行程・コース
天候
快晴
登山口へのアクセス
マイカー
この登山記録の行程
登山口(6:15)淀川小屋(6:40)花之江河(7:50)黒味岳(8:15)栗生岳(10:00)宮之浦岳(10:10)登山口(13:20)
高低図
登山記録
行動記録・感想・メモ
九大WVキャップテンである江副君が「黒味岳の石楠花は凄いよ!」と囁いたのは、大学に入って山歩きを始めて間もない昭和40年頃のことだ。爾来、「黒味岳の石楠花を見よう」と事ある毎に思い出していたのだが、今回、42年振りに屋久島を訪れて夢を叶えることが出来た。
屋久島が世界自然遺産に登録されてから訪れる人が多くなったと言う。渋滞に捉まらないように暗いうちに起きてレンタカーを走らせるものの、淀川登山口までは20kmもあってたっぷり時間を食う。登山口には数十人と十数台の車が溢れているが、よく踏まれた登山道を淀川小屋へ向かっても心配した渋滞は無く、拍子抜けする。
安房に一泊して海抜ゼロからトロッコ道を辿り、山中に2泊して花之江河~宮之浦岳~永田岳と歩いて永田部落へ下山して公民館に泊めてもらうという、九州の最高峰に登るのに4泊4日を要した42年前に比べ、標高1,400mまで車で上がれるようになった現状を思うと、年月の経過を感じないでは居られない。
淀川を渡って花之江河への登りに掛かり、小花之江河を経て花之江河へ降りる。視界が開け、巨岩が乗る黒味岳や高盤岳が見え、杉の古木と併せた山の趣に「屋久島へ遣って来た」と実感する。流水が随所に見られるが、要所には階段や板道が整備されて気持ち好く歩くことが出来る。「さすがに、世界遺産の島だ。金も掛けている」と感心する。
ザックがデポしてある分岐点を左に折れて黒味岳へ急登すると樹高が落ちて視界が開け、待望のシャクナゲの花が山肌にポッポッと浮かび上がる。山頂の大岩の上に立って宮之浦岳の眺望を我が物とし、大株の石楠花の花を愛で写真に撮る。「しかし、久恋の黒味岳にしては、花が少ない気がする」とやや不満が残る。
予定より短時間で黒味岳に登れたので、宮之浦岳まで足を伸ばす。分岐へ下り、投石平を経て北上する。安房岳北面の小沢には澄んだ水が豊富に湧き出て流れを作っており、気持ちの好い所だ。宮之浦岳までの間には未踏の4つのピークが在って「登りたい」と思うが、登山道が無いので何れも笹薮を漕がなければならず、時間と気持の余裕が無いと踏み込めない。翁岳から下降して来たのは、「この10年間、毎年宮之浦岳に登っている」と言う大人数のパーティーだ。「せめて!」と、栗生岳の岩峰に登って気を晴らす。
宮之浦岳の山頂に立ち、笹の斜面に大岩がポコッポコッと頭を出した独特の容貌の永田岳に再会してアルバムの白黒写真を思い出す。首を巡らせて何度も眺め遣り、写真を撮って大休止する。
テントに戻って水道で汗を拭い、肌着類を水洗いして乾かす。魚料理屋にツマミを注文してから、磯に出て遊び、時間を潰す。夕方、ベンチに腰を下ろして缶ビールを開け、トビウオとモンゴウイカのサシミに舌鼓を打ちながら42年振りの屋久島の山歩きを振り返る。







