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2023:念願の八ヶ岳縦走~真教寺尾根から赤岳・横岳・硫黄岳~

赤岳・横岳・硫黄岳( 八ヶ岳)

パーティ: 1人 (ヒソカ さん )

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行程・コース

天候

2日間共に晴れ、微風。

登山口へのアクセス

マイカー
その他: 美しの森駐車場より、真教寺尾根登山口へ。

この登山記録の行程

【1日目】
美し森(06:20)・・・羽衣池(07:07)・・・リフト山頂駅(07:44)・・・牛首山(08:49)・・・六合目(10:02)・・・赤岳(12:09)[休憩 20分]・・・赤岳天望荘(13:00)・・・三叉峰(14:17)・・・横岳(14:39)[休憩 5分]・・・大ダルミ(15:30)

【2日目】
大ダルミ(06:16)・・・硫黄岳(06:52)[休憩 20分]・・・赤岩ノ頭(07:39)・・・赤岳鉱泉(08:49)・・・行者小屋(09:28)・・・赤岳天望荘(10:31)・・・巻き道分岐(10:56)[休憩 5分]・・・大天狗(12:02)・・・小天狗(13:04)・・・県界尾根取付点(14:11)・・・大門沢林道入口(14:27)・・・美し森(15:05)

コース

総距離
約23.3km
累積標高差
上り約2,641m
下り約2,641m
コースタイム
標準17時間12
自己17時間9
倍率1.00

高低図

標準タイム比較グラフ

GPX ダウンロード KML ダウンロード

登山記録

行動記録・感想・メモ

念願の初縦走。垂直(に見える)急斜面の岩場が随所に現れ、これまでに登った山々とは明らかにレベルが違い緊張した。好天に恵まれたこともあり、無事縦走することができた。美し森ルートは技術的難易度D。初のDレベルで経験値が上がった。小さな美しい各種の高山植物の花々も楽しむことができた。

昨年、日帰りで硫黄岳に登り、そこから見た八ヶ岳の尾根がとても美しく、いつか縦走したいと思った。今年、近隣の手ごろな山でトレーニングを行いつつ、その機会を伺っていた。春の雪が残る時期は最初の縦走にはハードルが高い。6月から7月中旬は梅雨で天候が安定しない、特に今年は記録的な豪雨もあった。なんとか7月下旬に行かれればと、毎日八ヶ岳の天気予報をチェック。平日の2日間で晴れの予報になる日がなかなか無い。一旦は晴れの予報が出ても翌日には雨風に変わっていたりということが何度もあった。7月23日朝の予報で、24、25日は晴れと出ていたので、硫黄岳山荘を予約した。宿泊を行者小屋にするか迷ったが、疲労の少ない初日に赤岳、横岳、大ダルミと縦走を楽しみ、二日目は、硫黄岳から赤岳鉱泉、行者小屋をまわって戻るコースにした。

今回の計画は、車での移動距離が近い山梨県側から登る事とし、美し森から往路は真教寺尾根、復路は県界尾根ルートにした。昨年、硫黄岳に日帰り登山した際には桜平から登ったが、関東から行くとやや遠く、また、桜台駐車場までの道は舗装されておらず、車高の高い車でないと岩で下を擦ってしまいそうでヒヤヒヤしたので、車道が整備されている美し森から出発することとした。

初日の早朝に自宅を出発して、6時頃に美し森の駐車場へ到着。もう1時間早く着く予定であったが、寝坊して出発が遅れてしまった。駐車場の車は5、6台程で、余裕で駐車できた。朝食にパンを食べて出発。天気は良く風もほとんど無い良いコンディション。出だしから道を間違え、まっすぐ羽衣池へ向かうべきところを、川俣川に向かう林道に入ってしまった。幸い、八ヶ岳横断歩道で羽衣池へ行くことができた。30分位ロスした。(後で確認した所、まっすぐ羽衣池へ向かう木道は工事中で通行止めになっており、間違えたと思った今回のルートが迂回路になっていた。)そこからは道迷い個所も無く、真教寺尾根をひたすら登る。樹林帯の穏やかな尾根道を登っていく。意外と暑く、帽子のあご紐から汗が滴り落ちてきた。比較的穏やかな尾根道は六合目までで、ここから岩場となる。大きな岩がごろごろしている道を進むと、垂直に見える岩場に出る。ここでヘルメットを着用。初ヘルメット。鎖があるが、上りの時は鎖につかまらない方が安定した。三点支持を確実に維持しながら慎重に登る。高度感には強くないため、下を見ると目が眩みそうな個所もあったが、そこは下を見ないで、正面の岩場に集中することで足がすくむこともなく進めた。一体どうやって登るのかと思う岩場も、取りついてみると、手足をかける場所がちょうどよい所に見つかるものだと思った。但し、手足をかけた手ごろな石が動くことがあるので、重心を移す前にしっかり確認することが大事だと思った。この日は天気が良く、また前後に人も居なかったので、比較的すんなり登る事が出来たのだと思う。

