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勘違いからの遭難一歩手前(鳥屋戸尾根⇒笙ノ岩山⇒蕎麦粒山⇒川乗林道経由下山)

笙ノ岩山、蕎麦粒山( 関東)

パーティ: 1人 (Noob Scouter さん )

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行程・コース

天候

晴れ

登山口へのアクセス

バス
その他: 奥多摩駅から東日原行きのバスに乗り、川乗橋バス停で下車します。
林道をしばらく歩き、道が東向きから北へカーブするところに小さく蕎麦粒山と標識が出ています。

この登山記録の行程

06:27 奥多摩駅
06:40 川乗橋バス停
06:45 蕎麦粒山登山口
08:45 笙ノ岩山(しょうのいわやま)
10:05 踊平巻き道・一杯水分岐
12:00 蕎麦粒山(休憩40分)
13:00 道迷い
15:00 笙ノ岩山(しょうのいわやま)戻る
18:00 登山道入口
19:04 川乗橋バス乗車
19:20 奥多摩駅

コース

総距離
約11.2km
累積標高差
上り約1,239m
下り約1,213m

高低図

GPX ダウンロード KML ダウンロード

登山記録

行動記録・感想・メモ

(2018/05/26 大幅加筆修正)
当日のビデオです(迷っていない部分だけは撮影していたので、その分のみの映像です)
https://www.youtube.com/watch?v=age-hbZ4hNk&t=242s

タイトルの通り、初歩的な勘違いから遭難一歩手前の状況になってしまいました。鳥屋戸尾根から蕎麦粒山まで登ったのはいいんですが、そのあと踊り平方面への巻道から東へ向かう途中、行く手を遮るように南下する尾根が現れます。そして、南へとその尾根を降りていった先で勘違いをしてしまいました。

その尾根、後日調べてみたところ離岩尾根という名前がついているようで、下りて行くとある時点でブツリと途切れています。
そして何かの作業現場のような道に合流しました。これも後日調べてみたところ、川乗林道の終点でした。これまで川乗林道を一度も歩いたことがなく、初めて見た時はただ異様な光景として目に映りました。

ルート自体は、全く間違っていませんでした。前後の行程を言葉で説明すると
【尾根を下りると『舗装路に出て、それを辿って』百尋の滝傍まで出る】
となるのですが、上記の『 』の部分が疲れの為か、頭から抜け落ちてしまい
【尾根を下りると百尋の滝傍まで出る】
という勘違いをしてしまっていました。
なので、
「滝が近くにない!間違ったところに出てしまった!それと目の前のこの道はいったい何?!?!」
とパニックになってしまいました。

持参した地図には、前日に正しいルートを自分でちゃんと書き込んでいました。なのでその時点では正しく認識できていたようです。しかし勘違いをしているという自覚がなかったので、
『地図は間違っていない、しかしルートを間違えた。よって自分がどこにいるか分からないからいま地図を開いても意味がない』
と考えていたような気がします。しかし前段のような変な思い込みがさらなる勘違いを生み、めちゃくちゃな行動に走ってしまいました。

「南下に使う尾根を間違えたのか?!手前か、それとももっと奥の尾根を下りた?!とにかく西から来たんだから、西の方に行かなくちゃ!」

そうして、正規ルートである東ではなく、逆の西側へと作業道にどんどんと入り込んでいくハメに――
この時、スマートフォンのグーグルマップが起動せず、それが不安に拍車をかけ、とにかくコンパスで西へと歩きました。モノレールの発着点があり、その先の沢を渡渉したあとはほぼ高度を変えずに等高線をなぞるような歩き方をしました。
その際、「助けてください!」と叫ぶこと10数回、ダメ元で110番にかけてみること5回(冷静に考えれば迷惑極まりない話ですね、、、)いずれも効果なしでした。グーグルマップも何度かマップの読み込みを試みますが効果なしでした。
むなしい結果に終わるたびに、自分の置かれた状況を突き付けられるようで、絶望感をくりかえし味わいました。遠目に樹が集まっているところを見ては「標識だ!」と何度も錯覚し、それも絶望感を助長しました。
途中、谷を下りて行きたい欲求が何度も胸の奥から突き上げてきました。しかしそれこそ最悪の選択だと必死に理性で押さえつけ、一向に状況が好転する見込みもなかったので、右手に見えていた尾根に思い切って上がることにしました。
しかし相変わらず、叫ぶも手ごたえなし。この時点で遭難、死が意識されました(身近な人のことが頭に浮かんで、申し訳なさで泣きそうになりました)。そうして稜線上でへたり込んでいると、スマートフォンのグーグルマップが起動して、おかげで現在地を大まかに把握することが出来ました。これを頼りに歩くと、幸運にも笙ノ岩山に出ることが出来、助かったことを確信しました。
自分の場所が分かったことで、改めて地図を取出し、コンパスを併用しながら降りていきました。途中で2人の人に追い越されましたが、他者の存在を感じられた安心感がありました。足の疲労が半端なく、ゆっくり降りつつ、お昼に食べられなかった食料を無理矢理お腹に詰めながら歩きました。
18時、無事登山口→川乗橋バス停まで戻ることが出来ました。待合をしていた別グループの方から、ミネラルウォーターを分けて頂けて、ありがたさが身に沁みました。
奥多摩駅近くに停めていたマイカーで自宅に帰る途中、いま生きているという事実に、何とも言えない感覚になりました。

