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黒戸尾根・早川尾根テント泊縦走 2020夏

甲斐駒ヶ岳・鳳凰三山( 南アルプス)

パーティ: 1人 (うんとこまい さん )

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行程・コース

天候

初日:曇り時々雨 二日目:晴れ 三日目:晴れ

利用した登山口

尾白渓谷駐車場  

登山口へのアクセス

電車
その他: 中央本線JR長坂駅下車。北杜市民バス西線3号車に乗換えて、前泊キャンプ地の尾白温泉ベルガへ移動。翌朝に徒歩で甲斐駒ヶ岳登山口の竹宇駒ヶ岳神社へ向かう。

この登山記録の行程

【1日目】
尾白渓谷駐車場(05:30)・・・笹ノ平(07:10)[休憩 5分]・・・刀利天狗(09:50)[休憩 15分]・・・五合目小屋跡(11:10)[休憩 10分]・・・七丈小屋第1(12:15)

【2日目】
七丈小屋第1(04:10)・・・八合目(04:50)[休憩 10分]・・・甲斐駒ヶ岳(06:15)[休憩 30分]・・・駒津峰(08:30)[休憩 5分]・・・仙水峠(09:35)[休憩 15分]・・・栗沢山(11:30)[休憩 5分]・・・アサヨ峰(12:55)[休憩 10分]・・・早川尾根小屋(15:10)

【3日目】
早川尾根小屋(04:15)・・・広河原峠(04:45)[休憩 3分]・・・白鳳峠(06:05)[休憩 5分]・・・高嶺(07:15)[休憩 15分]・・・アカヌケ沢ノ頭(08:20)[休憩 70分]・・・観音岳(10:45)[休憩 5分]・・・薬師岳小屋(11:25)[休憩 20分]・・・御座石(12:40)・・・中道登山道入口(15:05)・・・青木鉱泉(15:55)

コース

総距離
約28.2km
累積標高差
上り約4,245m
下り約3,924m
コースタイム
標準25時間13
自己25時間42
倍率1.02

高低図

標準タイム比較グラフ

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登山記録

行動記録・感想・メモ

 登山前泊日の8月2日に関東甲信越地方の長く続いた梅雨明けが発表された。ところが、喜びも束の間、夕刻の数時間にわたり雨が降る。梅雨明けの発表は気象庁の勇足ではと疑う。雨に濡れたテントは翌日からの登山を憂鬱にさせる。登山当日の梅雨明け翌日も今にも雨が降りそうな空模様。登山を止めて帰るわけにもいかず、七丈小屋目指して日本三大急登黒戸尾根に足を踏み入れた。ザックの重量は水と酒と食料込みでおよそ14kg。標高差2,200mの急登に気持ちを引き締めた。
 初日は降雨はないものの、日差しはなし。高温多湿の中を登り続ける。五合目小屋跡以降はハシゴとクサリの連続。登山の基本である脚力、腰力そして腕力を兼ねそろえる必要を感じる。登山道に荒れた箇所はなく順調に七丈小屋に到着。この日のテントは8張。白砂のテント場はきれいに整備されていた。前日同様に夕刻に降雨あり。明日の天気を心配しながら19時過ぎに就寝。参考までに。七丈小屋テント場には比較的大きめの鉄製のベグが備わっていた。レインフライの固定にはこれを利用した。

 目覚めた翌0時半頃に外の明るさに夜空を覗くと、満月の下に地蔵岳のシルエットがくっきりと映っていた。晴れたことに安心しながらシュラフに潜り込む。2時半起床。朝食、テント撤収など準備を終えて暗い中を4時過ぎに出発。30分ほど急登を黙々と登り続けて、ふと振り向くと晴れた赤い空と眼下には一面の雲海が広がっていた。八合目御来迎場でご来光を迎える。地蔵岳のむこうには富士山も覗いていた。さらに、続くクサリをかき分けて頂上に到着。雲海の上の快晴の中に360度の展望であった。登山口からおよそ8時間での頂上であった。甲斐駒ヶ岳山頂を堪能した。次には早川尾根を目指して下り始めた。六万石まではまき道を下ったが、途中に2度道を迷う。40分程度の時間をロスしてしまった。白砂の急斜面を滑落しそうな恐怖も体験した。甲斐駒山頂から700mを下った仙水峠で少し早い昼食を摂る。食後は栗沢山への500mの登り返しである。頂上までの1時間半の急登が続いた。アサヨ峰までの最初は大小の岩の上の登山道であり、ペンキ等の案内がほとんどないため注意を要した。ここでも少しだけ道迷いするも、すぐに回復。ハイマツ帯に入りアサヨ峰への登りが始まる直前の登山道10m程の前方に熊に遭遇。熊除け鈴の効果なのか、熊は登山道から外れて足早に逃げ消えた。ドッキと驚く。カメラは間に合わず。アサヨ峰から早川尾根小屋までの下りが続く2時間は、とても長く感じた。15時10分小屋着。七丈小屋から11時間。この間の消費した飲水量1,800ml。食事も酒も喉を通さない程に疲労困憊であった。夕食は無理して喉に押し込み、18時過ぎには就寝。

 ところで、甲斐駒山頂から3日目の鳳凰三山アカヌケ沢の頭までの縦走路に人は全くいなかった。人と会うことはなかった。北沢峠や広河原の閉鎖の影響と思われる。終始まったくのひとり登山が続いた。ただし、七丈小屋テント場でも一緒だったTさんが17時過ぎに早川尾根小屋に現れた。夜だけは二人テントを並べて過ごした。

