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屏風道から八海山 去年の二の舞?ポンコツ三昧

八海山、カッパン倉( 上信越)

パーティ: 1人 (鋸太郎 さん )

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行程・コース

天候

晴れ

登山口へのアクセス

マイカー
その他: 二合目駐車場

この登山記録の行程

二合目登山口0357……0454清滝(四合目)0454……0530五合目0530……0620七合目0620……0741八合目0741……0827千本檜小屋0830……0927新開道分岐0927……1008入道岳1024……1057新開道分岐1057……1219七合目カッパン倉1221……1304四合目稲荷社1304……1403二合目登山口

コース

総距離
約9.5km
累積標高差
上り約1,602m
下り約1,602m

高低図

GPX ダウンロード KML ダウンロード

登山記録

行動記録・感想・メモ

屏風道から八海山に登り、新開道で下山しました。
天気は上々、たまに吹く風は涼しく、気候上は申し分ありませんでした。
ですが道のコンディションはマルをあげられるレベルではなく、自身の体調の悪さも相まって、よじ登り系ルートとしましては体感、大キレットや表妙義に匹敵する難易度でした。
いやもう、無事降りてこれただけで何よりです。
  
基本的に道は一部を除き(※)分かりやすく、特に迷う箇所はありませんでした。
ただ登りの屏風道も降りの新開道も両脇の灌木が容赦なく枝を伸ばし、やぶ漕ぎに近い状態でした。
そうでなくても低い草が足元を覆い、注意しないと道を判断できない箇所が多々ありました。
(※)新開道の下り直後は結構判断に迷うと思います。
  
またどちらの道も、特に上部では前日の激しい雨が道も岩も鎖もしっかり濡らしていてくれまして、愛用の作業用革手袋(750円)が絞れるほどでした。
他にも地味に怖かったのがトラバース道です。
肩幅も無い様なレベルの上、谷側に削れていて、水をふくんでいる上に草が覆うというセットメニューには難儀しました。
へつる場所には鎖が配置されていますが、結構隠れているものも多く、普通の登山道でこんな箇所が出てきたら、「この道は違うのかな」と考えても仕方ないレベルだと思います。
八海山スタンダードに慣れた後ですと、「こっちであってる」と思えましたけどね。
  
屏風道の鎖場は、何と言うのでしょうか、
「役に立った鎖」:「信じると却って苦労する鎖」が半々だった気がします。
もっとも「クライミング」という観点でよじ登る岩を見た場合、初級者レベルの安定したものだったと思います。
適度のガバはありますし、体重をかけて崩れるホールドもなかったです。
三点支持で「足を使って登っていく」基本に沿えば、鎖に頼るとすぐに腕を使い切ってしまう恐れもあり、必ずしも鎖必須な箇所ばかりではありませんでしたが、鎖がないと無理!な箇所もひとつやふたつではなかったのは確かです。
  
元気な方々にどんどん追い抜いてもらい(と言うか追い抜かせるスペースを見つけるのにもひと苦労なコースでした)、千本檜小屋には8:30頃到着。
入道岳には10時過ぎに着きました。
多少雲は出てましたが、越後駒ヶ岳、中ノ岳と三山を見渡せ、縦走は無理でしたが三山制覇に感無量でした。
  
新開道も1時間も降りれば道ははっきりとし、あとは休み休み降りてきました。
14時頃無事に下山。
今回は駐車場でのたうち回ることもなかったです。
想定外のよじ登りラッシュは死ぬほど大変でしたが、楽しかったです。
  
八海山、一番標高は低いのに、正に越後三山のラスボスでした。
うっひゃあああ!
無事下山できたあああ!!
  
