行程・コース
天候
晴れ一時雪
利用した登山口
登山口へのアクセス
バス
その他:
甲斐大和駅から栄和交通のマイクロバスで上日川峠
一日 5便運行(予約不要)
ただし、2014年の運行は12月7日で終了
料金片道 1000円
この登山記録の行程
【1日目】
上日川峠(10:47)・・・福ちゃん荘(11:09)・・・大菩薩嶺(12:33)・・・賽ノ河原(13:10)・・・大菩薩峠(13:35)
【2日目】
大菩薩峠(07:40)・・・石丸峠(08:13)・・・榧ノ尾山(09:37)・・・大ダワ(10:48)・・・多摩源流・小菅の湯(12:34)
高低図
標準タイム比較グラフ
登山記録
行動記録・感想・メモ
大菩薩嶺付近で5−6センチの積雪がある中を、牛の寝通りを経て小菅の湯まで縦走した。一時小雪となったものの全般に良く晴れ、低温のために雪もさらさらしていて気持ちの良い雪山入門となった。牛ノ寝通りを標高1400辺りまでおりると雪も見られなくなり、途中小菅の湯まで誰とも会わず、落ち葉を踏みしめる静かな山旅となった。
当初から積雪と低温が予想されたので、スパッツ、軽アイゼン(6本爪)、スノーバスケットに換装したトレッキングポールを準備し、服装もウールのアンダーウェア上下を着用した。天候は一時雪となったものの全般的に晴れだったが、大菩薩嶺付近の最高気温氷点下6度、翌朝の最低気温は氷点下11度、稜線上は風も強く、フードだけではなく頬まで引き上げられるネックウォーマーがあれば良かったと感じた。
低温のために雪がさらさらのままで、溶けかかった雪が青氷になっているようなところもなく、軽アイゼンは結局使う必要がなかった。ただ、新雪の急斜面では何度かスリップした。トレッキングポールがあった方が、安心して雪面を下れるだろう。人気コースということで、指導標もはっきりしており、積雪や落ち葉に覆われていても迷うことはなく、誰でも安心して楽しめるコースだと感じた。
介山荘は、山小屋というよりは設備の整った簡易旅館風で、食事も充実していた。忘年会の団体登山者と居合わせて大変賑やかであったが皆さん消灯時間は守っていたので寝るのには何も問題はなかった。
<冬の山ならではの工夫を 保温ポットは必携>
今回は積雪のある冬期登山ということで、装備や服装の他に行動の仕方も夏山とは違う工夫が必要だと感じた。眺めの良い雷岩で昼食を簡単にとったが、気温が低い上に、稜線上は風が強く、さらには雪雲がかかり始めて日差しもなくなり、上着を羽織っても体感温度が急に下がって間に合わない。雪山登山では、大休止をとるよりも、行動中に少しづつ食べ物をとるなど、夏山とは違う工夫があってよいだろう。また、気温が氷点下なのだから当たり前なのだが、キャメルバックのチューブが凍結し、水の補給ができなくなった。保温ポットを携帯していたのでお湯を飲んだが、保温ポットは必携だろう。
他方、用意した軽アイゼン、ライナーにオーバーグローブを重ねる防水手袋は、今回程度の条件であれば必要性を感じられず、ウールのグローブで十分であった。もっとも、条件が悪化して後で必要になっても山では装備の追加はできないから、用心するに越したことはないだろう。
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上日川峠に向けバスで高度を上げていくと、すでに積雪が
栄和交通のマイクロバス
金峰山に登ったときもお世話になったが、公共交通を使う登山者の強い味方だ
上日川峠から大菩薩嶺に向かう登山口
気温が低く、雪はさらさら
明るい日差しが雪に映えて、期待に胸膨らむ
唐松尾根に道を分けて大菩薩嶺目指して高度を稼ぐ
稜線が近づく頃には、断続的に雪雲が通り過ぎる
小さいながらもエビの尻尾ができていた
雷岩に到着。ここでそそくさと昼ご飯にするが、立ち止まると急激に体感温度が下がる。気温が低い上に、稜線上は風が強く、さらには雪雲がかかり始めて日差しもなくなり、上着を羽織っても間に合わない。雪山登山では、大休止をとるよりも、行動中に少しづつ食べ物をとるなど、夏山とは違う工夫が必要だと感じた。
樹林に囲まれて展望のない大菩薩嶺山頂。眺めはすぐ近くの雷岩が素晴らしい。
キャメルバックのチューブが凍結して、水が飲めなくなってしまった。氷点下10度を予想していたのに、考えがここまで至っていなかった。保温瓶にお湯を詰めていたので、こちらで水分補給。
賽の河原をすぎ、介山荘が見える辺りからちょっとした吹雪のようになった。低温と強い風で頬が痛い。吹雪くと、なんだか本格的な雪山のような気分が味わえ、得した気分。本当の吹雪なら、青ざめるのだろうが・・・
翌朝のご来光。氷点下11度。風が強く、体感温度もさらに低い。頬あてが欲しい。大菩薩峠からは東京湾越しに房総半島まで展望でき、スカイツリーやランドマークタワーも見えた。
大菩薩峠から見る富士山は大きく、美しい。秀麗そのもの
南アルプスも見えた
朝食を終えて、ありったけのものを着て石丸峠に向けて出発。寒い。
石丸峠への雪の下り。開けていて気分はいいが、足下がおろそかになるとスリップする
澄み切った空気の中、冠雪した尾根道を爽やかな気分で下る。樹林帯にさしかかると風もやんで、防寒具を一枚、また一枚と脱ぐ。最後は、山シャツの半袖になった。
雪の積もった尾根道をひらひらとはかなげに飛ぶ蛾(画面中央)が、そこかしこに。なぜ、氷点下の山中にいるのか不思議だったが、どうもユキムカエフユシャク(雪迎冬尺)という名前らしい。「雪を迎える」とは、素敵な名前だ
標高1300辺りまで下ると、日陰でも雪はなくなり、落ち葉を踏みしめ歩く
なんとしたことかサクラ(たぶん)が、大きな枯れ木を抱え込むようにはえている。まるで絞め殺しの木のようだ。
霜の造形
大ダワから小菅の道を分けると、北斜面になり、また気温が下がる。防寒具を再び羽織る。このあたりから出戻り登山者の宿痾であるひざが痛み始め、だましだまし急斜面を下る。
うまく撮れていないが、五段くらいのなめ状の滝が、ワサビ田に流れ下っていた
沢沿いにワサビ田が続き、人里が近づいたことを知る
霜の造形。ちょうど茎の表面の溝がうまい具合に水分を沁みあげるのだろうか?
小菅村に到着




