撮影3回計20分]・・・祝瓶山(11:07)[休憩 33分]・・・赤鼻(12:47)[休憩 5分]・・・桑住平(13:40)・・・祝瓶山荘(14:21)

コース

総距離
約9.2km
累積標高差
上り約1,053m
下り約1,053m

高低図

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登山記録

行動記録・感想・メモ

 祝瓶山は存在感のある山である。大朝日岳の山頂から見る切り立ったピークは、登高意欲を刺激する。バックに飯豊連峰が連なり、立ち姿が素晴らしい。これまで一度、紅葉の時期に登ったので、今回は二度目である。晴れの予報と思ったが、長井市に入る手前で濃い霧が立ちこめてきた。厳しい山行になりそうな予感がする。

 木地山ダムへの道は二度目だが、道幅が狭く、曲がりくねっているため、運転には神経を使う。暗いうちには走行しない方がよいと思わせるような道をどんどん走っていく。ダムの湖面の向こうに祝瓶山が姿を現す。どうやら天気は何とかもちそうな気配である。
 舗装道路から林道に入り、かなり荒れた道を進んで、7時前に祝瓶山荘の駐車場に車を止めた。すでに十台以上が止めてある。山荘の近くにも駐車スペースがあり、そこにも数台止まっていた。山荘には風力発電の風車が備えてある。

 7時16分に出発する。今日は多くの登山者が祝瓶山を目指している。杉林の中を歩いて吊り橋に出る。この吊り橋には数人しか乗れないようで、結構揺れる。慎重に渡って対岸に着き、ここからブナとミズナラの森に入って行く。左手に一瞬祝瓶山を見て、広い林道を進む。開放感のあるブナとミズナラの混交林が素晴らしい。
 いったん下って沢に出る。そこから登り返して太古の森のような雰囲気の巨木地帯に入る。ミズナラとブナの林の林床にはシダが繁茂していて、その下には岩がゴロゴロしている。岩の間の倒木は苔むしている。荘厳な空気が流れていて、思わず深呼吸をした。

 太古の森を出て、祝瓶山の姿が正面に見えると、今度は沢を渡る。湿地帯を見ながら行くと、8時6分に桑住平に着いた。この分岐点は左に進んで沢を渡る。水量があり、足を置く石も滑るため、慎重に行くが、最後に滑って手をついてしまった。
 沢の先にはブナの大木に囲まれた広場がある。ここでキャンプができそうだ。ブナの巨木を抜け、小さな沢を二回渡ってブナの森に入る。ここから急な登りが始まる。右手には祝瓶山、振り返ると大玉山が見える。青空が広がり、天気が回復してきた。

 この辺りのブナは木肌が美しい。つづら折りの道には光が溢れ、急登の辛さを忘れさせる。時折、祝瓶山が右手に顔を覗かせる。急峻な岩壁が空に突き上がっている。汗を縛られる登りをしばらくしのぐと、やせ尾根に飛び出す。木地山ダムが遠くに見える。やせ尾根は、ところどころ左側が崩れていて、慎重に通過せねばならない。手を使って登る箇所もある。やがて右側も開け、大玉山が見えるようになる。目の前には祝瓶山が行く手を塞ぐように立ち上がっている。山頂はまだまだ遠い。

 やせ尾根の歩きは爽快で、錦に染まった登山道をじっくり登る。ただし、切り立った稜線上を行くコースなので、下を見ると足がすくむ箇所がいくつもある。右手の大玉山が大きくなり、その背後には大朝日岳が鎮座しているはずなのだが、朝日連峰方面はガスで覆われている。振り返ると、祝瓶山荘が遠くに見える。歩いてきた道のりの長さを実感する。

 山頂はなかなか近づかない。途中、オオカメノキの見事な紅葉があり、祝瓶山をバックにいい写真が撮れた。左手にはコカクナラ沢源流部の険しい山ひだが見える。やせた稜線はしばらく続き、祝瓶山の岩稜部が大きくなってくると、山頂部は隠れ、この辺りから草着きの岩稜地帯をトラバースして、小国側に進む。草着きの道は荒れていて、岩を確かめるようにつかんで山頂を目指す。ロープをつかみ、岩を乗り越えると、山頂へのゆるやかな道に出て、数十秒で山頂に着いた。11時6分。3時間半ほどの行程であるが、一気の直登はかなりハードだ。
 山頂には十数人が休んでいて、その一角に腰を下ろす。周囲はガスで何も見えない。晴れていれば、朝日連峰、飯豊連峰の大観を目の当たりにできるのだが、このガスではそれも期待できない。軽く食事をして、コーヒーを飲み、地図を確認してから下山する。

 山頂直下の下りは滑りやすく、木の根がうるさい。ここを下るとガスが薄くなって、色鮮やかな鈴振尾根が一瞬、そのあでやかさを見せてくれた。下って分岐点を右に折れ、ここからはやせた尾根道をずっと下る。正面に見えるはずの大玉山もガスに巻かれている。振り返っても祝瓶山の姿を見ることはできない。
 黙々と下っていると、ガスが薄くなって、標高1000mから下は視界が開けてきた。尾根の紅葉もくっきりとしてきて、大玉山の姿も分かるようになった。右手前方に見えるのは、平岩山だろうか。そこからさらに右に視線を向けると、木地山ダムが見え、さらに右には祝瓶山の峻険な裾野が広がる。

 赤鼻へは二度の登り返しがある。一瞬、道を間違ったかと思ったが、ブナの矮小林の登り返しを耐えて、赤鼻に飛び出した。ここを右に折れ、あとは急な下りをどんどん行く。ザレ場が何カ所もあり、ロープや鎖をつかんで下り、ようやくブナの林が見えるようになる。周囲には樹木がなく、不思議に思って見回すと、この一帯で樹木の倒壊があったようだ。右手には、山頂部がガスに隠れた祝瓶山が見える。

 ブナの森に入り、歩きやすい道を下って沢を越え、シダの群生した道を歩いて桑住平を過ぎる。ここからは太古の森、沢筋の道、吊り橋と、朝に歩いて来た道を戻るだけだ。ガスは相変わらずで、祝瓶山の山頂はすっかり隠れてしまったが、ブナとミズナラの大木地帯を歩くのは気持ちがよい。
 祝瓶山荘には14時21分に到着した。大半の登山者は、まだ戻っていないようで、駐車場には十数台の車が、朝と同じように止まっていた。

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登った山

祝瓶山

祝瓶山

1,417m

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