今回、大元である勘違いの原因を振り返って見ると、極度の疲労ではないかと思えました。登りで笙ノ岩山を超えた先、20分の休憩を2回もとる有り様で、蕎麦粒山に登頂しても食事が喉を通らない有様でした。身体の疲労が脳の働き低下につながり、結果勘違いの入り込む隙が出来たのではというのがいまのところの結論です。
体調のマネジメント不足含めて、自身の読図レベルがまだまだだということを痛感させられました。これを教訓として、里山などでしっかり読図の練習を積んでいきたいと思います。

※ 私が稜線上で座り込んでいた場所ですが、上がってきた谷とは反対側の木の根元に、ちいさな仏様の彫り物?作り物?がありましたが、あれは何だったのでしょうか?これは錯覚ではなく、確かに見ました。

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フォトギャラリー:2枚

装備・携行品

シャツ アンダーウェア ダウン・化繊綿ウェア ロングパンツ 靴下 登山靴
バックパック スパッツ・ゲイター 水筒・テルモス ヘッドランプ タオル 帽子
グローブ 着替え 地図 コンパス ノート・筆記用具 腕時計
カメラ 登山計画書(控え) ナイフ 健康保険証 医療品 熊鈴・ベアスプレー
行動食 テーピングテープ トレッキングポール GPS機器
【その他】 食料詳細@4月末の晴天時
500ml水x3本
WINZONEx3袋(栄養剤。移動時のエネルギー補給用)
コンビニサラダx2袋(山頂での昼食用)

結果としては、登頂時にスタミナ切れから昼食もとれず。移動時の栄養補給として羊羹やチョコなどを追加で持っていくべきだったと反省です。

みんなのコメント

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  • ●無事に帰還できて何よりです。
    ●失敗から学ぶことは多いですね。たいへん勉強になりました。

  • 南十字星さん
    コメントいただきありがとうございます。
    精神的に追い込まれるような恐怖でした。私の経験が、何かの参考になれば嬉しいです。

  • お疲れ様です。
    ご無事で何よりです。
     変だなと思ったら、立ち止まって休憩して、落ち着いて地図と周囲を確認することをお勧めします。
     パニックになって歩きまわっていいことはありません。
     解るところまで登り返して、戻る勇気が必要ですよね。

     それと、下山のルートは、マイナーなルートではなく、知っているルートか道標のしっかりしているルートを選択すると安全だと思いますよ。 
     わかったようなことを言ってすみません。


  • トマトとケチャップ さん
    コメントいただきましてありがとうございます。
    落ち着くまで、立ち止まって、クールダウンを図るのが大事でしたね。。。安易な移動が状況を悪化させる典型だったと振り返って思います。次の山行から、違和感を感じたら立ち止まって状況を整理しなおすことを心がけます。
    (最悪な中でも、沢に降りたい欲求を抑えて尾根に上がったことだけはよかったなと)

    下山こそ迷いの可能性が多いですよね。いまの自分の実力ではまだまだだということが結果として出たように感じます。仰る通り登りなどで経験のあるルートを下山に設定するようにしながら、次のチャレンジの機を伺いたいと思います。

  • 大変な思いをされましたね。

    スマホをお持ちになられているとの事なので、スマホのGPS機能を活かして(AndroidでもiPhoneでも)
    ・オフライン地図アプリの導入(YAMAPやジオグラフィカなど。 機能限定の無料版でも充分使えます)。
    ・スントなどの従来のコンパスも必ず併用して動き出しの方向を決める。
    という方法をおすすめします。

    スマホを含むGPS機器が出てきてからは、私も山スキーやハイキングの時もこれらのアプリを活用するようになりました。

    Google-mapは基本的にはonline状態(wifiや携帯電波の届く範囲)を前提にしているので
    今回のように携帯電波をロストしたような場合には使えません。
    また紙の地図を持つことも有用ですが、現在地を見失った時には紙の地図はほとんど役に立ちません。

    上記で紹介したこれらのoffline地図アプリは国土地理院の1/25000のデータを
    事前にwifiや携帯電波の有効な場所でスマホ内に地図データをキャッシュ(一時保存)しておいて
    offline時にも、これらのキャッシュされた地図データ上に現在地を表示してくれるというものです。
    国土地理院の等高線記載のデータは日本全国をスマホに保存するには大きすぎるので
    自分が行く地域の地図を事前にスマホで見るという操作で、キャッシュという形で一時保存して
    利用するものです。

    これらは基本的に1/25000地図なので等高線や山道記号が表示され非常に有用です。

    注意点として
    GPS機器の示す現在地点の矢印はGPS機器を持った人が動き出してから正確な方向を示すという性質が有るので
    地図を見ている静止状態では現在位置は正確でも、方向指示がまったく狂っていることが多いのです。
    このため
    進む方向をオイルコンパスなどにセットして、これを見て正しい方向に動き出すと間違いを防げます。

    ということで、従来のコンパスを必ず持って行かれることも大事です。
    GPS機器が表示する地図を見るのにも読図力は必要ですので読図の勉強は続けていただいて
    GPSによる現在地確認という強力な手段を利用されると良いと思います。

  • cycle-oyaji さん
    コメントいただきましてありがとうございます。
    地図アプリ、確かにこれを安全のために用意しておく方が確実ですね
    私もこの1件以来、地図アプリを入れました。山行前にキャッシュを取得して、機内モードでも使えるようにと思っていましたが、慣れのせいかキャッシュを取らずに山行を始めてしまう事も...
    改めて、習慣化していこうと思います

登った山

蕎麦粒山

蕎麦粒山

1,473m

笙ノ岩山

笙ノ岩山

1,255m

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