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登山記録
行動記録・感想・メモ
午前10時。取付に二人並んで アイゼンを履き 60mロープをザックから出した。P3ルンゼの取付、乗込み口から下に向かってしっかりと氷が続いている「凍ってるね」。今朝、駐車場で装備準備しているときは”おとといの雨で雪は解けてるのでP3は退屈なルンゼの岩歩きだろう”などとのんきに構えていたが、「バイル持ってきてよかった」。右手の岩場から山岳部パーティのコールが聞こえる。ピッケル一本の彼らは凍結具合から判断し直登ルートを選択していた。
前日は赤岳鉱泉から赤岳ー横岳ー硫黄岳の観光登山をして温泉で汗をながしAコープで食糧を仕入れ 18:00日暮れ寸前に船山十字路駐車場に着いた。車は一台も止まっていなかった。端に駐車し横に二張ツェルトを張り込んで寝床を作り車内に戻り食事と軽く飲みながら明日の打合せ。天気もよさそう、真っ暗の林に星が降っていた。 11/25 04:00まだ暗いが起床し撤収と装備をザックに詰めた。二人とも冬靴なのでP3はルンゼをいくのは決めていた。どのようなコンデションなのか想像したがピッケルとミニバイルでは心もとないのでアイス用の古いクォークを1本持っていくことにした(岩角でピックを痛めてしまいそうな感じがしたが)。朝食を軽く摂り出発した。5:30、予定より30分遅刻だった。林道歩きの途中で明るくなってきた。6:00南陵取付でパンをパクつき衣類調整。斜面を詰めて尾根にでる。木々から見える西岳の上に青く澄んだ空がみえ徐々にテンションがあがる。途中で学生山岳部らしきパーティにあっさり抜かれた。立場山までの急登をやっつけ青凪に8:15分。ここで装備を整えるのだが阿弥陀はガスでまっしろで『ほんとはここから阿弥陀がみえるんだよぉ。来るなら来いってね』って相棒に言い訳しながら準備をしているとみるみるガスが晴れて阿弥陀岳のお出ましになった。たがいに写真を撮りあいながら『しっかり楽しもう』と思った。
しかし、ルンゼルート取付では『ピクニック気分』は一気に冷め集中した。ロープをつなぎ目前の0ピン目に60Mロープを掛け相棒がビレイ器にセットアップするのを待ってる間、頭をフル回転して観察した。段取りを簡単に確認しあった。左にバイルをもち「じゃあ、行くね」夏に研いでおいたアイゼンもしっかり刺さる。乗り込んでしまえばあとは行くだけ。岩は氷でコーティングされスリングも掛けられない。ルンゼ下部は日が差さず風が吹きあげて寒い。ビレー中の相棒が下で凍えているのを思うとピッチがあがる。中間部を過ぎたあたりで日が差してるあたりに方向を変え 岩角で支点をとりさっさと相棒のフォローに移る。彼女はアイスの経験はあまりないと聞いていたが雪稜などは一緒にやっているので大丈夫だろうと思うが.....。ロープが上がってきたのでちょっとほっとする。相棒はアイゼンを効かせながら力強く登ってくる。あっという間に山行のハイライトは終わった。2ピッチ目も私が先行し登山道の真ん中で支点をとってフォロー中、ふと見るとおじさんがいた。ピッケルなしでフリーで登ってきた単独登山者だった。こっちはバッチリ準備して臨んでるのに『ほんと興ざめだよ』二人でわらった。P3ピークでロープをしまいながら、「次のP4気を抜かずに行こう」と再確認。ロープを解いてからが核心 ってことで。確実にテンポよく登る。P4ピーク過ぎたが相棒には言わずに黙々と登る,,,,と阿弥陀山頂(12:00)雪は無かったが一時眺望を楽しみ二人で写真をとって下山開始。御小屋尾根を駆け下り駐車場についたのは14:36。天候にも恵まれ、最高のアイゼントレーニングを一足早く済ませてしまった。
追記
経緯と初日二日目
相棒を八ヶ岳に案内するために、赤岳とバリエーションを一本いれて計画をたてた。また快適で有名な赤岳鉱泉に泊まるってのも当初からの計画だ。バリエーションは阿弥陀南陵を金曜日にやっつけて赤岳鉱泉にとまって2日目硫黄岳から赤岳を経由して再度阿弥陀を登って舟山十字路へ下る計画だったが、23日は雨で南方からの強風な予想で前週末の降雪が残っているようなので、雪山に換えて計画を見直した。初日は鉱泉まで二日目赤岳一旦下山し三日目に阿弥陀南陵とした。
10/23朝5時半に蒲田をでて赤岳山荘駐車場に9時10着。装備を冬山装備に補助ロープ20mとビールワインウイスキーなど宴会装備に整え?9:50出発。軽く雨が降ってる。11時40分頃には赤岳鉱泉についたが雨は軽く降り続いていた。この日は硫黄岳でもピストンしようかと思っていたが取り敢えず乾燥室て濡れた衣類を干した。小屋は快適でだらだらしてるうちにすっかり小屋から出る気が失せていった。夜はステーキをつまみに担いできたチリワインを楽しんだ。部屋に戻り少し飲んで就寝。
翌朝四時半起床、不要な荷物を小屋にデポして6時に出発した。6:37行者小屋で衣服調整した。文三郎尾根を詰めていくと次第に雪と昨日の雨が凍結しているところが所々出てきた。アイゼンは着けない(阿弥陀南陵の為に研いだアイゼンは温存したかった)。頭にもやがかかった阿弥陀岳に日が差して赤く照らしていた。この時7:00。7:32阿弥陀からの稜線にのる。周囲の展望を楽しみながら岩場の始まり。7:42主稜線にのったところでシェルを着た。西からの風はつよく冷たい。岩肌も冷えている。8:09赤岳山頂。雪はほとんど無くアイゼンは不要。よって横岳・硫黄岳と周回する。稜線ではお約束の強烈な西風を受けながら日ノ岳・鉾岳・石尊峰・横岳ときて硫黄岳山荘に10:40。山荘でコーヒーを戴き冷えた体をゆっくり温めた。爆裂火口に11:35分赤岳鉱泉に13:00に着いた。デポしていた荷物をザックに詰め込み下山した。駐車場には14:26着約30分荷物の整理をして出発。今晩のお湯は『河原温泉河原の湯」風呂代は600円食事は自炊が可能。出てから今晩の飯をAコープで買い込み船山十字路へ移動。
フォトギャラリー:57枚
装備・携行品
【その他】
ウエア:ハードシェル,ウールシャツ, ウールT, ズボン, 靴下, グローブ, クロコゲイター,防寒テムレス,バラクラバ,ニットニット帽, 靴トリオレ 携行品:ザック, フリース、ダウンセーター、行動食, 非常食, テルモス, 地図(地形図), コンパス, 笛, 計画書, ヘッドランプ, 予備電池, GPS, 筆記用具, ファーストエイドキット, 常備薬, 日焼け止め, 保険証, 携帯, 時計, サングラス, タオル, ワイン1ウヰスキー200ml, 登攀具:ヘルメット・ハーネス・クイックドローx2、スリング120~x3,ビナ5、PAS+環付,ルベルソ+環付2,ピッケル/バイル 感染予防:マスク、除菌スプレー 共同:ツェルト,ロープ60M,スリング240x2・400x1,ガス、ガスヘッド、クイックドロー長2 |
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