行程・コース
天候
①7/24晴れ ②7/25晴れ ③7/26夜半にわか雨のち晴れ、午後時々雨・雷鳴 ④7/27晴れ、午後雷雨 ⑤7/28晴れ、午後時々雷雨 ⑥7/29晴れ、午後霧のち雨のち曇り ⑦7/30晴れ
7/22に関東甲信越地方が梅雨明けし、台風5号が太平洋高気圧の勢力を強め、日本列島に「クジラのしっぽ」となって張り出し、午前中を中心に全日安定した天候でした。中盤、雲は多めながら、遠望は効き、素晴らしい展望と美しい森の山歩きを満喫できました。長めの山行では週間天気図で特に低気圧・前線の無い日程を狙って決行。
登山口へのアクセス
マイカー
その他:
①5:00戸台・仙流荘幕場に荷物デポ後、下山口の鳥倉林道・第2駐車場へ。車を置き、9:29伊那バス鳥倉線乗車1,560円→11:00伊那大島駅着、セブンイレブンでおむすび2個、菓子パン1個購入、11:53JR飯田線乗車680円→13:05伊那市駅着、県道146号に出て、13:21伊那通町よりJRバス乗車530円→13:45高遠駅着。割烹だるまやにて昼食、穴子天丼850円。15:00伊那市バス長谷循環線乗車310円(土日祝運休)→15:29仙流荘帰着。②6:05南ア林道バス乗車1,070円→6:30歌宿着。
この登山記録の行程
入山日前日を、下山口への車の回送・入山口への移動に当てています。
【1日目】
歌宿(06:35)・・・馬の背ヒュッテ(11:34)・・・藪沢小屋(12:00)
【2日目】
藪沢小屋(04:48)・・・馬の背ヒュッテ(05:15)[休憩 5分]・・・仙丈小屋(06:08)[休憩 5分]・・・仙丈ヶ岳(06:44)[休憩 13分]・・・伊那荒倉岳(10:15)[休憩 15分]・・・野呂川越(12:43)・・・両俣小屋(13:30)
【3日目】
両俣小屋(05:35)・・・野呂川越(06:28)・・・三峰岳(10:31)[休憩 12分]・・・三国平(11:36)[休憩 5分]・・・熊ノ平小屋(12:15)
【4日目】
熊ノ平小屋(05:30)・・・安倍荒倉岳(6:12)・・・新蛇抜山(7:50)・・・北荒川岳(09:31)・・・雪投沢源頭部(11:50)
【5日目】
雪投沢源頭部(4:50)・・・北俣岳分岐(5:55)・・・塩見岳(6:30)・・・塩見小屋(08:00)・・・本谷山(09:48)・・・三伏峠(11:05)
【6日目】
三伏峠(06:00)・・・塩川ルート合流点(06:18)・・・豊口山間のコル(07:25)・・・鳥倉(豊口山)登山口(08:19)・・・鳥倉林道ゲート(09:00)・・・鳥倉林道第2駐車場(09:17)
予備日は1日設けましたが、消化せず。
高低図
標準タイム比較グラフ
登山記録
行動記録・感想・メモ
まずは「山チャレ!」のテーマ:「仙塩尾根を幕営自炊で歩く。」
里は連日猛暑日、樹林帯8割、森林限界より上2割なら涼しかろう!?
父に連れられ、大菩薩嶺を歩いたのが20年前の「山の日」。山歩きを始めてしばらくすると、その父から何冊か山の本を貰った。その中に昭和41年山と渓谷社発行の「アルパインガイド19南アルプス北部 白峰・甲斐駒・仙丈」があった。著者は昨年亡くなられた白旗史朗先生。案内書として大変親切丁寧で、更に歯に衣着せぬ彼の綴る文章にも引き込まれた。
この本では仙塩尾根の内、「三峰岳と仙丈岳をつなぐ間を馬鹿尾根とよんでいる。これは森林帯で展望もなく、馬鹿馬鹿しく長いだけという意味でこうよばれる。」とあり、更に「(両俣小屋を中継点とすると)翌日のコースはやはり北岳の方に向けられてしまうことが多い。」とも。納得!
なぜ南アルプス?