一つ岩場を登っては、振り返って尾根を眺め、また次の岩場を登り、という事を繰り返しているうちに、真教寺尾根の分岐点に着く。ここまで来ると別ルートで登っている人たちの姿が見える。赤岳山頂まで15分。ここからも険しい鎖場、ハシゴが続くが、天気も良く楽しく登れる。12時頃無事赤岳山頂に到着。頂上は混んでいなかったので、お昼を食べて、念願の縦走に出発。昨年、硫黄岳から見た縦走路のイメージとは異なり、鎖場、ハシゴが連続するなかなか険しい縦走路が横岳まで続く。足に疲労が来ていない初日に縦走して正解だと思った。荒々しい岩場が続く尾根の景色は素晴らしく、またひとつひとつ岩場を超えていくのも楽しい。横岳につくと硫黄岳までの比較的穏やかな尾根が見える。振り返ると、険しい赤岳が見て、あそこから尾根伝いに歩いてきたのだなと感慨深い。楽しい尾根歩きももうすぐ終わりと思うと惜しい。時間に余裕もあったので、ゆっくりと大ダルミに向かって降りていく。

15時半頃、硫黄岳山荘に到着。シャワーがあるのがうれしい。早速汗を流してのんびり過ごす。初の山小屋だったが、食事もおいしく、とても快適だった。夜の星空も、朝焼けも、山の上でなければ見られない素晴らしい景色だった。ちなみに気温は低く、山小屋ではストーブを焚いていた。

翌朝ゆっくり支度をして、6時過ぎに出発。山小屋に泊まると、朝、山の上からすぐに山歩きを始められるのがうれしい。2日目も快晴。風も殆ど無し。朝の清澄な空気が本当に気持ちよい。ほどなく硫黄岳に到着。旧噴火口の周囲もまわって、広々とした頂上でゆっくり過ごす。残念ながら、縦走はこれで終わりと思いながら、赤岩ノ頭へ下る。眺望があるのはここまでで、ここからは樹林帯を進む。赤岳鉱泉までは樹林帯だったためか、思ったより長く感じた。ほぼ予定通りに行者小屋に着き、そこから地蔵尾根を登って再び赤岳展望荘へ。地蔵尾根最後の鎖場、ハシゴはなかなか険しかった。疲労もあるので特に注意して進んだ。無事地蔵の頭に着き、赤岳展望荘脇から県界尾根へ入る。

県界尾根は、最初は狭い道をやぶ漕ぎする感じなので本当にこれで合っているのかと思ってしまう。また、八ヶ岳のメインの縦走が終わったので、何となく普通の尾根道を淡々と下っていくというイメージを持っていたが、それはとんてもなく、険しい鎖場、ハシゴが何度も続く。下りはどうしても下を見ないと降りられないので、嫌でも高度差を目の当たりにしなければならず、少々難儀した。最後まで気を抜かないと言い聞かせながら集中力を保って、無事岩場を通過した。岩場を超えると大天狗に出る。そこから小天狗までが長く感じた。小天狗で県界尾根と野辺山道に分岐するので、ここで間違いなく県界尾根に入らないと野辺山に行ってしまう。要注意と思いながら歩いていたが、なかなか小天狗に着かない。途中に2か所標識があったのだが、ひとつは進行方向方面は「野辺山」と出ていて、更に進んだ先の標識には、進行方向方面は、「防火線頭」といずれも野辺山道の表示になっていた。ひょっとして県界尾根の分岐を見逃したかと不安になったが、数十メートル進んだところが小天狗の分岐だった。

やれやれ一安心と思って、分岐を県界尾根に入り、これで大丈夫と進み始めたが、ここからが思った以上に長く、そこそこ傾斜のある歩きにくいガレ場が延々と続く。疲れた足の痛みに耐えながら、滑らないように気を付けつつ黙々と進んだ。1時間半ほど耐えてやっと大門沢林道に出た。ここから少し行くと、ハイランドパークの舗装路に出る。30分程で駐車場に到着し、今回の登山は終了。

