鹿島槍ヶ岳・爺ヶ岳を扇沢から往復（冷池山荘泊）2025

小屋泊

鹿島槍ヶ岳・爺ヶ岳（北アルプス・御嶽山）

2025.07.29（火）～2025.07.30（水）

パーティ： 1人 (ブナ太郎さん )

ブナ太郎さん

行程・コース

天候

晴れ時々曇り（両日とも天候は良好）

登山口へのアクセス

マイカー
その他：扇沢の無料駐車場（数百台駐車できそうですが、朝７時半でほぼ満車でした）

この登山記録の行程

Start(08:19)・・・柏原新道登山口(08:25)・・・種池山荘(12:26)・・・爺ヶ岳南峰(13:45)・・・赤岩尾根分岐（冷乗越）(15:28)・・・冷池山荘(15:43)・・・布引岳(布引山)(05:12)・・・南峰(06:12)・・・布引岳(布引山)(07:57)・・・冷池山荘(08:55)・・・赤岩尾根分岐（冷乗越）(09:19)・・・爺ヶ岳南峰(10:50)・・・種池山荘(11:23)・・・柏原新道登山口(14:05)・・・Goal(14:11)

コース

総距離: 約21.3km

累積標高差: 上り約2,507m; 下り約2,508m

高低図

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登山記録

行動記録・感想・メモ

（１日目）
　夏空に白い雲が湧く山並みを見上げ、扇沢の無料駐車場からスタートした。柏原新道登山口からは左手に連なる山々を見ながら、じっくりと高度を上げていく。登山道はよく整備されていて歩きやすく、急な登りもない。
　だが、種池山荘まではおよそ４時間かかり、かなり長い行程になった。種池山荘に着く頃には、夏山特有の雲が広がり、展望は今一つ。山荘周辺のチングルマを楽しみながら、ハイマツの斜面を爺ヶ岳に向かった。
　爺ヶ岳には３つのピークがあり、正面に鹿島槍ヶ岳を見ながら進んでいくはずだが、雲が厚く、鹿島槍ヶ岳は全く見えない。ザレ場にさくコマクサを見て、アップダウンを繰り返して爺ヶ岳本峰に着くと、雲が流れて冷池山荘方面が見えるようになった。
　開ける展望に気持ちが高まり、そのまま数分、立ち止まって見つめていると、鹿島槍ヶ岳が忽然と姿を現した。雲はたちまち飛んで、双耳峰がくっきりと浮かび上がった。双耳峰から下に伸びる山襞は深く、白い雪、深い緑、そして暗色の岩肌がくっきりと絡み合い、堂々たる山容を形作っている。この存在感。たしかに後立山連峰の盟主と言われるだけのことはある。
　ここから先はもう至福の時間。正面に鹿島槍ヶ岳を見ながら小一時間。ゆっくりと歩いて、この日の宿泊場所である冷池山荘に到着した。
（２日目）
　翌朝、４時半にヘッデンを付けて出発。すでに多くの登山者が出発していた。この日は前日よりもさらに天気が良く、紺色の空の底部にオレンジの直線が伸び、空高くに明けの明星が輝いている。
　テント場を過ぎると右側が切れ落ちた道に入るが、整備が良いため、歩くのに支障はない。道の左側にはチングルマが群生し、ヘッデンの光に白く浮かび上がる。この辺りは見事な花畑。鹿島槍ヶ岳は花の百名山でもある。
　ハイマツを抜けて、稜線の反対側に出ると、目の前に剱岳と立山連峰が見えてきた。日の出前だが、細く流れる雲の上に、神々しい峰々が、白く、黒く浮かんでいた。　
　しばらくすると、空が茜色に染まり始めた。立山連峰と剱岳も薄い茜色の雲を纏って色合いを強め、鋭角的な姿を見せる。
　今日一番の景色は、刻々と変わりゆく立山連峰と剱岳で、その姿をずっと見ながら歩く行程は幸せを形にしたような、そんな満足感を十二分に味わわせてくれた。
　布引山に着く手前で、もう朝日はすっかり昇り、山頂碑が白く輝く先に鹿島槍ヶ岳南峰が見えている。ここからは、砂礫地をジグザグに登っていく。明るく輝く登山道には、登山者の姿が点在し、山頂には人の影も見えている。
　鹿島槍ヶ岳山頂には数十人の登山者がいて、思い思いに絶景を楽しんでいた。
　剱岳と立山連峰の雄大で豪快な姿、反対側にはまだ陽が差さないため黒く沈んだ五竜岳。五竜岳と鹿島槍ヶ岳北峰は、後立山連峰で最大の難所である八峰キレットで繋がっている。
　２年前に五竜岳に登頂し、山頂から対岸の鹿島槍ヶ岳を見て、「次は鹿島槍ヶ岳」と思った時の感動が蘇ってくる。五竜岳の向こうには、唐松岳、白馬三山が続いている。
　鹿島槍ヶ岳に登頂してきたルートを見ると、布引山の先に爺ヶ岳、その右手には針ノ木岳と蓮華岳、そして蓮華岳の左側には槍ヶ岳も確認できる。
　この絶景は、今まで見た山頂からの景色の中でもとりわけ素晴らしいものだった。
　山頂からの下りには、たくさんの花々が登山道を彩っていて、なかなか歩が進まない。鹿島槍ヶ岳のもう一つの魅力が花だと聞いていたが、予想を超える種類や花数の多さに驚く。
　冷池山荘に戻る頃には、鹿島槍ヶ岳周辺の空には雲が厚くなり、山頂部はすっかり隠れてしまったが、立山連峰と剱岳はよく見えていいる。その凛々しい姿を右手に見ながら、爺ヶ岳から種池山荘へと歩き、種池山荘では昼食にカレーライスを食べたあと、柏原新道を一気に下った。
　扇沢の駐車場が見えてきてからが結構長く、夏の暑さと闘いながら１４時過ぎに登山口に降り立った。