上高地からの便り|2025年ニリンソウ最新開花情報。上高地で緑精・ミドリニリンソウと、萼片が11枚のニリンソウを見つけた!(クマの出没にも注意!!)

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取材・写真=昆野安彦

北アルプスの上高地では、いま、ニリンソウが見頃を迎えつつある。

上高地のホテルや宿泊施設からは、この時期の上高地を彩るニリンソウの開花情報がさかんに発信されている。THE PARKLODGE(ザ・パークロッジ)の上高地運営スタッフが綴る5月18日配信の最新情報によると、小梨平キャンプ場エリアでは7〜8割、明神と徳沢周辺エリアでは6割ほどのニリンソウが開花しているそうだ。

さて、5月14日に徳沢キャンプ場から雪形「徳沢の娘」の便りを寄せていただいた東北大学農学部名誉教授でフリーナチュラリストの昆野安彦さんから、今度はニリンソウに関する興味深い情報が届いた。昆野さんは毎年、萼(がく)片の数や色彩に変異の多いニリンソウの観察を、この時期の楽しみにしているそうだ。

「1枚目の写真は、私が上高地の〈緑精=グリーンスピリッツ〉と呼ぶミドリニリンソウです。どこか神々しい感じがしますね。2枚目の写真は萼片が11枚のニリンソウです。私が見つけたなかでは最高記録になりました。皆さんもこうしたニリンソウの変異探しを上高地で楽しんでみてはいかがでしょうか」

萼片の一部が緑化したミドリニリンソウ。2025年5月18日、上高地で撮影

萼片の一部が緑化したミドリニリンソウ。2025年5月18日、上高地で撮影

萼片が11枚もあるニリンソウ。2025年5月18日、上高地で撮影

萼片が11枚もあるニリンソウ。2025年5月18日、上高地で撮影

昆野さんによると、上高地のニリンソウの花は約2ヶ月にもわたって楽しめるそうだ。昆野さんの記事『徳沢のニリンソウの花の変異と、上高地でのニリンソウの見頃の期間が長い理由』によると、上高地では、ニリンソウが咲く場所でさまざまな環境の違いがあり、その自生環境の差が、長い花期を生み出しているとのこと。そのほかにも複数の理由があるそうだが、ニリンソウの花は、場所によっては7月中旬頃まで楽しめそうだ。そろそろ日本列島は梅雨入りの季節だが、みなさんも、この時期比較的空いている上高地に出かけて、ニリンソウをじっくり観察してみてはいかがだろう。

なお、昆野さんによると今年の上高地では明神付近でクマがよく目撃されているとのことだ。昆野さんは上高地のクマの出没場所にも詳しく、山と溪谷オンラインの記事『上高地の最近のクマ事情。ツキノワグマはどこにいるのか』でクマ対策等について細かく紹介している。上高地でキャンプをしたり歩くときは、クマにも十分注意してほしい。

2025年5月18日に上高地の明神付近でクマが目撃されたことを示す注意看板

2025年5月18日に上高地の明神付近でクマが目撃されたことを示す注意看板

河童橋と明神の間の遊歩道(梓川左岸)にあった上高地のクマの糞(2023年5月18日撮影)

河童橋と明神の間の遊歩道(梓川左岸)にあった上高地のクマの糞(2023年5月18日撮影)

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関連リンク

THE PARKLODGE上高地スタッフ/ニリンソウ最新情報
https://lodge.gosenjaku.co.jp/2025/05/18/5894/

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