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フォトギャラリー:105枚

美し森駐車場を少し上がった所が出発点。

迂回路の林道から羽衣池へ向かい、真教寺尾根ルートに入る。

営業時間外のためか、リフト駅方面の通路にはロープが張ってあった。

しばらくは、のどかな道が続く。

牛首山を過ぎて暫らく行くと、岩場が始まる。最初の岩場。

鎖場。垂直の様に感じる。

岩場を登ると、歩いてきた真教寺尾根が見る。結構歩いたが、ここからが難所。

次に現れた岩場。

その次に現れた岩場。

この辺りでヘルメットを装着。初ヘルメット。

次の岩場。急だが、手がかり、足場は確保しやすかった。

次の岩場。鎖を使わず、三点支持で登ると安定する。

岩場の上からの眺め。

右手の尾根が真教寺尾根で、左手の尾根が下りで通る県界尾根。

真教寺尾根ルートの8/10地点。

急な岩場がまだまだ続きます。

天候に恵まれ、人も居なかったので登りやすかった。

次々に現れる岩場をひたすら登ります。

後で合流する天狗尾根らしきものが見えてきました。

真教寺尾根ルートの9/10地点。あと少し。

もう一息。

なかなか険しい。

これを上れば、いよいよ最後か。

赤岳尾根に合流。赤岳山頂まであと15分。

登ってきた真教寺尾根が見える。

赤岳山頂まであと15分、再び岩場を上る。

真教寺尾根の終点まで来た。

赤岳山頂に向かって。高度感のあるハシゴ。右は見ないで慎重に上る。

真教寺尾根コースが終わっても、赤岳山頂までは険しい岩場が続く。

左手方面が赤岳山頂。

険しい。

もう一息と思って上る。

県界尾根と真教寺尾根が遠くに見える。

後で通過する赤岳展望荘が見る。そろそろ赤岳頂上。

空いていたので昼食をとって一休み。いよいよ縦走のスタート。

赤岳山頂を下って、県界尾根分岐点へ。県界尾根は、明日下るルート。

赤岳展望荘へ向かって下りていく。なかなか急。

これから歩いて行く稜線がきれいに見える。気分も盛り上がる。

明日上る地蔵尾根が見える。ここもなかなか険しそうと思いながら眺める。

横岳に向かう稜線。美しい。

たまには平らな道も現れる。

こういう道では景色を楽しみながら進む。

すぐにまた鎖場が現れる。

続いてガレ場。

石尊峰。標識がなければそれと気づかなかったと思う。

石尊峰からの眺め。左奥に赤岩の頭が見える。

続いて三叉峰(さんしゃほう)通過。

三叉峰を過ぎて穏やかな稜線歩き。

振り返ると赤岳が見える。

無名峰に到着。カラフルな標識が良かった。

無名峰から赤岳方面を望む。

14:39 横岳山頂到着。

横岳から望む赤岳方面。

横岳から望む大ダルミ。本日の終着点。

ナイフリッジをトラバースする箇所。

ここをトラバースすると本日の行程も終盤。

景色が一気に変わる。本日の宿泊先の硫黄岳山荘が見える。稜線歩きが終わってしまうのが惜しい。

硫黄岳山荘に到着。

眺めの良い素晴らしいロケーション。シャワーがあり、食事がとてもおいしい。

本日の寝床。二段式の上段。三方がカーテンで仕切られている。窓からの眺めも良く、夜は星空、明け方は朝焼けが見える。
1日目、無事終了。

2日目の日の出。今日も良い天気。

朝焼けの硫黄岳。

大ダルミから硫黄岳への登山道。

振り返ると、昨日歩いた稜線が見える。

硫黄岳到着。昨年来たときはガスで見えなかった旧噴火口が良く見える。

硫黄岳山頂からの眺めも素晴らしい。縦走も終わり。しばし景色を楽しむ。

赤岩ノ頭へ下る。

赤岳鉱泉への分岐。

ここからはしばらく林間。赤岳鉱泉まで下りが続く。

赤岳鉱泉を過ぎると上りが始まる。

中山乗越(なかやまのっこし)。プレートが立派。

行者小屋から地蔵尾根へ。

直ぐに険しい上りが現れる。

急登が続く。

振り返ると小さく行者小屋が見える。

最後に急な鎖場が続く。足腰の疲労を踏まえて集中して上る。

上にお地蔵様が見えてくる。ここは鎖無し。

無事、地蔵ノ頭に到着。

県界尾根への分岐へ向かう。この景色も最後。

県界尾根へ入る。

県界尾根は道幅が狭く、しばらくは鎖場が続くので、気が抜けない。

獣道の様な道を進む。

急な岩場も複数個所ある。下りはどうしても下の方が視界に入るので、高度感がある。

大天狗まで到着。急な道はここまで。

比較的穏やかな林間道を進む。

小天狗の分岐に着くまでに現れる標識。分岐を見逃して、野辺山道に入ってしまったのではないかと心配になる。

次に現れる標識も、野辺山道の防火線ノ頭を示しており、いよいよ分岐を見逃したかと焦る。

数十メートル進んだところで、無事分岐に到着。一安心。

分岐を清里方面(県界尾根コース)に進む。

小天狗から1時間程、それなりに急なガレ場を延々と下り、膝が痛くなる。リュックの重さで肩も痛くなり始める。(痛みを我慢してひたすら歩いていたため、写真を撮る余裕もなし)
やっとガレ場が終わり、登山道入り口まで来る。

そして舗装路が現れ始める。

県界尾根コースの終点。

山道の入り口まで来る。

ここから先はアスファルトの一般道。30分程歩いて、無事美し森駐車場へ到着。

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装備・携行品

シャツ アンダーウェア ロングパンツ サポートタイツ 靴下 レインウェア
登山靴 バックパック 水筒・テルモス ヘッドランプ 予備電池 タオル
帽子 グローブ 着替え 地図 コンパス ノート・筆記用具
登山計画書(控え) ナイフ ツエルト 健康保険証 ホイッスル 医療品
非常食 行動食 GPS機器 ライター ヘルメット

登った山

横岳

横岳

2,830m

赤岳

赤岳

2,899m

牛首山

牛首山

2,280m

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