南アルプスの魅力は、高い森林限界、美しい森、主稜では一つ一つの山が大きく歩き甲斐があり、入山者は比較的山慣れしていて、小屋の人が温和なところ。今の自身には、北部を中心にまだ幕営料が安いところも。
当初の計画は2009年立案で、北沢峠〜仙丈ヶ岳〜三峰岳〜間ノ岳〜農鳥岳〜奈良田。当時は現役で、お金はあっても時間が無く、山小屋5泊各2食付で計画するも実行できず。今はお金は無くとも時間はある。「山に登るということは、絶対に山に寝ることでなければならない。山から出たばかりの水を飲むことでなければならない。」(田部重治先生) モットーはルン♡キャン(ルンペンキャンプ。師匠は畦地梅太郎先生。)なので、幕営自炊で行きましょう。
お断り
・入山前泊含め6泊7日、行程上幕営で無い所もあります。
・「行程」が正しく、「コース」と異なっています。これは、ヤマタイムで自由地点を選択すると、「宿泊」を選べないためです。
・初日①7/24(入山日前日)は下山口への車の回送・入山口への移動に当てています。自身の幕営山行の多くで、最終日は下山口に近い幕場から下山のみにすると、1日長く山に浸れた気分になり、それまでの行程の整理が付きます。更にその後、温泉・グルメ・お土産・観光等に時間を充てることができます。リレー行動により、山行が旅行になります。下山して疲れて、重い荷を背負って公共交通機関等にて入山口まで戻ることは、初日の行程による歩き始めの時間や、交通機関の連絡の悪さ等でどうにもならないこともありますが、なるべく避けています。更に渋滞の多いこの時期、代わりのいない単独では復路の車の運転にも影響しますので。
・各日行動時間はコースタイムで原則6時間以下にて設計しています。荷が重く、フィジカルは強く無く、コースタイムでは歩けないので、早出早着を心掛けています。真夏の山は大抵午後雷雨にやられます。日の出と共に歩き出せば、朝の澄み切った空の下、いくらか涼しく歩けます。
南下か?北上か?
計画時、この点悩まれる方もいらっしゃるかと。これまで仙丈ヶ岳には2回、塩見岳には1回行きました。この間を繋ぐ今回の山行、参考に過去の私蔵ヤマケイをめくると、6件中5件の記事で南下。記事から妄想するのは、振り返るとこれまで歩いた遙かなる縦走路、北荒川岳から望む凄惨な崩壊地と、「漆黒の鉄の兜」(深田先生)の対照。妄想に応えるのは、南下! 認知バイアスで行く前から遭難してます?
アプローチに丸一日
「登山口へのアクセス」の通りです。昔ながらの時刻表を追っての設計。運行期間・運行日・出発日・曜日すべてを擦り合わせます。結果、いくつかメリットがあります。
・公共交通機関の連絡。乗り換えの待ち時間に買い物・食事。
・先に入山口に荷物をデポ、下山口に車を置いてから身軽に移動。
・鳥倉林道発のバスの荷物代780円の節約、規定内の手荷物に収めて。
・仙流荘・幕場代1,000円/1泊 < 南アルプス林道バス利用者駐車場料金1,000円/5日間 X2
・仙流荘に戻り、バス乗り場で翌朝のバス乗車券を購入できた。翌朝は乗車列に並ぶだけ。
①7/24 晴れ
1:14自宅より車で出庫、明るくなった4:30頃、仙流荘に到着。玄関は開いていて、ロビーに数人、フロントに職員さんが出てきて幕場の受付。
幕場に荷をデポ後、5:15仙流荘を発ち、分杭峠を越え大鹿村へ。6:00道の駅歌舞伎の里大鹿に着くと、小渋川を挟んで三六災害の大西山の大崩落斜面が大迫力。このまま鳥倉入りは早すぎるので、大西公園へ。ここは崩落跡地に慰霊復興のため作られた公園で、春は桜が綺麗らしい。眺めは、小渋川の先に赤石岳! ライブカメラでお家でも見れます。
ぼちぼち鳥倉林道へ。越路の第1駐車場は満車にて、1.2km程手前の第2駐車場へ。日差しが暑く、木陰で1時間以上待ってバス乗車。以下、仙流荘までは「登山口へのアクセス」の通りです。
15:29仙流荘着。バス乗り場で、翌朝の歌宿までの片道バス乗車券を買えたのはラッキー。券は5日間有効。幕場に戻り、幕は張らず、寝床のみ準備。普段1日2食で昼食がご馳走だったのでお腹は空かない。早めに寝るが、隣の入浴施設の明かりが眩しい。幸い20時頃には消灯。