 無料開放の早川尾根小屋の内部はホコリ等に汚れがひどいためテントを張ったが、小屋内は十分に泊まれる状態ではあった。水場は小屋近くに十分に流れていた。宿泊の可否と水場の有無を管理者には事前に電話確認済み。

 また、仙水峠から地蔵岳までの早川尾根縦走路の案内には頼りが少なかった。ピンクテープは少なくかつ小さく、岩の赤ペンキも少なくかつ薄く、視認し難かった。

 3日目も2時過ぎに起床。疲労のため就寝から目覚めることはなかったが、疲れはほぼ取れていた。4時半前に鳳凰三山に向けてTさんよりも先に出発した。空は雲が混ざるものの晴れていた。右手に朝日に染まる北岳を望みながら広河原峠、赤薙沢ノ頭、白凰峠、高嶺等アップダウンを続けながらアカヌケ沢ノ頭地蔵岳に到着。アカヌケ沢の頭に着くなり、薬師岳小屋に宿泊したと思われる女性2人にようやく出会った。1時間余り時間を過ごし、最後のピーク観音岳から薬師岳へ向かった。後ろ髪を引かれながらも、ガスが多くなり始めた11時45分に中道を下山口青木鉱泉へ下り始めた。シラビソの森を堪能しながらのんびりと下り続けた。16時青木鉱泉に到着。温泉で三日間の汗を流した。合流したTさんとタクシー相乗りで韮崎駅に18時前に到着。青木鉱泉韮崎駅間のバスはコロナ禍運休中であった。2020夏の登山が終了した。

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フォトギャラリー:81枚

初日午前5時前に竹宇駒ヶ岳神社に徒歩で向かう
曇天。遠望なし

いよいよ登山口。三大急登の始まり

竹宇駒ヶ岳神社

神社裏の吊り橋

笹の平分技

大岩の上の小さな道祖神

幻想的な光の中の導祖神

刃渡り

刃渡りに続く最初のハシゴ

刃利天狗

五合目小屋跡。
これから頂上まではハシゴとクサリの連続

わずかな時間に覗いた青空

スケルトンの木吊り橋

垂直のハシゴ

もうすぐ七丈小屋

テントを張った午後も視界なし

15時頃わずかの時間薄く鳳凰三山が現れる

晴れた翌朝。白み始めて振り返ると雲海の上を歩いていた

八合目御来迎場でご来光を拝む

頂上直下の駒ヶ岳神社本社

2200mを登り詰めると360度の展望

日本の標高ワンツースリー。手前にはこれから縦走する早川尾根が続いている。

仙水峠への下りの分岐。六万石までの白砂の下山道で道に迷い40分ほどロスした。

白砂の下山道

駒津嶺

綺麗なキノコ。ベニテングダケ。

甲斐駒頂上から700m降った仙水峠。栗沢山へ500m登り返す前に少し早い昼食

栗沢山頂上

雪が積もったように見えるガスの中の甲斐駒ヶ岳

アサヨ峰
栗沢山アサヨ峰の中間の登山道で熊に遭遇。登山道10m程先の熊が逃げていくのを茫然と見ていた。熊避け鈴が功を奏したのか?カメラは間に合わなかった。

早川尾根小屋直前に地味な三角点、早川尾根の頭

翌朝三日目。広河原峠

今回の縦走路の黒戸尾根、甲斐駒ヶ岳、早川尾根、アサヨ峰を振り返る

赤く染まる北岳

再度、黒戸尾根、甲斐駒ヶ岳、早川尾根を振り返る

白鳳峠

白鳳峠案内板の裏に熊が齧った痕?塗料の味に食いついたのかも?

熊がハイマツの実を食べ散らかした跡?

高嶺

高嶺正面に北岳

白砂道の始まり

熊の足跡?白い砂の登山道のあちらこちらに散在

アカヌケ沢の頭。1時間の休憩。賽ノ河原に降りたり、ラーメンを食べたりあるいは夜露に濡れたテントを乾かしたりして時間を過ごす

賽の河原

白砂のトラバース道

最後のピーク、薬師ケ岳。黒戸尾根から早川尾根へ続いた縦走路ともお別れ。後ろ髪を引かれる思いで下山口の青木鉱泉へ

御座石

シラビソの森

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装備・携行品

シャツ アンダーウェア ダウン・化繊綿ウェア ロングパンツ 靴下 レインウェア
登山靴 バックパック スタッフバック スパッツ・ゲイター 水筒・テルモス ヘッドランプ
タオル 帽子 グローブ 着替え 地図 コンパス
ノート・筆記用具 腕時計 登山計画書(控え) ナイフ 修理用具 健康保険証
ホイッスル 医療品 虫除け ロールペーパー 非常食 行動食
テーピングテープ ストーブ 燃料 ライター カップ クッカー
カトラリー

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登った山

甲斐駒ヶ岳

甲斐駒ヶ岳

2,966m

駒津峰

駒津峰

2,752m

アサヨ峰

アサヨ峰

2,799m

栗沢山

栗沢山

2,714m

高嶺

高嶺

2,779m

鳳凰山 観音岳

鳳凰山 観音岳

2,841m

鳳凰山 薬師岳

鳳凰山 薬師岳

2,780m

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