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祝とも関100の尾瀬笠ヶ岳

悪沢岳、小笠、笠ヶ岳( 関東)

パーティ: 2人 (Yamakaeru さん 、ほか1名)

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行程・コース

天候

晴れ(下山時、ゲリラ雷雨)

登山口へのアクセス

マイカー
その他: 尾瀬戸倉の鳩待峠行きバス乗り場「尾瀬第1駐車場」を利用。収容台数280台。駐車料金:1000円/1日(入庫24h)。綺麗なトイレあり。GPS座標(36°50’18.7″N 139°15’01.7″E)

この登山記録の行程

鳩待峠(06:02)・・・オヤマ沢田代(07:30)・・・悪沢岳・・・小笠(08:43)・・・笠ヶ岳(09:44)(休憩~10:25)・・・片藤沼(10:56)・・・小笠・・・悪沢岳(12:26)・・・小至仏山手前のベンチ(12:37)(昼食~12:55)・・・オヤマ沢田代・・・鳩待峠(14:14)

コース

総距離
約13.9km
累積標高差
上り約1,005m
下り約997m

高低図

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登山記録

行動記録・感想・メモ

前回、ともさん@Yamapのお誘いで、関東100名山99座目の日留賀岳((ひるがだけ)登山に同行した。無事、登頂を果たし「これで関東100名山も残すところあと1座」と言うところまでやってきた。となると、記念すべき100座目も同行しない訳にはいかないという話になり、かくして「祝とも関100イベント」が企画された。
目指すは尾瀬の「笠ヶ岳」。
存在は知っていたが、至仏山や燧ヶ岳に隠れてしまい、自分自身今まで足を運んだことは無かった。
それにしても100座を成し遂げるという、ともさんの意志の凄さには感服する。まさに「継続は力」を体現している。
決行は週末の土曜日。
頑張って仕事を定時で切り上げて(逃亡したともいう)、いつものように家に帰るなり山道具を車に放り込み、夜のうちに尾瀬手前の拠点「道の駅 尾瀬かたしな」を目指した。
金精峠(こんせいとうげ)を抜けて、くねくねと蛇行する山道を飛ばしていたら、ブレーキから徐々に異音が聞こえるようになってきた。おそらくブレーキパッドがすり減ったことによるものと思われる。すり減った状態で走るとディスクを傷つける可能性もあり、なによりブレーキが利かなくなるので非常に危険だ。
「よりによって、こんなところで」と不安になりながらも、戻る訳にもいかず「直ぐにダメになる訳ではない」と慎重に車を走らせ、23時少し前に道の駅に無地到着した。
待ち合わせの4時30分まで、軽く仮眠をとりながら体調を整えておく。
明け方、約束の時間より早めに到着したともさんと合流。その流れで、ともさんの車で尾瀬第1駐車場へ向かった。
駐車場はだいぶ埋まっていたが、タイミングよく入口手前側に駐車することができた。
4時15分と予定よりも早く到着できたのが功を奏し、ほどなくして切符の販売が開始され、並ばなくてもスムーズに購入することができた。
切符は片道分1,300円。帰りは鳩待峠で購入する仕組みだ。
何度も来ているともう馴れたもので、そのままバス乗り場の前に並び順番を確保する。
始発の時間少し前に、難題も連なったバスが入ってきた。
週末ともなると大勢の登山者が尾瀬へやって来るが、その分、バスも多めに用意されているので決して焦る必要はない。我々も2台目のバスに乗り込み「鳩待峠」へ向かう。
コーナーを曲がる度に大きく揺れながら細い林道を登っていくバス。
「今日は沢山の人が来ています。鳩待峠に着いたら立ち止まらずに山へどんどん入っていってください!」とバスの運転手が大声で説明していたのがなんとなく可笑しかった。
「ここはイベント会場か(笑)」。
鳩待峠に到着すると、真新しい建物「はとまちベース Cafe & Shop」が目に飛び込んできた。4月に来た時に比べてだいぶ出来上がっている。鳩待峠の新しい観光名所として、星野リゾートが「LUCY尾瀬鳩待」というホテルとともに建設しているもので、この9月1日から営業を開始するらしい。
バスの運転手さんが言った通り、登山者でごった返しになった鳩山峠からいち早く離れるべく、荷物を整えて至仏山へ向かう登山口に進んでいく。
登山口と言っても、基本、至仏山は山の鼻から反時計回りに歩くのが一般的であり、こちらの登山口を使う登山者は圧倒的に少ない。山頂から山の鼻への下山が禁止されているため、ピストン限定のルートになっているからだ。
我々はその途中から分岐をして笠ヶ岳へ向かうルートを取るが、笠ヶ岳を目指す人はさらに少ない。
登山口に一歩踏み込むだけで、尾瀬に来たと実感する。
日本を代表する山だけあって自然豊かな場所だ。白樺の樹や緑の葉。そして尾瀬ブルーの青い空にテンションが上がっていく。
特に笠ヶ岳は初めての山なので、これからどんなコースが待っているのかと思うとワクワクが止まらない。
一時間ほど登っていくと、柵があってその向こうに湿原が見えてきた。
「オヤマ沢田代」。
小さな湿地帯だが。まさにリトル尾瀬。一面のワタスゲが出迎えてくれた。
そのオヤマ沢田代を抜けると直ぐに「笠ヶ岳」へ向かう分岐点がある。
