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丹沢山 春風渡る尾根 見守る富士山

丹沢山・塔ノ岳・鍋割山( 関東)

パーティ: 2人 (カピトラ さん 、ほか1名)

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行程・コース

天候

初日:晴れ、風強し、春の陽気 2日目:晴れ、朝のうち霞、気温高い

利用した登山口

大倉  

登山口へのアクセス

マイカー

この登山記録の行程

【1日目】
大倉(07:30)・・・観音茶屋・・・雑事場ノ平(08:05)[休憩 10分]・・・駒止茶屋(08:55)[休憩 10分]・・・小草平・・・茅場平・・・花立山荘(10:25)[休憩 15分]・・・金冷シ・・・塔ノ岳(11:25)[休憩 50分]・・・丹沢山(13:30)

【2日目】
丹沢山(06:50)・・・塔ノ岳(07:50)[休憩 15分]・・・金冷シ(08:15)・・・二俣分岐・・・鍋割山(09:05)[休憩 30分]・・・後沢乗越(10:15)[休憩 5分]・・・二俣(10:50)[休憩 10分]・・・大倉(12:20)

コース

総距離
約22.6km
累積標高差
上り約2,454m
下り約2,454m
コースタイム
標準11時間40
自己9時間5
倍率0.78

高低図

標準タイム比較グラフ

GPX ダウンロード KML ダウンロード

登山記録

行動記録・感想・メモ

気温も高くなるという晴れ予報の春の三連休。 絶対混むに決まっている人気の山は、泊まってしまうのがいいよねと、日帰りではない山歩きを考えました。
とはいえまだ三月。 現地情報を確認しながら慎重に行き先を考えます。
 
早春の丹沢へ。 
登山口は冒険はせずにいつもの大倉とし、ちょっと重い荷物での塔ノ岳を考えます。
そこから先は丹沢山までとするか、蛭ヶ岳まで行くか。
結局、ゆとりを持って丹沢山・みやま山荘に一泊し、できれば翌朝蛭ヶ岳ピストンをしようということになりました。 
未踏ルートや新たな領域には、あくまで慎重な夫です。

18日午後、みやま山荘に電話で2名の予約を入れ、早速荷造りの準備を始めます。
今回は「ちょっと重い荷物」を作るために、水やお酒や2日分の昼食などもケチケチせずに詰め込みました。 そして、山小屋への差し入れも。 この差し入れ、重量こそ1kg弱ですが、大きさが一昔前のお父さんの保温弁当箱くらいあって潰すことができない形状のため、パッキングは試行錯誤でちょっと手間取りました。 でも、またこれもよい勉強です。 

初日の朝は、大倉から7:30頃の歩き出し。
このところ二人で課題としている「盗人(ぬすびと)歩き」を意識してゆっくり歩きます。
これは、山の師匠の歩き方を二人で勝手にそう呼んでいるのですが、とにかく登りも下りも全く音を立てない、しなやかな歩き方なのです。
そして、師匠は階段なども「筋肉使わないで歩く」とおっしゃり、体重移動だけで一方の足は休ませながら登っていく…のだそうで。
今回はそうしたことを強く意識しつつ、いつもより重い荷物で一段一段確かめながらの登りでしたが、塔ノ岳までがいつになく楽に感じましたので、もしかしたら少しはコツがつかめるようになったのかもしれません。

この日の天気は、前夜の雨に洗われた空気が富士山をくっきり見せてくれて、横浜も新宿も相模湾の海岸線も、遠く大島までも望めるような素晴らしさ。 
カメラを持ってくればよかったと少しだけ心が揺れました。
朝の尾根道では強かった冷たい風も、山頂ではほとんど感じなくなっていたと思います。
そして、気持ちのよい山頂での昼食後、いよいよ初めての道に入ります。
はじめは、せっかく登ってきた高さからどんどん下っていきます。 下った分は当然登りよね…と登っていくのに、また下る。 登って下って時々平ら。 
でも、その間ずっと左手には富士山が見守っていてくれる素敵な道です。
よく整備された木道と木の階段との登山道は、ここだけ切り取ったら、どこかの公園の遊歩道のようです。 しかも富士山付き。 これは人気なのもわかりますね。
まあ、でも、丹沢山までなら多分皆さんピストンでしょうし、またそれが楽々できる方たちは、今は雪山やもっと別のバリエーションルートなどを歩かれているのでしょうから、季節的にはある意味穴場的な雰囲気となり静かに歩けたことはとても幸運だったと思います。

午後の早い時間にみやま山荘に到着し、時間はたっぷり。
結果としては、この日のうちに蛭ヶ岳を目指しても大丈夫だっただろうと思いますが、すでに夫はもう大分疲れていたようで、翌朝のピストンは早々に断念となりました。
この日、無理して行ったとしても、それはそれで気分も時間も余裕がなくなっていたかもしれませんからね…残念ですが「きっと、またおいでってことよね!」と、いつもの呪文を唱えて諦めます。

…でも、お酒を飲みながらご機嫌になっているところで、ちょっとおねだりしてみるのです。
「明日まっすぐ下りないで、鍋割山に寄り道してみようか?」
ここもまた新たな領域ですが、意外にも夫の快諾を得て私は小さくガッツポーズ!