②7/25 晴れ
2:40起床。昨晩幕場の利用は自分だけ。少し蒸し暑く、夜半窓を開けた。早着の車の音がうるさい。食欲なく、持参のツナサンド半分食べ、荷をまとめ4:00乗車待ちの列へ、先頭。明るくなるに従い、乗車券購入の列が長くなっていった。バスでの北沢峠のアプローチは今季も戸台のみ。バス会社の方曰く、「バス1台28名の定員、今朝は4台出す予定。」 5:51先頭のバス到着。1番左前に着席。出発するとすぐに歌宿で降車の確認があった。自分だけのようだ。戸台大橋を渡り、グングン高度を稼ぎ、鋸岳の稜線が下がってくると、歌宿着。後続のバス3台でも歌宿で下車する人はいなかった。ここにはベンチ、トイレもある。靴紐を締めながら、逆光気味の鋸岳の影を見上げる。覚悟を決め、6日分の重荷を背負い出発。洞門を潜り、林道脇の落ち水で一杯、程無くして丹渓新道と合流。「怪峰鋸岳の偉景」、ここに住みたい。今日の丹渓新道の上りは馬の背まですれ違いは無いだろう。7:06コンクリで覆われた法面の取り付きは階段、刈り払い無く、少々草がうるさい。すぐに樹林帯へ入ると、森が美しく心地良い。しかしひと月以上歩いていなかったことと、重荷・急登で思いのほか捗らない。小休後、「一息一歩」にすると、優しい木漏れ日の中、いくらか歩き易くなった。9:40五合目。9:54独標。馬の背の上方に、藪沢カールを囲む仙丈ヶ岳の頂綾が見える。道沿いの花が増えてきた。下草はマルバダケブキ、木々は岳樺になり、10:51八合目。這松も優勢に。11:15砂礫地の終わりに近づくと、小仙丈ヶ岳の稜線に人影が見え、話声が聞こえる。植生保護棚が現れ、分岐を下り、ヒュッテのテラスで小休、小屋は藪沢を渡ったすぐ先。12:00藪沢小屋着、無人。朽ちかけた木のデッキ、携帯トイレブース2基、水場あり。荷を軽くするため、持参した缶酎ハイを水場で冷やす。デッキでは子連れの2家族が昼食を広げ賑やか。小屋1階の天井は低い。異臭は無いが、湿度高め、窓を開けると、虫がうっとうしい。1,2階で12床程、寝具あり。13:00〜昼酌。酔いの回った中、寝床を準備し、早めに就寝。
③7/26夜半にわか雨のち晴れ、午後時々雨・雷鳴
2時過ぎよりにわか雨、屋根に打ち付ける大きな雨音、来客かと思った。1時間程で止んだ。前日より軽い頭痛。朝食後、早めに荷造り。
4:48日の出と共に出発、藪沢を渡り馬の背を辿り、6:08藪沢カールの底へ。岩屑の道を上り、6:24カールの縁へ。分岐の西は地蔵尾根。ひと上りで、6:44仙丈ヶ岳、3度目で初めての快晴、たった一人の百名山。目指す塩見岳は遠い。ここから馬鹿尾根、今日は両俣までほぼ1,000m下る。7:01小仙丈ヶ岳への分岐を過ぎ、保護棚のある窪地の脇を抜け、痩せた岩稜の先、7:31大仙丈ヶ岳。下り始めると、道脇に茶色の動く物体。5羽の雷鳥の親子。窪みを越えた先で小休、雨具から穿き替える。8:38這松が濃くなり、9:27樹林帯へ。9:38苳の平?9:40白檜、深く美しい森。10:15伊那荒倉岳、展望なし。下って、10:40高望池、枯れている。水場2分、枯れることあり、とある。更に「ゴミは両俣小屋まで!!」とある、どういう意味? 下草はシダ、そして倒木と続く。上って這松になると、11:18独標。周囲の3,000m頂頭部には雲の底が掛かっている。11:30岩場に緑のナイロンロープ、重荷には助かる。再び、木漏れ日の差し込む美しい森。12:10横川岳、展望無し、左へ直角に曲がる。急降、周囲の枝が切り落とされている。左足指が痛い。堪えながら、12:43野呂川越。まだ300m程下る! 下り口に幕張跡、疲れていたら下りたく無いよな。この下り道は悪い。小さく崩れている所が多い。沢音が聞こえ、河原に出ると両俣出合、13:30両俣小屋着、下りが苦手、今日はもう歩けない。入り口脇のベンチが賑やか、奥の厨房で星さんは仕込み中。宿帳に記入していると、猫が脇で相手をしてほしいそうな素振り。「水場はそこ、トイレは2ヶ所、ゴミは分けて捨ててください。」って持ち帰りでしょうが?