小至仏山に向かうルートが木道に対して、こちらは普通の登山道。差はあるが、思っていたよりは整備されていた。
「悪沢岳」を抜けて進んでいくと視界が開け、緑の絨毯のように広がった森の向こうに、三角形の成端な山が見えた。その手前にも小さなピークが寄り添うように見える。
奥が目的の「笠ヶ岳」で、手前が「小笠」だ。
笠ヶ岳は平らな布を指でつまんで持ち上げたかのように、そこだけ鋭く隆起していて、岐阜の「蕎麦粒山 (そむぎやま)」に山容が似ていた。ちなみに蕎麦粒山は、蕎麦の実を立てたように鋭く尖っているところから名前が由来している。そういう意味では、笠ヶ岳も笠というよりは、もっと尖ったものを連想させる名前が相応しかったのではと思った。
軽いアップダウンを繰り返しながら緑の絨毯を進んでいく。
所々に、ぬかるんでいる箇所もあったが、注意して歩けば泥だらけになるような酷いところは無かった。ただ、早朝だったため、下草が夜露に濡れていて100mも歩かないうちに足元がずぶ濡れになってしまった。晴れた日はつい忘れがちだが、ゲーターを持ってくるべきだったと苦笑した。前回の白神岳でも同じことを思ったが、ちっとの反省が活かされていない。
小笠をトラバースしていよいよ笠ヶ岳へ到着。
左側に回り込むように進んでから、おもむろに頂へ向かって直登する。
急峻な斜面で空を見つめながら高度を上げていく感じが気持ち良かった。
振り向くと眼下には「片藤沼」が森の中に浮かぶように見えていた。
9時44分、「やったー!」と歓喜の声と共に笠ヶ岳登頂。
ともさん念願の「関東100名山達成」の瞬間だった。
喜んでいるともさんを見て、まるで自分が達成したかのように嬉しくなった。
山頂からの景気は素晴らしく、まさに100座目を迎えるのに相応しい山だった。
一番手前に大きく見える山塊は「上州武尊山」。
新潟方面は雲がせり出していてはっきりしなかったが、「谷川岳」から「巻機山」と思われる山並みが確認できた。後ろを振り向くと、笠ヶ岳から至仏山へ向かって歩いて来たルートが良く見渡せた。たおやかなラインの稜線にうっとり。至仏山の奥には燧ヶ岳も見えていた。尾瀬の名山が一望できるなんで、なんて贅沢な風景だろうか。
ザックを降ろし、イベント達成の記念撮影タイムに入る。
「関東百名山達成」と書かれた紙を両手に持ったともさんを、いろんな角度からパシャリと写真に収める。
落ち着いたところで、自分からもともさんへ一つサプライズ。
サプライズと言うと少し大袈裟だが、ザックの中から2枚の食パンをごそごそと取り出す。
何をするのかと、不思議そうに見つめるともさん。その横でチョコレートのチューブを使って、「祝100」と「関東」という文字を食パンに書き込む。さらにイチゴを形取ったマシュマロのお菓子をその上にトッピングして、超簡単「お祝いケーキ?」の完成だ。
本当は本物のケーキを持ってきたかったが、酷暑の山にそれは無理だろうと、代わりに何かできないかと工夫を凝らした結果だった。
でも、いちごのお菓子が絶妙に華やかで、ともさんも大いに笑ってくれた。我ながら大成功だ。
ひとりきり笑ったあと、離れがたかったが、時間も限られているので、眼下に見えている片藤沼に立ち寄ってから、来た道を折り返すことにした。
片藤沼までは少々荒れていたが、10分強も歩けば到着する。小さな池塘だが、湖面に映る雲がとても綺麗なので、ぜひ立ち寄ることをお勧めしたい。
戻っている途中、悪沢岳の手前まで来たところで、急に「コロコロ」と不穏な音が聞こえるようになってきた。
見上げると、遠くの空に黒い雷雲が広がりつつある。さっきまで真っ青な空だったのに山の天気は本当に変化が激しく気が抜けない。
雷雲が気になったが、せっかく尾瀬に来たので、せめて尾瀬ヶ原だけでも眺めて帰ろうと、小至仏山の頂手前にあるベンチまで急ぎ足を伸ばしてみた。ベンチに座り、尾瀬ヶ原を眺めつつ、ついでにお腹が空いたので昼食を頂いた。
初夏を迎え、緑に包まれた尾瀬ヶ原は、4月に見た雪面とはまた違った魅力を見せてくれていた。
再び「ゴロゴロ」と大きな雷に、先ほどよりも雷雲が広がっていることに気が付いた。いつの間にかアヤメ平を覆いつくしていて、周囲が真っ暗になっていた。
明らかに雲の下には雨が降り始めているようだった。
これはやばい。
本当は「小至仏山まで登ろうか」と言う案も出ていたが、危険回避を最優先に素直に下山をすることにした。
周囲で休憩していた登山者も蜘蛛の子を散らすかのように鳩待峠に向かって下山を開始していた。
避けられないと覚悟はしていたが、降り始めて少ししたところで、パラパラと雨が降り始め、雷の音と共に徐々に大粒になっていった。
沢のようになった登山道。茶色い水が結構な勢いで足元を流れていた。
背の高い樹々に囲まれているので直接雷が落ちることはないと思ったが、空気が振動するのが分かるほど、大音量で雷が鳴り響くとドキドキする。なかなかドラマティックなシチュエーションだと思った。
幸い、本当に酷かったのは一時で、鳩待峠に着く頃には雨も小降りになっていた。
レインウエアからしみ込んだ雨で、すっかり濡れてしまった服が気持ちが悪かったので、鳩待峠に着くやいなや帰りの切符を購入して、その足で乗合タクシーに乗り込み駐車場まで戻った。
駐車場まで戻ると、青空が広がっていてさっきまでの雨が嘘のようだった。路面が乾いていたので、きっと尾瀬周辺だけの出来事だったのかも知れない。