------------------------------------------
(ポンコツだったお話)
  
深夜のSAで写真を撮ろうとしたら、カメラが作動しませんでした。バッテリーを充電したまま、カメラに入れないで持ってきてしまっていました。
心折れかけました……。
  
登山口でポールをセットしようとしたら、三連なので計6本のパーツがあるはずなのに5本しかありませんでした。
いつもでしたら短くセットしてから車に積んでいたのですが、今回に限ってざっと持ってきて、案の定失敗しました。
もっとも上部では登りも降りも不要でしたけどね……。
  
そんなこんなで動揺していたら、山行開始前にザックにお財布を詰めるのを忘れました。
と言うことで今回は無一文で山を歩いていました。
折角千本檜小屋ではTシャツも売ってましたのに、今回はお山にお金を落とせませんでした。
申し訳ないやら悔しいやら……。
  
登山口に至るまでも、車で2回道を間違えました。
無理矢理切り返して戻ることも2度。
何やってんだか……。
  
------------------------------------------
(洒落にならないポンコツだったお話)
  
去年の8/3、中ノ岳で遭難しかけました。
熱中症+脱水症状でしたが、下山・帰宅後に卒倒して入院5日。
それもあって今回、この日付に八海山に挑んだ訳でしたが、逆に二の舞になるところでした。
https://www.yamakei-online.com/cl_record/detail.php?id=169254
  
先週の燧ヶ岳で調子が良かったので今回もいけるだろうと思っていたのですが、消費カロリーが段違いだったのでしょうね、道中何度も立ちくらみを起こしました。
基本「起立性調節障害」と言われるみたいですが、
  
・筋トレとダイエットを継続中で、低カロリー生活を2か月は続けている。
・ダイエット前には高血圧がひどかったので、降圧剤を服用中。でも絞れてきた現在では逆に低血圧状態。上が90とか85とか。
  
などなど思いつくことも多く、「いきなりの発症」ではなかったことが救いでしょうか。
  
歩いている間には発生しません。休んで立ち上がるとくらっときます。
ひどい場合だと失神直前の様に朦朧となります。
それもあって特に登りはこまめに休んで呼吸と心拍数を調整しながら進みました。
一瞬の頑張りで登れる山ではありませんでしたし、そもそも屏風道は登り専用です。下山したかったら登るだけ登って、予定通り新開道で降りるか、ロープウェイでエスケープするかです。
  
発生をコントロールできたのが山行を継続した理由です。
でも万全ではなく、もし何かの異変で歩いている間にこれに襲われたら、コースがコースなだけに今頃ミンチになって谷底でしょうね……。
なので瞬時にセルフビレイを取れる様、細引きとカラビナ、クイックドローはずっとすぐに使える様にしながら歩いてました。
ともあれお医者さんに相談だなあ。
  
(追記)
翌日主治医さんに相談したら、案の定降圧剤の副作用と判明。
さらに軽い薬に変えてもらいました。
  
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(洒落にならないポンコツだったお話2)
  
千本檜小屋に着くといきなり空が広がりました。
ただこれも最近悩まされているのですが、普段は全く異変がないのに、太陽がまぶしすぎる景色に立つと視界が白飛びするのです。
ハレーションを起こしている感じです。
  
なのでそれもあって、今回八ツ峰は迂回しました。
残念でしたが、こちらはコントロールできないので仕方ありませんね。
  
でも迂回ルートは迂回ルートで、迂回(楽だとは言ってない)でした。
湿った道・草・鬼のトラバース。
こちらでは別に視力・視界ともに全く問題ありませんでしたが、道は厳しかったです。
  
(追記2)
眼科で細かく調べてもらいましたら、結果「酷いドライアイ」。
とりあえず乱視の悪化や白内障ではなかったのでひと安心です。
ザックの常備薬に目薬追加ですね。
  
------------------------------------------
  
現地で声をかけて頂いた、地元湯沢のお姉さん、本当にありがとうございました。
こちらのヘロヘロ具合を見て、一緒に降りましょうかと誘って頂けたのは心強かったです。
  
もっともこのお姉さん、本日お会いした中では指折りの健脚で、ちょっと先に進んだなと思ったらもう彼方でした。
同行はこちらの歩みが遅いこともあって、ご迷惑にならない様に辞退させて頂きましたが、新開道の下りの迷いやすい箇所も、わざと止まって待ってくれていたみたいでした。
お陰で無事ケガひとつなく下山しましたよ。
入道岳でのヤッホー、楽しかったですね!
  