14:13下流側に幕張、雨がポツリ。水を汲みに行くと、小屋入り口前に、昔甲武信小屋にいたKさんが!? 15時前より雷鳴、そして降雨。疲れて食欲ないが、15:30〜昼酌。メインはハヤシメシ。味が濃く、ルウ多めで米が柔らかく喉を通り易い。アルファ白米+レトルトより早い、安い、軽い、旨い。携行はジプロックに詰め替えて。食後、酔い覚ましに散策、テラスにイチゴ、ホタルブクロの群落、踏んでしまいそう。山ヤ、釣ヤ、トレランさんと、とても繁盛してます。
④7/27晴れ、午後雷雨
なぜか寒気がして体が震え、少し眠れず。寝具は暑い位なのに。3時頃起床、朝食後ゆっくり撤収。今日は三峰岳まで約1,000mの上り、馬鹿尾根の核心部。5:37出発。両俣出合より森に入り、急登。一汗かき、6:28野呂川越、ペース早過ぎ。6:38三角点。単調な上り、道ははっきりしていて林相が素晴らしい。7:24、8:25小休2回、急登後、下って進み、9:11岳樺這松、9:20岩場に緑のロープ。重荷で大変難儀した。あわよくば三峰岳から空身で間ノ岳往復、と考えていたが撃沈。上がって振り返ると、馬鹿尾根を俯瞰気味に一望、野呂川越を境に、前半下り、後半上り。行く手に見上げる三峰岳と間ノ岳に続く吊尾根、人が見える。この先三峰岳へは遠くから見るより急登。小ピークを2つ越えると、時折伊那側からガス。三峰岳西稜越しに熊の平小屋が見えてきた。10:25 3つ目のピークを巻いた鞍部が間ノ岳への分岐。ひと登りで10:31三峰岳。ガス優勢で白峰の頂頭は覆われ、かろうじて農鳥小屋は見える。三国平とを結ぶ巻道は広大な圏谷に付いている。姿は見えないが人の声がする。遅れているので小休を切り上げる。途中の稜直下も巻道、歩きづらく、捗らない。11:21再び稜上に出て、広くなってひと下りで、11:36三国平。巻道から若い男性3人組が来たので、少し先で荷を下ろし、小休。雲の底が低く黒くなってきた。幕を張り終えるまで持ちますように! 這松帯に入り、11:49小屋が見えてきた。岳樺の疎林、補修された道を下ると12:06井川越、崩壊が進むと、この草原も無くなる? 痛い左足を引きずりながら、ヘリポート・幕場の上を抜け、12:15熊の平小屋着。
受付後、小屋直下の樹林の一番中央・平な所に幕張。鳥のさえずりがBGM。するとすぐに13:20ポツリポツリ、13:25〜雷も。少し収まった所で水を汲みに。14:44〜昼酌。幕内で酔いに浸っていると、幕の外で小鳥の羽ばたく音、すると偶然にも幕の前室の隙間の向こうに、雀のような小鳥が。お互いの目が合うと、小鳥はそのまま飛んでいなくなってしまった。ホオジロ♀だったみたい。
16:55小屋のディーゼルが回り始めた。音もさることながら、始動時の排気の臭いこと。消灯までの辛抱だ。
夜半目が覚め、痛い左足小指が気になり、見てみると皮が剥けている。消毒し抗生剤を塗り、絆創膏を巻いた。行程は残り半分、悪化しなければ良いが。
⑤7/28晴れ、午後時々雷雨
昨日の降雨は時折強く、長かった。雨が地面から跳ね上がり、幕本体の網目から少し浸水した。寝袋が濡れぬよう気を遣った。少し冷えた。