<下山後のおまけ>
帰路に入る前に、ともさんから一つの提案があった。
ぜひ食べて欲しい欲しいカツカレーのお店があるという。
ニヤニヤしながら話すともさんによれば「ただのカツカレーではない」とのこと。
見れば驚くボリュームで、一見、いや一食の価値があると言う。
小至仏山で食事をしたばかりだったが、そんな話を聞いたら行かない訳にはいかないと車を走らせた。
お店の名前は諸事情あって伏せるが、小さなお店で最初観た時には正直イメージと違い「えっ、ここ?」と思ってしまったが、中に入ると色んなメニューが出迎えてくれた。カツカレー以外にも食べたくなるような料理がずらりと並んでいた。
しかし、あくまで目的はカツカレー。
注文をして「どんな料理が出てくるのだろう」とワクワクしながら待つこと10分。
おばさんがお盆に乗せて持ってきたカツカレーを見てびっくり。まさに、ともさんの狙い通り。想像を超えた大きさで、ラーメン鉢いっぱいにカレーが溢れんばかりに入っていた。その上にカツが乗っていたが、普通サイズのカツにも関わらず、鉢がデカすぎてまるでカレーの大海に浮いている小島のようだった。笑
一瞬たじろいでしまったが、スプーンで一口、口に運ぶと「The定食屋のカレー」と呼ぶにふさわしい、とてもまろやかな味で美味しかった。
あとはもう夢中になり汗をかきながらカレーと向き合いひたすら格闘。
食べきれるかと不安だったが、なんとか無心で食べきることができた。大満足。
そこに運ばれてきた口直しのコーヒーゼリー。
おまけの一口サイズとはいえ、どれだけサービス精神旺盛なお店だろうか。明らかに採算度外視。すっかり大ファンになってしまった。
美味しかったとお礼を言ってお店を出たが、さすがに食べすぎて帰りの車の運転が超しんどかったのは言うまでもなかった。笑

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みんなのコメント

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  • どっちが空が分からないですね。どっちでもいいのか。

  • 空を捕まえて閉じ込めてるからね。
    ^_^

登った山

笠ヶ岳

笠ヶ岳

2,058m

よく似たコース

笠ヶ岳 群馬県

お花畑に彩られた尾瀬の別天地

最適日数
日帰り
コースタイプ
往復
歩行時間
5時間30分
難易度
★★
コース定数
24
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