他にも最初に追い抜かれた男性、この方が滅茶苦茶早かったのですが、ほんと岩も斜面もものともせずぐいぐい進んでいきました。
正直「ありゃ山岳ガイドか救助隊員、素人じゃないなあ」と思って眺めてました。
今日お会いした中では、唯一のヘルメット装着者さんでした。
  
若い四人組の方々、自分は小屋から迂回路を取ったので分かりませんでしたが、もしかして縦走だったのでしょうか?
この方々も早かったです。
何より屏風道をものともしない元気の良さが素晴らしかったです。
  
あとは、短パンTシャツのお兄さん、稜線でポールを気持ちよさそうに使っていたおじさん(このためだけに持ってくるのもアリかと思いました)、前泊されて雨の話を聞かせて頂いたご婦人、色々な方に声を掛けさせて貰いました。
ありがとうございました。
  
ロープウェイの時間以前でしたので、大半の方は屏風道経由で大変だったと思いますが、良い日、良いお山でしたね!

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フォトギャラリー:78枚

と言う訳で午前4時の屏風口から出発です。

スマホのカメラは慣れてないので、今回は何時にも増して粗いです。

屏風沢を渡りますが、

水量は少なくはないものの、渡れない量ではありませんでした。

ちょっとだけ、カゴに乗ってみたかった気もします。

少し歩いてお稲荷さん登場。
必死に画像加工して明るくしています。

空が白んで明けの明星だけになりました。
夜中は本当に満天の星でした。

良い沢ですね。

キノコ登場。
すぐに通り過ぎたので細かく見てませんが、ツチカブリかな。シロシメジだったらもう少し群生してそうです。

矢印こっち。

滝だー!
上が大滝、下が清滝でしょうか。

四合目到着。
水場には寄りませんでした。

この辺りから斜度がきつくなってきます。
滝を見に行くだけなら良いハイキングです。

鎖登場。
もうあっちこっちで出てきます。

南魚沼の朝です。

鎖を頼るか、自分でルートを見つけるかはお任せです。

もうガジガジ登っていきます。

五合目到着。

キミたちをダイレクトに登る訳ではないことは分かってますが、それにしても距離と標高がアンマッチではありませんか?

もうね、一歩一歩、足!足!です。

石柱は多かったのですが、ほとんど文字が読めませんでした。
古いキロポストだとは思うのですが、微妙に地図とずれるんですよね。

白い花。
名前調べているんですけど出てきません。

やあ立派な岩だね!
「やあじゃないよ、登るんだよ!」

んー、「大正十五年」は読めるのですが。

滝がたくさん!
滝好きにはたまらない光景ですね。

夜明け間近の八ツ峰シルエット。
逆に言えば、屏風道が雨後の水だらけだった理由が、この方角故かも知れません。

うっすらと左へ向かえと赤ペンキ。

ほんと灌木の枝の張り出し具合と言ったら、ジャングルでした。

赤ペンキがなかったら、少し疑いますよね。

7時半過ぎに、ようやくお日さまー!

どうしてもスマホのピントが合わせられません……。

文字の判読できない、倒れた石柱は多かったです。

良い天気になりました。
ただ越後三山でお天気は、トラウマに近いものが。

でもそれを払拭せんがために、今日は来たんです。

さあ千本檜小屋だ!

予想を超えてかなり立派な山小屋でした。

中を抜けて行きますが、

想像以上に立派な神社がありました。

でもね

今日はお金ないのぼく。
それこそお賽銭すら。

少しは万が一のお金を別にしておかないとなあ……。

それじゃお待ちかねの稜線歩き!

にはまだ至れません。
視界の異常から眩しすぎる道は避け、迂回路を進みます。

でもこれがまた鎖とへつりのラッシュ。

景色は最高なんですが、落ちたらおしまいのレベルです。

おや、尾瀬でも会ったキンコウカさん。

こちらはソバナかな?
日陰の道を一所懸命彩ってくれていました。

はしご登場ー!
もう濡れた鎖・濡れた岩・濡れた葉で触ってくる枝たちのお陰で、手袋は絞れるほどでした。

新開道分岐です。
ここから八ツ峰コースと合流するために、はしご軍団の厳しい道を登ります。

今日のお天気でしたら、八ツ峰を進むのが正解だったでしょうね。

まあ八ツ峰もこんなレベルなんですが。

越後駒ヶ岳だー!

