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コメツツジ紅葉は燃えず・ミツコバ山~天狗塚回遊

ミツコバ山、天狗塚(三好市)( 中国・四国)

パーティ: 1人 (マローズ さん )

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行程・コース

天候

晴れ

登山口へのアクセス

マイカー
その他: 徳島県三好市山城町上名の上名交差点から県道45号に入り、県道32号を経由し、国道439号に入る。剣山方面の道路標識に従えば良い。
東祖谷菅生のいやしの温泉郷前バス停前から南に折れ、西山林道に入り、まずは温泉郷を目指す。西山林道の西部は通行止めのため、遠回りして東部から入るしかない。
温泉郷を過ぎると道標は殆どないが、国道439号迂回路の道路標識のある三叉路は左の道を上がる。
西山栗園入口手前の広場に駐車した。

この登山記録の行程

駐車場所付近から再出発10:45・・・高度1430mほどの地点で休止12:05~12:22・・・ミツコバ山で休止13:22~13:49・・・天狗塚で休止14:25~14:42・・・天狗峠15:00・・・「徳78」図根点で休止15:37~15:51・・・天狗塚登山口16:17・・・駐車場所16:32

コース

総距離
約7.6km
累積標高差
上り約827m
下り約827m

高低図

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登山記録

行動記録・感想・メモ

剣山系の高知県最高峰・三嶺から西に西熊山~天狗塚~ミツコバ山(1757.1m)にかけての尾根にはコメツツジ群落があり、紅葉時期には尾根が紅く染まり、登山者も多くなる。しかし今年の紅葉は時期が早まった様子で、天狗塚からミツコバ山周辺の紅葉は既に終わり、葉は赤黒くなっていた。それでも遠目に見ると、山肌を覆うミヤマクマザサとのコントラストが鮮明で、他の季節と比べると景観的には良い。

天狗塚は名称通りの尖峰で標高も1812mと高いので、360度の展望を誇るが、ミツコバ山は笹原の平原とは言え、尾根幅があまりにも広すぎるため、全方向の展望を得ようとすれば、三角点から若干移動しなければならない。

ミツコバ山はかつて何種かの登山コースがあったようだが、現在では「道」として明瞭なものは、亀尻峠からのコースのみになっている。しかしそれでは天狗塚との回遊ルートにした場合、西山林道を歩く距離が長くなるため、往路は第二西山谷西側の尾根を登ることにした。

この尾根は藪こそないが、幅が非常に広く、終始急登が続く。この斜面のように広い尾根は地形が特異で、一定の高度を上がると平坦地があり、その前には更に幅が広い尾根が横たわっている。その尾根をトラバース気味に上って行くとまた広い平地があり、更に斜面にしか見えない広い尾根が、まるで互い違いになるような形で横たわる、ということを何度も繰り返すのである。

このような形状が明確ではない尾根を復路に利用すると、迷う可能性が極めて高いため、復路は天狗塚から天狗峠(いざり峠)に行き、西山林道に下ることにした。
そんな往路だが、ブナ等の自然林も豊富で、ルートファインディングにしても、高い所を目指して登って行けばいいので容易い。高度700m超の急登をしのげばいいだけである。

尚、ヤマケイその他の各種登山本等では、ミツコバ山のことを「牛の背」と記しているものが多いが、以前も述べたように、本来、牛の背とは天狗塚からミツコバ山までの幅広の尾根を指す名称であり、単独の山名ではない。

余談だが、いざり峠の地図上の名称が「天狗峠」に変わったのは、’90年代後期か’00年代初頭位だったと思う。理由は「いざる」という言葉が地元では差別的用語にあたるからだという。しかしこんな左翼的発想での名称変更は、郷土歴史の冒涜になるのではないだろうか。因みに当方の地元県で「いざる」は、ただ単に「座る」という意味なのだが。

[ルート]
最初、駐車場所から西山栗園への林道を上がり、途中の分岐で左に折り返す作業道を進んでいたのだが、ザックに弁当を入れ忘れたことに気づき、急遽、道なき斜面を駈け下り、車へと戻った。