連日の体の寒気もあり。2:30起床、朝食、普通に撤収。小屋泊・幕営の方々ほぼ皆、既に出発。5:25出発。すぐに美しい森。朝日が差し込み、白檜の樹皮が白く輝く。稜線の左下を巻き気味に進む。5:44岳樺、5:46ナナカマド、稜上に出て5:49這松、振り返ると間ノ岳・三峰岳が逆光の影。快晴だが、若干湿度あり。昨日の雨が長かったせいもある? 行く手塩見岳が少し大きく見えるようになった? それでも今日の行程は遥か先。再び森に入って6:10安倍荒倉岳の案内、空身で6:12山頂、西側の這松を分けて、中央アルプスを遠望。戻って道は再び美しい森、飽きることが無い。6:39立ち枯れの間から農鳥岳の影。7:04竜尾見晴、こことすぐ先に岩峰。逆光で滝ノ沢大滝の姿は殆ど見えず、滝音の方が明瞭。間ノ岳、農鳥岳、そして白峰南嶺の巨大な連嶺、これぞ南アルプス! 先で樹林に入り、7:20小休。7:46新蛇抜山の案内、再び空身で7:50山頂。ここはみっけもん、期待以上の大展望! 戻って稜線の左下を巻き気味に進む。今日の行程は小刻みに上下、下りは左足指が痛む。8:15木の間より眼下に大井川東俣の蛇行した流れ。8:39「立ち枯れのある原っぱ」、8:54「バイケイソウ群落の窪地」(昭文社山と高原地図)。風通しが悪く、背を焼く如く照り付ける高い日差しのもと、先の円い山体の右寄りを上る。辛く捗らないながら、9:31北荒川岳。全行程の中でもハイライト。凄惨な崩壊地と、「漆黒の鉄の兜」(深田先生)の対照。荷物を放り出し、ザレの斜面に大の字になって小休。
9:43再開、9:51稜上に幕張跡、先のザレ斜面の東にキャンプ場跡。朽ちた管理棟、中はゴミ屋敷。その手前左を進むと、這松の影に幕場。付近は傾斜していてあまり適地は見当たらない。10:00崩壊地を避け、左寄りに岳樺の疎林を上る。10:22雪投沢源頭付近が見えてきた。10:31沢に下る道が確認できる。その道へ取り付く下降点を探りながら進む。11:00下降点。直下に幕張跡あり、空身で偵察し、戻って荷を回収し、デポ。11:11サブザックに水筒詰め、沢へ下る。砂礫の這松帯から岳樺、早速幕張跡が点在。水を汲み、頭から水浴び。戻る途中、11:37一番上方の幕場に水をデポし、荷を回収、11:50幕場へ。
幕張中に、バケツに少し水を張り、残りの缶酎ハイを冷やす。12:10ポツリ。幕に入ると、一瞬幕内が明るくなり、パン!と続けて2発、至近に落雷、おっかねえ。これがあるから、稜上には極力幕張しない。雨も落ち着き、13:07〜昼酌。雲が切れ、青空も見え、メインのチキンライスは外で。岳樺の木漏れ日のもと、かすかな沢音、ウグイスとホシガラスの対照的なさえずりだけが響く、穏やかな至福の昼下がり。
⑥7/29晴れ、午後霧のち雨のち曇り
夜中、鹿が近くに来て鳴いていた。
2:20起床、朝食、撤収。白旗先生の仰っていた通り、「このあたりに幕営して一日を遊び暮らしたらさぞや、と思うくらいステキなのが、この雪投沢の源頭である。」 古くから利用されているため、ゴミとハエが多いのが難点ではあるが。
4:50出発。岳樺の森を抜け、5:00這松に差し掛かると、広河内岳付近から日の出、5:10主稜に上がると、今日も快晴。15年振りとなる塩見岳、その時見せてくれなかった峰々の姿を、今日は存分に楽しませてもらおう!