入道岳の向こうに中ノ岳ー!
恥ずかしながら、また来ちゃいました。

摩利支天様が奉られていました。
山岳信仰と言えば筆頭に挙げられる神さまですね。

さあ入道岳頂上だ!
隣に小さく映っているのが、声を掛けてくれた地元のステキなお姉さんです。

ほんとはね、物凄く大変だったんだよ屏風道。
でも登り専用だしね、エスケープや下山という選択肢は無かったんだよ。
間違いなく下山の方が倍、危険なコースだったしね。

「よしよし」
荒沢岳が顔を覗かせていました。

「よしよし」
両脇には越後駒ヶ岳と中ノ岳。
贅沢な光景です。

10時半近くになりました。
それでは下山開始します。

昔の人はどうやって登ったのでしょうね。

山頂に登山者がひとりいましたので手を振ってみました。

人懐っこいトンボが多かったです。
アブを追い払ってくれました。

さて、新開道経由の下山CTは4:20。
そこへ「2:00で降りられますかね?」と健脚のお姉さん。
でも多分、このヒトは本当にそんな時間で降り切っていると思います。
中央に屏風沢、中段やや右にロープウェイ駅が見えます。
右は猿倉山、左は手前からカッパン倉、桂山、坂戸山だそうです。

新開道分岐まで戻りました。
稜線からここまでも厳しいのですが、この先も少し厳しい降りが続きます。

少しだけお姉さんの後を付いていかせて貰い、あとは先行してもらいました。
早い早い。クマ鈴の音があっという間に聞こえなくなりました。

堂々と枝が伸びてますよね。
これがまたピンポイントで顔面に触れてくるんです。

手前にカッパン倉。
新開道ではピーク越えがひとつあります。

自分にしては珍しく、おにぎりやナッツバーなどの行動食を食べながら進みました。
後は降りるだけですからね、水も十分ありますし、のんびり歩きました。

樹林帯に戻ってまたキノコ登場。
ひょろっと長いのでツエタケでしょうか。
二本揃って、夫婦みたいでした。

四合目のお稲荷さんまで降りました。
時刻は13時。大分暑くなってきました。

でも登山口までは残り1.5km。
あとちょっとです。

三合目。
厳しい斜面も終わりました。

次第に道が林道の様になり

立派なヤマユリさんにご挨拶などしつつ

ゴールだ!

無事帰って来れました。
滅茶苦茶厳しかったですが、物凄く楽しかったです。

「おみやげいっぱいです!」
「ダイエットはいいの?」
少しくらいなら問題ないです。
今回のお山だけで、体重が本当に2kg近く減りましたしね。

ちなみに稜線での白飛び視界はこんな感じでした。
実際はもっと細部がざっくりな風景でしたが、眼球内の乱反射がひどいとこうなるそうです。

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装備・携行品

シャツ アンダーウェア ダウン・化繊綿ウェア ロングパンツ 靴下 レインウェア
登山靴 バックパック スタッフバック スパッツ・ゲイター 水筒・テルモス ヘッドランプ
タオル 帽子 グローブ 着替え 地図 コンパス
ノート・筆記用具 腕時計 カメラ 登山計画書(控え) ナイフ 修理用具
ツエルト 健康保険証 ホイッスル 医療品 虫除け 熊鈴・ベアスプレー
ロールペーパー 非常食 行動食 テーピングテープ GPS機器 燃料
ライター カップ クッカー カトラリー
【その他】 アマチュア無線機、予備ヘッドライト、モバイルバッテリー、スリング、カラビナ、ウエビング、ATCガイド、シットハーネス、クイックドロー、プルージックコード、細引き、風力計

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登った山

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