夕食後は、急いで小屋の外へ出て夕日の写真を何枚か撮りました。 
これは、山の中に泊まらなければなかなか見られない光景です。 
富士山のシルエットが綺麗でした。
眼下の街の明かりの写真は、私の技術とスマホでは撮影できそうもないのでさっさと諦め、消灯時間の8時半よりずっと前に(耳栓をして)布団に潜り込みました。

二日目の朝は、前日の気温が高かったためか霞がかかって景色もよく見えず、少し日が高くなるのを待ってから出発することにしました。
小屋の前で名残惜しく写真を数枚撮って歩き出せば、昨日歩いた道の、今度は右手にずっと、眠たそうに霞んだ富士山の姿があります。 登って下って時々平ら。 
塔ノ岳への最後の登りは、昨日は下った階段。 木の階段と横木のある斜めの木道の段数を合わせて200段ほどだったでしょうか。
昨日とはまた違う表情の山頂には、早くも多くの人の姿がありました。
そこから下って金冷シから鍋割山へと向かえば、今度は正面に富士山です。
未だ木々が葉をつけていない今の時季だからこその明るい道と優しい富士山に、思わず走り出したくなるような気持ちよさ。 でも、やっぱり下って登って平らな歩きの連続です。
時間的に人が少なかったので、楽しく軽快に歩いての鍋割山到着でした。

鍋割山荘の扉には「10時20分開店」の札がありましたが、人気の鍋焼うどんはそれを楽しみにして登られる方々にお任せすることにして、手持ちの食料を消費します。
さて、この先どうしましょう。
「きっとこれからたくさん人が登ってくるから、少し戻って小丸尾根?」
「いや、道の感じが見たいから、このまま下る方がいいかな」
そう決めて下り始めると、ほどなくして歩荷さんたちが登ってこられました。
おうどんが来るならお客さんも来る頃ね、と、予想通りの人、人、人の列のはじまり。
勿論、基本は登り優先ですから待つべきところでは待ち、「どうぞ」と声をかけてくださればお礼を言って下っていくのですが、その、ちょっとしたタイミングのようなものがこの日はとても楽しかった。
ギリギリすれ違えそうな道幅ならば、歩きにくい方へと寄りながら丁寧に下りたり、まとまった人数でもそのスピードを見極めながら数歩進んでは脇へ寄ったり。 瞬時に判断しながら的確に安全に足を置くことができるのかどうか、試されているような緊張感の連続に、あっという間に後沢乗越まで下りてきたように思います。

登りの人影もまばらになる頃、今度は長い林道歩きの始まりです。
個人的にはこのルートを登りには使いたくないけれど、危険箇所がまるでない安心感は、旅の締めくくりとしては丁度よい感じです。
水音を聞き、小さな徒渉や橋を渡ること幾度かの、春の息吹を感じる爽やかな散歩道。
心地よい疲労感の中で昨日今日を振り返りながら、やがて心は「蕎麦」へと急ぎます。

「大倉まで0.7キロ」の案内があり、あと10分以内?と思うも、次の案内では「大倉バス停20分 → 」ですって…。
唐突に麓の集落に飛び出す感じで車道歩きとなり、見慣れたいつものバス停に到着。
お疲れ様のお蕎麦がおいしかった!

東名道上り線で複数の事故があり、大渋滞に巻き込まれたため帰宅は大分遅くなりましたが、まあ、翌日は日曜日でしたから、家でのんびり洗濯機回しながらゆっくりお疲れ会をしたのでした。
…ああ、でも、やっぱり蛭ヶ岳、ちょっと心残りです。

(追記:みやま山荘への差し入れは、ウエットティッシュでした。急遽手に入った分を持って行ったら、喜んでくださったので嬉しかったです。お礼にとポカリを2本もいただいて…「多すぎます」と申し上げましたが、「気持ちです」って。色々と幸運に恵まれ楽しかった丹沢山でした。)

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フォトギャラリー:9枚

装備・携行品

シャツ アンダーウェア ダウン・化繊綿ウェア ロングパンツ 靴下 レインウェア
登山靴 バックパック スタッフバック スパッツ・ゲイター 水筒・テルモス ヘッドランプ
タオル 帽子 グローブ サングラス 着替え
地図 コンパス ノート・筆記用具 腕時計 カメラ 登山計画書(控え)
ナイフ 修理用具 ツエルト 健康保険証 ホイッスル 医療品
虫除け 熊鈴・ベアスプレー ロールペーパー 非常食 行動食 テーピングテープ
トレッキングポール ストーブ 燃料 ライター カップ クッカー
カトラリー
【その他】 洗面具、除菌シート類、眼鏡、耳栓、携帯トイレ、チェーンスパイク

登った山

蛭ヶ岳

蛭ヶ岳

1,673m

丹沢山

丹沢山

1,567m

塔ノ岳

塔ノ岳

1,491m

鍋割山

鍋割山

1,272m

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