食料は残り3日分、一挙に荷が軽くなった気がする。見上げる塩見岳の双峰がまだだいぶ高い。這松の迫る稜線の道は、斜度があり、ザレて思いの外安定して歩けず、また、まだ陽の上り切らない優しい斜光の照らす山肌の表情の美しさに、捗らない。それでも5:55北俣岳分岐。少し進むと、荒川三山の右に大沢岳、中盛丸山、兎岳、左に笊ヶ岳、布引山、そして蝙蝠岳を挟んで、「鬼富士」が、雲海の上に均整のとれた墨絵のような姿を見せている。
西峰に人が見える。6:19コルより一仕事、6:30塩見岳東峰、たった一人の百名山、Off peak,mount peak! 感無量。仙塩尾根バンザイ! 6:46西峰へ。小休中、続々人が上がってきた。7:00下りよう。7:11難所のガレ場、心配ならヘルメット推奨。全行程中の最難関。7:22コル、振り返るとかなりの斜度。7:37天狗岩を越え、8:00塩見小屋下のヘリポートで小休。8:20出発すると、17名の団体さんとすれ違い。森に入り、8:25塩見新道、通行止。素晴らしい森。8:35権右衛門沢源頭、9:23立枯れより、悪沢岳・小河内岳の眺め。9:48本谷山。すれ違い多し。道は利用過多、荒れ気味。10:16のぞき岩。10:53三伏山。11:02水場・小河内岳分岐、賑やかな幕場が現れ、11:05三伏峠小屋着。
今日の日差しは強烈で、受付時、タープの施設許可を申し出た。なるべく人通りの無さそうな所に12:03幕張し、水場へ。分岐へ戻り、12:09小河内岳分岐、これから向かう人も多い。12:20水場。トイレ後の手洗い用にバケツにも汲んで戻る。湿った寝袋等干すが、程なく霧が。13:57〜昼酌。17時前にタープ撤収。18時前〜にわか雨。就寝前に左足小指の再処置、化膿気味。戻ったら医者に行こう。
⑦7/30晴れ
下山しても暑いだけ? 5:50幕場を発ち。小屋前で靴紐を慎重に締め、6:00出発。すぐに美しい森。6:07今朝も快晴、我が愛する南アルプスの峰々に別れを告げる。鳥倉登山口まで「1/10毎の標識がある」。9/10の先、6:18塩川ルート分岐(通行止め)を過ぎる。傷んだ桟道を滑らないように越える。すると17名の団体さん。しんがりの案内人らしい方に、昨日すれ違った旨伝え、道をお譲りいただく。感謝。7:25豊口山間のコルから稜の南に乗っ越す。7:38「小河内岳が見える」。7:41落葉松の植林に入って下り、8:18登山口。10人位バスを待っている。トイレに寄り、林道を下り、9:01 第1駐車場のある越路ゲート通過。トイレ、水場あり。靴、ポールの先を洗う。9:17車を留めた第2駐車場に帰着。車載の水で足を洗い、靴を履き替える。途中、9:53夕立神パノラマ展望台に立ち寄り、10:30道の駅歌舞伎の里大鹿へ。お土産・食事。「下山メシのよろこび」。入浴は高遠さくらの湯へ。
・足のむくみが取れるのに一週間、靴擦れは化膿し、医者から服用・塗布の抗生剤の処方。皮の再生には二週間要した。
・衣料・食料等未利用多し! 不足品は無し。段取り8分仕事2分。概ね成功。
フォトギャラリー:120枚
装備・携行品
| シャツ | アンダーウェア | フリース | ダウン・化繊綿ウェア | ロングパンツ | ショートパンツ |
| 靴下 | レインウェア | 登山靴 | サンダル | バックパック | サブザック |
| スタッフバック | 水筒・テルモス | ヘッドランプ | 予備電池 | 傘 | タオル |
| 帽子 | グローブ | サングラス | 着替え | 地図 | コンパス |
| ノート・筆記用具 | 腕時計 | カメラ | 登山計画書(控え) | ナイフ | 修理用具 |
| 健康保険証 | ホイッスル | 医療品 | 虫除け | 熊鈴・ベアスプレー | ロールペーパー |
| 携帯トイレ | 非常食 | 行動食 | トレッキングポール | テント | シュラフ |
| テントマット | スリーピングマット | ストーブ | 燃料 | ライター | カップ |
| クッカー | カトラリー | ||||
| 【その他】
チェアゼロ、ミニテーブル、まな板(うちわ、ハエ叩き・塵取り)、ステン皿、チタンボウル、チタンロッキーカップ、ダブルウォールカップ、エマージェンシーブランケット(タープ仕様)、レジャーシート、カーボンフェルト、バケツ、保冷バッグ、枕、小型箒、日焼け止め、ハッカスプレー、幕防犯用鍵2錠、雑巾2枚、老眼鏡、など。 jRO&ココヘリ加入、コンパスにて計画書提出。 |
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登った山
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小仙丈尾根から南アルプスの女王・仙丈ヶ岳に登り、小薮沢コースで大平山荘へ 1泊2日
- 最適日数
- 1泊2日
- コースタイプ
- 周回
- 歩行時間
- 6時間40分
- 難易度
- ★★
- コース定数
- 28




























































































