私道の林道から作業道に入るのは遠回りになることが分かったので、今度は駐車場所のやや北西のピンクのマーキングテープがついている箇所から斜面を適当に上がり、蛇行しながら作業道に戻った。
作業道は急カーブを繰り返しながら緩やかに高度を上げていたが、終点のやや手前で尾根に乗った。弁当を取りに帰ったことで焦り、高度計の高度を誤ってセットしてしまったため、その地点の地図上の同定はできない。が、尾根幅が広く、平坦だったため、1182m独立標高点北方の1150mか1160m地点かも知れない。

広い尾根を少し登ると、またピンクのテープが現れた。ここは尾根と、国有林境界が交差する地点だろう。因みにこの境界は復路の図根点(測量時の基準点の一種)に繋がっている。
1182m独標点に達すると一旦、尾根の形状が明確になるものの、すぐまたただの斜面のように広がり、傾斜角も急激に増す。西か東にトラバース気味に上るしかない。

前述のように尾根幅が極端に広がり、勾配が一気にきつくなる箇所では、斜面をトラバースして行っていると、大きくジグザグを繰り返しながら上がる薄い踏み跡に出ることがある。ただ、これがかつての登山道跡なのか、獣道なのかは判断し兼ねる。

前方一帯が明るくなると、若干藪っぽい灌木帯を経て、笹原に出る。前方右手にミツコバ山の山頂らしきピークが見えているが、指呼の距離のように見える山頂は、なかなか近づかない。高度計の数値が誤っているため、精神的にも疲れる。

牛の背の縦走路をミツコバ山に向けて歩いて行く登山者の姿を視界に捉えると、ほどなくその縦走路に合流。踏み跡程度だと思っていた縦走路は、整備されたような登山道だった。
縦走路沿いにはコメツツジの群落が続いているが、殆ど赤黒い。今年の石鎚山の紅葉は例年より二週間も早かったが、まさか剣山系のコメツツジまでも早まっているとは、夢にも思わなかった。

ミツコバ山の三角点は意外にも、最高所の先のやや低い箇所にあった。登頂時刻は13時22分だが、登山者は一人しかいない。この山はセミメジャー(セミマイナー)山だから、12時台ならもっと人がいたのかも知れない。
展望は申し分ない。剱山系や祖谷山系の山々が視界一杯に展開する。尾根の幅がもっと狭ければ、360度の展望を得られるが、「胸のすく展望」であることに変わりはない。

地形図で、天狗塚の北西に描かれている天狗池は水がなかった。三嶺の見残池のように常時水があれば、天狗塚が「逆さ天狗」となって映り、独特な景観を演出するのだが。
天狗塚は縦走路上から仰ぐと、急登が一定時間続くように見受けられるが、実際に登ってみると短時間で登頂できる。
登頂時刻が14時25分と遅かったため、時期的に人出が多いはずの天狗塚には誰一人いなかった。360度の展望を独り占め。山頂からの景色は、ミツコバ山周辺のものとあまり変わりはない。

天狗峠へ向かう縦走路からは、地蔵ノ頭(1800m)から南に伸びる県境尾根の西斜面を彩る紅葉が美しく映るが、写真に撮るとどうしても靄がかかったようになるので、シャープ処理をして肉眼での景色に近づけるしかない。

天狗峠からの復路も最初は前方に大展望を得ながら、笹原を下るが、徐々に傾斜がきつくなり、笹か灌木の根に足を引っ掛け、思いっきり転倒してしまった。
1476m独立標高点には、前述の森林管理署の図根点が埋設されているが、図根点設置時の測量上の標高は1471.7m。
ここは道標が立つ広場になっているが、西側にはいくつかのティッシュが捨てられており、「自然便所」化している模様。危うく座るところだった。しかし水に溶けるティッシュを使用することが登山者の心得だろうに。

天狗塚登山口に下り立つと、車は既になくなっており、スクーター一台のみになっていた。この登山者はいくつもの山を縦走する健脚家だろう。

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装備・携行品

シャツ アンダーウェア ダウン・化繊綿ウェア ロングパンツ 靴下 レインウェア
登山靴 バックパック スパッツ・ゲイター 水筒・テルモス ヘッドランプ 帽子
グローブ 地図 コンパス ノート・筆記用具 腕時計 カメラ
ナイフ 虫除け 行動食

この山行で使った山道具

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登った山

天狗塚

天狗塚

1,812m

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